小学校の新設騒動で国会でも話題になった学園が運営する保育園が事業停止になるようです。
聞き取り調査が公開されたので、勘違いぶり見て呆れた人が多いと思います。しかし本人達は真剣です。被害者だと本気で考えているのです。本人達の解釈の勘違いぶりを書いてみたいと思います。
小学校の新設騒動は真相解明はまだまだ先のようです。忖度という言葉が示すように、勝手に思い込んで便宜をはかってしまった側面もあるようです。証明は難しく、忖度した役人たちも責任問題になるため証言したくはないでしょう。
今回は保育園の事業停止に関してです。
聞き取り調査を公開にしたことから勘違いぶりがわかります。自分たちは保育園をきちんと運営しているにも関わらず不当な言いがかりを受けていると勘違いしているのです。不当な言いがかりだということを世間の方に理解してもらう目的で聞き取り調査を公開したのではないでしょうか?
本来聞き取り調査はきちんと運営しているか確認を行うもののはずです。いきなり事業停止とするのは厳しいため、行政側と運営側の認識をすり合わせるようなもののはずです。本来やるべきことを、思い込みや勘違いでやっていないことがないか確認することが調査の目的だと私は考えます。つまり行政側が本来やるべきことを改めて確認することで、運営側が修正するチャンスを与えてくれているはずです。
聞き取り調査の受け答えをすべてみた訳ではありませんが、保育士の6人の人数確保が必要だと指摘されても、3人で見ることができる。優秀な保育士ならそんなに人数はいらない。挙句保育士資格がなくても見ることができるという発言もあったようです。
ここでも大きな勘違いがあります。
運営者は事故がなければきちんと運営できている。
行政側はあらゆる事故を予防し、適切な保育ができる環境を整える。そのことを法律として制定している。
運営者は怪我や死人が出なければ問題がないと考えているのだと思います。事業としてではなく親戚の子供を無償で預かっているのであれば、一つの考え方だとは思います。事業として行っている運営者が、聞き取り調査において人数確保の必要がないと主張してしまう時点で経営者としての資質が疑問視されることでしょう。
行政は事業停止にしたい訳ではありません。何故なら事業停止にすれば問題が大きくなるからです。しかし明らかなルール違反を放置することはできません。そのため弁明のチャンスを与えたのが聞き取り調査だったはずです。運営の軌道修正する機会を与えてくれたのです。運営側が不当な圧力だと考えてしまった時点で事業停止はやむを得ない判断でしょう。
運営者たちは法律に基づいてきちんと運営する、決まりと実際の辻褄を合わせるという発想はなさそうです。恐らく悪気はないと思います。これまで大きな問題にならず、小学校すら開校してしまいそうだったのですから。怪我や死人が出なければ、保育園の運営は問題ないと考えるのと同じで、小学校も開校できれば問題ない。何故なら開校できたからという思考なのだと思います。
聞き取り調査で行政側と運営者の話し合いがうまくかみ合わなかったのは、完全に勘違いしているからです。自分たちは悪くない。悪いのは誰か別の人。行政であり、小学校の開校を邪魔した政治家達という理屈でしょう。被害者だと本気で考えているから、質問には答えず被害者ぶりをアピールし続けたのです。(参考:質問に的外れな回答をする人の心理)
解決策は誰かが勘違いしていることを適切に教えてあげることでしょう。
普通の人たちは聞き取り調査の段階でこのままでは事業停止になるからマズイ!と理解しますが、勘違いが激しいあるいは理解力が乏しいとそのようには考えないのかもしれません。直接お話した訳ではありませんが、もしかしたら家族みんなが言い訳人間なのかもしれません。
保育園に通っている子供達とその親御さんは気の毒ですが、このままではやむを得ない対応なのかもしれません。第三者が経営するなど何か起死回生の策で、子供達が困ることのない解決策が見つかるとよいですね。