営業職と人工知能

あるサイトを見ていると人工知能に置き替わりにくい仕事という内容がありました。
経営者や企画が人工知能に置き替わりにくいとあったことには納得出来る内容でした。
しかし営業職と弁護士が置き替わりにくいとあったことには疑問があります。
先に弁護士のことを書くと、確かに裁判所の法廷に立つのは生身の人間が残ると思います。しかし下調べの過去の判例の検索は既に人工知能が活用されています。法廷に立つことを除くと生身の人間である必然性は乏しくなりそうです。少なくとも今の弁護士の人数は必要無くなるでしょう。

営業職が人工知能に置き替わる可能性が低いとありましたが、営業職の内容で分けてありました。技術系、金融系の営業職は残り、単純な営業は人工知能に置き換わるという内容でした。

私は営業職はほとんど無くなると思います。何故なら情報社会であり、人は欲しい物があれば自分で検索するからです。自分でも気付いていない欲しいものを提案してくれる営業職には価値があります(理想の営業マン)が、偽りの営業マンである説得マンはいらないからです。そして多くの営業マンは実は説得マンに過ぎません。お客さんの要望に合わせるのではなく、説得によりお客さんに合わせてもらうのです。

将来営業マンがいなくなる合理的な理由に書きましたが、営業マンの多くが説得マンなので人々が営業マンと話すこと自体を警戒してしまうのです。営業マンと話すと「衝動買いの心理」を刺激して買うように仕向けるのです。お客さんの必要な物を売るべきですが、売り上げを上げるために欲しいと錯覚させて買わせようとするのです。営業マンが「衝動買いの心理」を刺激して買わせようとすることを知っている人は、営業マンと話すことはしません。時間の無駄だからです。このことを知る人が次第に増えるので、営業マンの仕事は減ってしまうでしょう。

現時点で製薬会社の営業マンであるMRさんは減りつつあります。リストラを勧めています。これまで人海戦術で医者に処方をお願いしていましたが、営業により処方内容が変わることが患者さんの不利益につながるので営業を控える製薬会社が出てきました。患者さんの利益になる情報以外は案内出来なくなるかもしれません。

そもそも薬剤の必要な情報はインターネットで収集することが出来ます。わざわざ処方して欲しい気満々の営業マンからもたらされる情報は、処方して欲しいバイアス(情報の偏り)がかかっています。そのバイアスを取り除いて判断する必要があるので、営業マンと話す際には注意が必要になります。自分の好きな時間に情報収集出来るインターネットにとってかわられてしまうでしょう。

営業マンの顔を立てて買って下さいという説得マンが成り立つのは、長くて5年程度だと思います。その先も営業マンが生き残るためには、相手の欲しい情報を提供出来るようにすることです。特にお客さんがわざわざ検索する程ではなくても興味があることを、検索無しで即座に提供出来る営業マンは生き残ることが出来ると私は思います。話の内容から検索したいことを類推する能力を手に入れることが営業マンとして生き残る手段だと私は思います。そのためには専門分野にとらわれない幅広い知識を身につけるしか無いのかもしれません。

医者も余るし歯科医も余る時代、営業マンも仕事は減らそうです。今の子供達はどんな時代を生きることになるのでしょう。不安では有りますが、楽しみでもある未来がすぐそこまできています。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。