赤ちゃんが手づかみで食べることについて

患者さんと話をしていて驚いたことがあります。
その患者さんの読まれた子育て書には赤ちゃんが手づかみで食べることについて推奨していると書いてあるそうです。そのため手づかみで赤ちゃんが食べるのは当たり前だと思われていました。

私は日本ではその子育て書が間違っていると思います。
理由は簡単です。日本では大人は手づかみで食べないからです。
わざわざ手づかみで食べることを教える、あるいは許しておいて途中でスプーンやフォーク、箸での食事を強要することになるからです。
赤ちゃんの立場でいえば、手づかみという罠を仕掛けておいて引っかかったところで、スプーンやフォーク、箸での食事を出来ないことを責めているようなものです。
赤ちゃんにとっては手づかみで食事をする体験は余計な体験だと私は思います。

フォークやスプーンを使って食事ができるようになるまでは口に食べ物を運んであげればよいと私は思います。最初はフォークに食べ物を突き刺して手渡してあげればよいだけのことだと私は思います。慣れるまでには時間がかかるかもしれませんが、一度手づかみで楽に食べることを覚えた赤ちゃんに、わざわざ面倒なフォークやスプーンの使い方を改めて教えることに比べればはるかに楽だと私は思います。

どうしても手で食べる体験をさせたいのであれば、大人も手で食べるパンなどを手づかみで食べさせる体験をさせてあげればよいだけのことです。わざわざ手づかみを体験させて成長の遠回りをさせるのは赤ちゃんにとって、勿体無いと私は思います。

ちなみにたまに聞く、『この子はフォークやスプーンが使えなくて』と言って手づかみを許す親御さんがおられますが、親が子供にスプーンを使わせていないだけのことです。手づかみを覚えさせたから、フォークやスプーンを使う意味が子供にとってわからないだけです。そして教えなくても出来るはずだと思っているから、フォークやスプーンを使うことを教えていないだけのことなのです。
親自身がフォークやスプーンは自然に使えるようになったと誤解していることが原因だと思います。誰かが根気よくフォークやスプーンの使い方を教えてくれたことを忘れているだけのことだと私は思います。

赤ちゃんや子供は何も知らずに生まれてきているのです。
大人にとっては当たり前のフォークやスプーンの使い方も誰かから教えてもらったのです。
特に箸の使い方は練習が必要です。誰かに教えてもらわないとわからないのです。
気づいたら出来るのが当たり前だったので、生まれたときは知らなかったことを忘れてしまっただけのことなのです。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。