テレビ番組の林先生が驚く初耳学で紹介された「学力」の経済学です。
教育に関する内容をデータに基づき解説してあります。
人間を対象に勉強の影響を実験することは倫理的に困難ですが、研究のデザインを工夫することで比較しています。
一例をあげると一卵性双生児(受精卵が途中で二人に別れたため、遺伝学的に遺伝子は同一です)において、事情により異なる環境で成長した二人を比較し、学力の影響を調べたそうです。
一言でいえば年収の違いは学力の影響よりも、遺伝的要素の方が強いことがわかったそうです。つまり大学に進学した双子がいれば、大学に進学していない双子も似たような年収になる傾向にあるそうです。
あまり知られていないのは、塾などの受験業界・学校関係者にとって都合の悪い事実かもしれないからかもしれません。もしかしたら親にとっても都合の悪い事実かもしれないのです。つまり勉強した結果、年収が確保される訳ではないかもしれないということです。しかし学歴以外で明確な努力の仕方が今のところ誰にもわからないので、次善の策として勉強をするしかないのかもしれません。
かといって努力を否定している訳ではありません。
勉強することにより頭の使い方が良くなるからです。
ご褒美の与え方にも言及があります。
結果にご褒美をあげることには意味がないそうです。
努力の過程にご褒美をあげることに意味があるそうです。
結果にご褒美をあげると、努力の仕方・元々の能力の良し悪しが左右します。つまり努力をしてもご褒美がもらえないかもしれないかもしれないのです。
しかし努力の過程にご褒美をあげることにすると、やるかやらないかご褒美をもらえるかどうかを自分で決めることが出来るからです。自分でやりさえすれば確実にご褒美をもらえるため意欲が湧くのです。
もし興味があれば本を読んでみてください。