糖尿病の食事療法は糖尿病を治す食事であり血糖値を上げない食事であるべきですが、血糖値の本質を理解していない人達が多いため改めて書いてみようと思います。
糖尿病は血糖値を下げることが出来なくなった状態です。高血糖状態だと腎臓が尿に混じった糖を再吸収できなくなるため、結果として尿糖を認めるようになることからつけられた病名です。
血糖値が上がることが問題のため、血糖値を上げない食事を摂ることが食事療法となるはずです。血糖値を直接押し上げるのは糖質(炭水化物=糖質+食物繊維)だけです。ということは糖質の食べ方だけが議論されるべきですが、糖尿病の食事療法を検索してみても正しい食事療法が記載されてはいません。糖尿病の専門医も糖質の食べ方を積極的には伝えようとはしないようです。もしかしたら以前伝えた専門医だからこそ病気を治さないために糖質を食べてもらわないと困ると考えているのかもしれません(参考:糖質回避者に糖質を勧める糖尿病専門医)。
糖質は血糖値を上げるもの、食物繊維、タンパク質・脂質は血糖値の急激な上昇を阻害するものです。糖質が消化されたブドウ糖が腸粘膜から吸収される際に、食物繊維、タンパク質が消化されたアミノ酸、脂質が消化された脂肪酸とグリセリンが小腸の表面を覆うことで急激な吸収を阻害するようです。つまり食事内容のブドウ糖割合が、血糖値に反映されるだけの単純な物理のようです。似たような考え方にGI値というものがありますが、食物中のブドウ糖100gを食べた場合とブドウ糖100gとの違いを比較しているため意味がありません(参考:GI値(グリセミック指数)の意味と問題点)。血糖値を上げるのは糖質なので糖質を控えることが血糖値を上げない一番の対策です。つまり主食を食べないことが最善の糖尿病の食事療法のはずです(参照:糖質制限提唱者江部先生のブログ)。
私は糖質を人から制限される訳ではなく、自分の意思で避けるという意味で糖質回避という考え方を提唱しています。糖質を食べるのであれば病気を避ける理想の食べ方をご参照ください。血糖値が上がりにくい食べ方を提案しています。
食事中糖質割合という考え方
糖質は血糖値を上げるもの。糖質以外は血糖値の上昇を阻害するものです。
つまり血糖値を上げる糖質と血糖値の上昇を阻害する糖質以外の食べ物の割合が血糖値の上昇に影響を与えます。
食事に含まれる糖質の割合が高ければ、血糖値は急上昇しますが、食事に含まれる糖質の割合が低ければ血糖値は緩やかにあがります。糖質が含まれない食事をすれば血糖値は上昇しません。
一般的には野菜から食べるように推奨されていますが、野菜に限る必要はありません。食事による血糖値の変動において糖質と糖質以外の分類しかありません。つまり血糖値を上昇するものか阻害するものかという分類です。先に食べるのは肉でも魚でも野菜でも構わないのです。野菜から食べるというのが根拠のない宗教のような考え方で、糖質以外から食べるというのが根拠のある科学的な考え方です。
肉・魚・野菜といったおかずを食べると血糖値の上昇を阻害してくれますが、糖質だけ食べると血糖値が急上昇します。おにぎり1個食べるだけで血糖値は急上昇します。まだグラフにすることが出来ていませんが、おにぎりを食べる前に唐揚げを食べてからおにぎりを食べると血糖値の上昇は緩やかになりピークも下がります。
おにぎりだけ食べる、うどんだけ食べる、パンだけ食べるという食事中糖質割合が高い食べ方が血糖値を上げてしまうようです。逆に糖質を食べるとしても糖質以外のものを多く食べて、食事中糖質割合を下げるようにすると血糖値は上がりにくいはずです。糖質を糖質以外のもので薄めることをイメージしてもらうとわかりやすいと私は思います。
如何に糖質を控え、糖質以外のものを多く食べ食事中糖質割合を下げるかが、糖尿病の正しい食事療法です。
少なくとも糖質を控えるよう助言してくれない医者は出来る限り早く見限る方が私は自分の命を守ることに繋がると思います。医者は薬を処方し続けるために、貴方に糖質を食べることを勧めているかもしれないのですから。