砂糖のカロリー以外の問題点

砂糖が問題とされるのはカロリーが高いからだと考えられることが多いようです。

糖質回避を実践している私は別の視点から砂糖を見ています。
というよりも糖質回避をしていると別の視点に気づいたということです。

スーパーやコンビニで食品の成分表を確認することが多いのですが、多くのものに炭水化物が入っています。
その炭水化物は増量剤としてのデンプンか砂糖です。
食べてみてと甘いと感じれば砂糖が入っています。
例えばタンパク質が多くて糖質回避をしている人にも安心な豆腐を原料とする高野豆腐も、スーパーやコンビニで売られているものには炭水化物が多く含まれています。この炭水化物とは恐らく砂糖です。確かに食べると美味しくは感じますが甘いです。

砂糖の問題点とは本来の食事の味を必要以上に美味しく感じさせることです。
本来人間の感じる甘みは、人間に美味しいという感覚を与え、甘みを含む栄養を積極的に食べるように促すためのものでした。
その生存に有利だった感覚が、自分達で作り出すことが出来るようになったことが問題です。

焼き肉や焼き鳥でも美味しいと感じるのはタレです。
タレは基本的には砂糖と醤油による味付けです。
この砂糖がくせ者で人間の本能に働きかけて美味しいと錯覚させてしまいます。

砂糖が人間の味覚を必要以上に歪めているのです。
人間の進化の歴史上、これほど甘みを食べることはありませんでした。
かつては砂糖などの甘みは貴重だったので食べ過ぎることはありませんでしたが、技術の発達により簡単に大量に作り出すことが出来るようになったのに、その危険性についての知識が不足しているため現在のように健康問題を引き起こしつつあるようです。

砂糖の問題点(糖分依存)

何よりの砂糖の問題点はその美味しさが脳の快感を引き出すため、知らず知らずのうちに糖質依存とは異なる甘みに対する糖分依存に陥ることがあるためです。
この糖分依存に陥ると糖分に対して過剰に反応してしまいます。
依存状態なので自己抑制がきかなくなります。
つい繰り返し食べ過ぎてしまうのです。
知ってか知らずかこの糖分依存を利用して商売している企業も多数見受けられます。
例えばコンビニ業界はその最たるものでしょう。
元々スイーツが充実していたところに、ドーナツまで売り始めました。
海外発祥で最近鳥取に進出して話題になったコーヒー屋さんも、結局甘みを駆使して人々を引き寄せているだけのことです。

この糖分依存が人々に食べ過ぎを助長します。
そして糖分と相性が良いのが糖質です。
スイーツとして人々に襲いかかり、糖分依存だけでなく糖質にも依存させてしまいます。

糖分依存の禁断症状は甘い物が食べたくなりますが、糖質依存の禁断症状はお腹が空きます。糖分依存と糖質依存の共依存の関係である人が大勢おられることだと思います。

糖分に依存してしまうと甘みに対して耐性が出来てしまうので、甘みを感じにくくなります。
そして更に強い甘みを求めるようになるのです。
一度甘みの魅力にとりつかれてしまうと、頭に甘みを思い浮かべただけで食べたくなってしまいます。それこそが糖分依存の怖さ、砂糖の問題点です。

今のところ砂糖の依存性に対する知識が不足しているだけで、かつて麻薬に対する知識が無かった時代に麻薬が合法だったことを思い起こさせます。

凄く美味しくはあるのですが、砂糖が人間の食行動を歪めてしまっていると私は思います。
事実上砂糖に対する規制がないので、企業はより多く商品を売るために惜しげもなく砂糖を使っています。その意味で砂糖に対する課税を考えている国があるのもうなずけます。
しかし私個人は砂糖だけでなく、糖質全てに課税する時代が来るべきではないかと考えています。その話は別の機会に書きたいと思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。