ニキビ(尋常性ざ瘡)と糖質の関係

ニキビは尋常性ざ瘡と言われる疾患で、これまではアクネ菌による感染症だとされていました。
そのためアクネ菌に対する抗菌薬が治療の中心であり、対症療法しかありませんでした。治療していても次々新しいニキビが新生してしまいます。これまでの研究からは特定の食べ物との関連は否定され、ニキビを発症するのは角質による毛孔の閉塞が原因だと考えられていました。ニキビの再発を予防するには毛穴の詰まりを取り除くことが必要とされ、角質溶解剤のようなものが必要だとされてきました。

しかし糖質回避をすることで明らかにニキビの新生がおさえられることがわかってきました。逆に糖質を取り過ぎることで、翌日か翌々日にはニキビを生じてしまいます。
出来てしまったニキビに対する治療はこれまで通り、抗菌薬での対症療法での治療になりますが、予防に関しては糖質回避を行うだけで十分なようです。

中学生や高校生がニキビで悩まされることが多いのは、ホルモンのバランスの影響だと考えられてきました。
どうやら違うようです。
中学生・高校生の頃に丁度食べる量が増え、糖質を取り過ぎることで症状が悪化するようです。中学生・高校生の年代に糖質依存に陥ってしまうのかもしれません。

ここで注意が必要なのが、糖質を多く食べると症状が必ず出るわけではありません。人それぞれ糖質の許容量があるらしく、許容量をこえた時点でニキビが発症します。許容量が人によって異なるため、人によっては一度に丼3杯食べるなどかなり大量に食べて初めてニキビを発症しますし、人によってはお茶碗1膳しか食べなくてもニキビを発症してしましまうようです。
少なくともニキビの症状がある時点で、許容量をこえている現れです。

興味深いのが1回の食事で許容量をこえただけで、1日か2日するとニキビが出来てしまうことです。裏返せば、許容量を把握する際にニキビの治療でもアトピー性皮膚炎の際の振り返り法が役立つということです。

女性の方で生理前になるとニキビが出来るという方もおられます。その場合、ホルモン周期により変動によりニキビに対する糖質の許容量が下がることでニキビが悪化するようです。(あくまでも仮説ですが、ホルモンの影響により血糖値が変動することが影響するのではないかと考えています)

強いストレスや寝不足などでニキビが出来る方もおられます。もしかしたら強いストレスや寝不足でストレスホルモンが分泌されることで血糖値が上昇することとニキビが関連するのかもしれません。

女性の生理前や強いストレス・寝不足などの場合にはニキビに対する糖質の許容量が減少する考えられます。逆に考えれば、生理前や強いストレスう受けた場合、寝不足の際に糖質を控えることでニキビが予防出来る可能性が示唆されます。

ニキビの発症に関する仮説

糖質を1回の食事で一定量以上食べた場合や、強いストレスや寝不足でニキビを生じることから考えると、血糖値が一定以上になった場合にニキビを発症する可能性が考えられます。
つまり一時的に血糖値が上昇することが何らかの免疫異常を期待している可能性が考えられます。つまり血糖値を上げないように気をつけることでニキビを予防することが出来るのかもしれません。

治療と予防について

出来てしまったニキビは抗生物質の内服や外用で治療しましょう。
新たにニキビが出来ることを予防するには、糖質を控える糖質回避がお勧めです。
糖質を同じように食べながら、次々出来るニキビの治療をするのは、アクセルを踏みながらブレーキをがきかないと困っているのと同じです。
ニキビの治療とニキビの予防を分けて考える時代がやってきました。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。