物事を理解するためには予備知識が不可欠です。その予備知識が無いまま物事を理解しようとしても無理があります。学校の勉強が苦手で授業がわからなくなるのもこの、理解するための予備知識の不足が原因です。
説明の上手な人は理解してもらうために必要な予備知識を含めて説明していきます。当然のことながら相手のレベルに応じて予備知識の説明は詳しく話したり簡略化したりして対応します。相手のレベルに合わせ予備知識を追加することが苦手な人が、説明が下手とみなされるのです。
例えば月食という天体現象を説明する場面を考えてみてください。予備知識として自分達が住んでいるのが地球だという予備知識が無ければ理解は非常に困難です。何故なら地球の影が月に映し出されるのが月食だからです。太陽と地球と月の位置関係から説明しなければ、正確に理解してもらうことは困難です。
複雑な物事は特に予備知識が足らなければ決して理解することは出来ません。新しい情報に触れた場合、すぐに理解出来なければ、理解するために必要な予備知識が何かを見極めることが大切です。
学校での勉強の目的は、理解するために不足している予備知識を見極めるトレーニングをしていると解釈するとわかりやすいと思います。だから小手先の答えの導き方を教えてもらったところで、一向に学力が向上しないのです。
一般に頭が良いと言われる人は、自分で不足している予備知識を見極め、その予備知識を吸収出来るようです。人の手助けを受けずに出来るため、頭が良いと言われるのです。
自分で不足している予備知識を見極めるトレーニングをしてみましょう。きっと違う世界が見えるようになりますよ。
ちなみにディープラーニングは不足している予備知識を自分で探し出す新しいコンピュータの学習法です。正にコンピュータが人間をこえようとしています。少なくともすぐに機械に負けてしまわないために、ディープラーニングと同じことが出来るようになりましょう。