患者さんの多くが総合病院の受診を好みます。何故なら開業医を受診しても、総合病院に紹介されることになると開業医の受診が無駄に思えるからです。また開業医はわざと治さず、治療を続けようとしているように思えるからです。
開業医と総合病院
開業医を受診しても総合病院に紹介されるのでは、最初から総合病院を受診する方が得だと考えるのは仕方なくことです。患者さんには開業医で済む病気か、総合病院で治療する病気か判断がつかないからです。だから患者さんが開業医から総合病院に紹介されるという無駄を省くために直接総合病院を受診するのは合理的な考え方でした。しかし患者さんが殺到した総合病院では診療がパンクしてしまいます。対策として開業医で済む病気は開業医で診療を行い、総合病院での治療の必要な患者さんだけを紹介する仕組みになりました。しかし直接総合病院を受診してもデメリットが大してないため、直接総合病院を受診することが続きました。そこで直接総合病院を受診する場合には診察料とは別に料金を徴収し、紹介してもらう方が金銭的にも得な仕組みを作ったのです。紹介してもらう方が患者さんが得する仕組みを作ることでようやく開業医と総合病院の役割分担が出来るようになりました。
開業医と勤務医
患者さんが総合病院を選ぶ傾向の理由の一つが商売の要素です。
開業医は基本的には医者が経営者なので患者さんに通院してもらえば通院してもらう程収入が増えます。つまり病気を治さない方が開業医自身が儲かるのです。そのため不届きな開業医は製薬会社と結託して患者さんに病気のままでいてもらうように仕向けます。このことを患者さんは無意識に感じ取り、総合病院の受診を求めるのかもしれません。患者さんの利害と儲けたい開業医の利害がズレているのです。
総合病院の勤務医は患者さんを多く診ても収入が増える訳ではありません。だから商売のためにわざわざ病気を治さないことがないだろうと類推出来るため、患者さんが総合病院を受診したがるのです。患者さんを治す方が勤務医にとって患者さんが減る分楽になるのです。患者さんの利害と勤務医の利害が一致するのです。
勤務医の中にも不勉強で病気を治そうとしない医者もいますが、一般的に開業医より少ないのは事実でしょう。
全ての開業医が儲けを追求している訳ではありませんが、一定割合でわざと治さない医者が潜んでいるようです。
医療制度の問題点
現在の医療制度の問題点を考えてみます。国民皆保険は国民全てが医療を受けることの出来る一面では素晴らしい制度です。しかし出来高制という点に大きな問題が潜んでいます。医者は通院回数が多ければ多い程儲かります。薬を処方して副作用が出れば、その対処薬も処方します。通院してもらえる限り、治さない方が儲かるのです。
国民皆保険では治療することに保険点数は支払われますが、治療しなくてよくなってしまえば保険点数は支払われません。つまり治してしまっては保険点数はつかないのです。本来なら治りにくい病気を治せば、ご褒美の保険点数があっても良いはずですが、そのような制度はありません(治った判定は難しく、治癒を保険点数化するのは現実には非常に困難です)。良心的な医者はそれでも病気を治しますが、儲けたい医者は治さず通院させ続けるのです。
例えば糖尿病や高脂血症の薬を処方すれば管理料という名の保険点数が支払われます。糖質回避により薬が要らなくなれば管理料がもらえなくなるのです。だから糖質をやめられては困ると考える医者がいるようです。
医療費の問題は出来高制で病気を治さない方が得な仕組みだからなのかもしれません。根本的な対策は今の私には思いつきませんが、一つの対策は患者さんが知恵をつけることです。糖質回避で治る病気は自分で治すこと、もしくは治してくれる医者を探すことの2つです。