0から思考 〜無から考える思考法〜

物事の考え方に1から考えるという考え方があります。1から考える時点で、1が決まっているので既に考え方の方向性と大きさが決まってしまいます。既に常識にとらわれている証拠です。何か全く新しいことを考えようとするならば「0」、つまり何も無い無から考え始めるべきです。

1から考えた結果失敗した例は数多くあります。最初の入り口と方向性を間違えてしまうと間違った方向にどんど進んでいきます。例えば2型糖尿病は体質として血糖値が上がる病気だと考えられました。2型糖尿病の治療法の入り口を間違えて、血糖値を上げる方向に進みました。0から考えららた江部先生が入り口を正しいものにし、方向性も確かなものにして下さいました。現在進行形で糖質の本当の姿が広まりつつあります。傷口の治療法も治療法の入り口を間違えて、消毒するという誤った方向に入り込んでしまいました。0から考えられた夏井先生が傷口の対処法を正しいものにして下さいました。

物事を考える際に、これまでの経緯から考えてしまいがちです。無条件にこれまでのことを受け入れてしまうのです。ここで全く何も無い条件、0から考えてみるのです。この「0から思考」が出来る人だけが常識にとらわれない発想で、イノベーションを起こすことが出来るのです。常識革命は「0から思考」を言い換えたもので、常識を入れ替える方法です。

「0から思考」は画期的な思考法です。例えばiPhoneやiPadを生み出したスティーブジョブズ氏は「0から思考」により、自分の欲しいものは何かを突き詰めた結果生まれたと思われます。常識的に出来ることから考える、1から考えていたのでは現時点での技術レベルから出来る範囲の発想しかなかったことでしょう。それが「0から思考」により、技術のことは全く考えず、欲しい物をとにかく絞り込んだのです。直接話したことは無いのではっきりとはわかりませんが、恐らくスティーブジョブズ氏は生まれつき「0から思考」が出来るのだと思います。彼にとっては特別な思考法ではなく、自然な考え方だったのだと思います。だからこそ天才ぶりを発揮出来たのですが、一般常識とは懸け離れた考え方なためトラブルも多かったようです。

「0から思考」は何も無い状態から、常識にとらわれず一つ一つ確実なことだけを積み上げて考えていく思考法です。例えばある組織を無くすかどうか検討する場合、通常は無くすとどうなるかを考えます。組織を無くすためには、組織を無くすための手間と組織を存続するメリットやデメリットを考えます。様々な思惑の人達や利権などが絡み合うため組織を無くすことは反対する人もいて、組織を無くすのは難航します。「0から思考」の考え方は実にシンプルです。無くすかどうか検討する場合、0から考えてみるのです。組織を0から考えるのですからその組織が無かったら、もう一度0から作るかどうかを考えるのです。あえて作る必要が無ければ、壊すのが面倒だから存続させようとするだけです。廃止すれば良いのです。組織が廃止されてどうしても困る部分があれば、その部分だけ解決策を考えるだけで良いのです。その困る部分を言い訳にして組織を存続することは、1からしか考えられないのだと思います。残念ながらいずれ衰退してしまうでしょう。

何か新しいことを始める場合も「0から思考」は非常に役立ちます。0から考えることは全く新しい価値観を生み出す可能性を秘めているからです。「0から思考」は1の方法も大きさも自分で決めることが出来るのです。様々なメーカーでは1から考えることはあっても「0から思考」が出来ているメーカーは少ないのでは無いかと思います。いつの間にか1から考えることが当たり前になってしまっているので0から考えることが難しいのではないかと思います。

ちなみに多くの子供たちは自然に「0から思考」が出来ます。何故なら子供は無の状態で生まれてくるからです。そこに大人が常識として1を教えているのです。まだ知らないことは0から考えるのが子供にとっては当たり前だから、大人には理解出来ない発想で会話が成り立たないこともあります。もしかしたら様々な問題の解決策は無邪気な子供の「0から思考」から生まれるのかもしれません。

大人でも常識にとらわれない「0から思考」をすることで、様々な問題を解決できると思います。
良かったら「0から思考」は可能性を無限に広げるもご参照ください。

これから「0から思考」を使って様々な問題の解決策や解釈法を探し出していきます

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。