職人の世界など見て覚えろと言われるそうです。医者の世界でも見て覚えろと言われることがあります。武道でいう見取り稽古のような状態です。以前見て覚えろとはケチなのか説明出来ないと書きました。改めて考えてみますと、説明出来ないだけだと思い至りました。
説明出来ない
説明出来ない理由は二つ考えられます。一つは苦労して手に入れた技術を人に教えたくないという心理的に説明出来ないこと、もう一つは上手く相手に伝わるように説明出来ないことです。その二つが重なって見て覚えろに繋がるのだと思います。
上手く説明出来ない理由
実は職人など技術者は無意識のうちに状況に応じた細かな微調整をしています。その細かな微調整を行う場合分けを上手く相手に説明出来ないのです。上手く説明出来ないことを隠すために、見て覚えろと言うのです。ただの面倒くさがりかもしれませんが、上手く言葉に変換出来ないコミュニケーション障害があるのかもしれません。
見分け方
見て覚えろという理由の見分け方を考えてみます。教えたくないのか、教えることが出来ないのかを見分けるのです。
具体的に細かな作業についてコツを聞いてみることです。教えたくないのであれば、具体的に聞いても答えてはくれません。説明の仕方がわからないのであれば、聞かれることが絞られた段階で説明出来るようになるため、教えてくれるようになります。
目的を伝えるとわかりやすい
職人の世界でも目的を伝えるようにするとわかりやすく伝えることが出来ます。見て覚えろという前に、見るべきポイントを目的として前もって教えるようにするのです。この指示が上手く出来ないので、職人の世界の機械化が遅れています。人にも目的を伝えることが出来るようになれば、機械にも仕上がりという目的設定することで、指示が出せるようになります。一気に職人の世界が機械化されることでしょう。見て覚えろとして、自分達の技能を秘密化して守ることの出来た時代は終わりが近づいてきています。
そろそろ見て覚えろという逃げはきかない時代です。説明スキルを磨きましょう。もし見て覚えろと言われたら、あらかじめ仕上がりで気をつけることや目的を聞きましょう。