まだ実用化には少し時間がかかりそうですが、実用化すれば人間が運転するよりはるかに安全なはずです。その理由を書いてみます。
人間は基本的に1つのことしか処理出来ません。前を見ながら後ろを見ることは物理的に不可能です。苦肉の策としてバックミラーやサイドミラーを活用して目の動きを最小限にすることで補っています。
自動運転の利点 並列処理
自動運転は同時にいくつでも作業を行うことが出来ます。コンピュータの性能さえあげればいくつでも同時に処理することが出来ます。前を見ながら後ろを見ながら左右の確認も同時にすることが出来ます。しかも人間には不可能な程、細い頻度で時々刻々と変わる状況をチェックすることが出来ます。極端な話コンピュータのスペック次第で、1秒間のうちに10回も20回、あるいはそれ以上確認することが出来ます。その都度最適な判断をすることが出来ます。人間には絶対に出来ない判断です。
人間は同時に処理することが出来る能力には限りがあります。お金という制約を取り払えば機械には能力的な制限がありません。このことこそが人間より自動運転の方が優れている理由なのです。まだ人間より劣る面もありますが、近い将来実現する時には人間を明らかにこえることが出来たことを意味すると思います。
自動運転は超ベテランドライバー
人間より自動運転が優れている理由に、経験があります。人間は基本的に自分で経験しなければ身につきません。人から聞く経験も多少は参考にはなりますが、誤差の範囲内程度です。一方自動運転では得られた経験が全ての自動運転車に共有されます。全ての自動運転車がベテランドライバーなのです。しかも何台も同時に経験を積み重ね、その経験を集約することが出来るのだす。1人では決して経験することの出来ない経験年数1000年という超ベテランドライバーの運転が出来るのです。1台で1000年ではなく1000台で1年の経験を合わせるのです。そして自動運転車が全て、経験を共有することで危険回避の可能性を飛躍的に高めることが出来るのです。
同時に様々なことを処理する運転という、本来なら人間には不向きな作業は機械に任せる時代がやってきます。長距離トラック、タクシーの運転という仕事は比較的早い段階で自動運転に置き換わると思います。
自動運転車がすぐにあらわれることはありませんが、10年はかからないと私は思います。自動運転が実現すると免許という概念は必要なくなりますし、もしかしたら車を所有するという概念が無くなるかもしれません。