私は様々な病気を避けるために糖質回避という炭水化物を控えることを提案していますが、患者さんの中には炭水化物を食べないと低血糖になるという方がおられます。極端な方はお腹が空いてくると手が痺れるという方までおられました。低血糖を解消するためには炭水化物を食べなければ仕方ないのでしょうか?
低血糖の起こる仕組み
残念ながら炭水化物を食べなければ低血糖になるという考え方は間違っています。炭水化物を食べるから低血糖になるのです(参考:不眠の原因は低血糖 〜血糖値持続測定〜、不眠の原因は再び低血糖 〜血糖値持続測定〜)。私の場合糖質依存ではありませんが、昼間に実験で食べた糖質により血糖値の急上昇が起こり、その後糖質を食べなかったため夜間低血糖に陥りました。糖質を食べたことで血糖値が上がり、慌てて血糖値を下げた際に下げ過ぎることで低血糖が起こるのです。
そもそも糖質を食べなければ、血糖値はほとんど変動しません(参考:主食を食べない血糖値 〜血糖値持続測定〜)。糖質を食べるから血糖値は上がり、そして下がり過ぎるのです。
炭水化物を食べたい人達
低血糖になるから炭水化物を食べると主張する方は、炭水化物を食べることが目的です。炭水化物を食べるための言い訳をしているに過ぎません。原因と結果を取り違えているのです。ただ炭水化物を食べるから低血糖になることを知らない人も多いため、正確な情報を伝えてあげましょう。炭水化物を食べるから低血糖になるという正しい情報をお伝えしても理解できない人は仕方がありません。糖質依存の状態、つまり糖質教の信者なのです。他の宗教(この場合は糖質教)の信者に考え方を押し付けても争いが起こるだけです。糖質回避教を信じている人達にできることは、相手が信じるかどうかは別にして、理解できるように情報を伝えてあげることです。
病気になるとわかっても摂ってしまうのが依存状態です。ましてや炭水化物によって病気(この場合は低血糖)になることを認めないのですから、炭水化物をやめられないのです。
信じられない人のために
炭水化物のせいで低血糖になることが信じられない人のために提案があります。
まず炭水化物をやめてみることです。やめてみて低血糖を繰り返すかどうかです。繰り返すのであればやはり炭水化物を摂らないから低血糖になるのでしょう。しかし現実は異なります。炭水化物を摂るから反動で低血糖になっているに過ぎません。
このことを否定するためには炭水化物を控えてみることです。炭水化物をしばらく食べない状態を続けても低血糖が持続するのであれば、確かに炭水化物を食べないから低血糖になるのでしょう。しかし炭水化物を食べながら、炭水化物をやめると低血糖になるとおびえるのは正に糖質依存状態で、糖質を摂るための言い訳を探しているに過ぎません。タバコを吸っているのが当たり前の人にタバコをやめるように伝えても、タバコをやめると体の調子が悪くなると誤解しているのと同じです。
一度炭水化物をやめてみましょう。本当に低血糖を生じるかどうか試してみましょう。実際には最初のうちは低血糖を生じる可能性は十分あります。食事に対する条件反射で、食事をしたと体が認識すればいつも糖質が多いためあらかじめインスリンが分泌されることで血糖値が下がります。糖質を少量食べると余計お腹が空く理由(仮説)に書きましたが、糖質依存状態から抜け出すまでは身体が条件反射を起こしやすい状態です。丁度美味しい食べ物を見ると条件反射で唾液が沸き上がるのと同じ状態です。それが体内でインスリン分泌で起こっているのです。
身体がこれまでの炭水化物の多い食事と同じような食事だと誤解して条件反射を起こしているだけです。身体が炭水化物の少ない食事に慣れてしまえば条件反射は起こらなくなります。ちなみにお腹が空くのは糖質依存の禁断症状ですが、インスリン分泌の条件反射同様慣れてくるとお腹が空かなくなります。いずれも糖質依存から抜け出すためです。
糖質回避の注意点ですが、糖質回避をしながら突然おにぎりだけ、パンだけ、うどんだけという食べ方をしないことです。食後血糖値が急上昇するため、その後も身体が血糖値が上昇すると誤解してインスリンが分泌され続け、私のように夜間低血糖を発症する可能性があります(参考:私の不眠の原因は低血糖、不眠の原因は再び低血糖)。