国連安保理制裁決議草案がわかりまいた。
某国への石油輸出を全面的に禁止するという内容です。私は石油の禁輸は反対です。
かといって私は某国を支持している訳ではありません。制裁をしてはいけないという訳でもありません。石油禁輸は危険だと思うのです。
私が石油禁輸に反対する理由は一つです。
戦前の日本と全く同じだからです。
日本は国際連盟により迫られた満州からの撤退を拒絶したため、石油禁輸処置を受けてしまいました。国際連盟加盟国は石油の禁輸と引き換えにされたら、満州撤退を受け入れると思い込んでいました。まさか石油を絶たれてでも満州を手放さないとは考えもしなかったのです。合理的にしか物事を考えない国際連盟加盟国の人達からすると、命をかけてメンツやプライドを守ろうとする日本の考え方が想像できなかったことが戦争に至った原因です。
日本への石油禁輸は逃げ道を完全に塞いでしまいました。
結果は事前の予想通りアメリカの勝ちになりましたが、合理的に考えるとは限らない日本人の行動原理が理解できなかったため、予想外の痛手を被りました。国力の差から合理的に考えた予想とは全く異なる勝ち方になってしまったのです。命を懸けて突入された神風特攻隊や人間魚雷回転などは恐怖以外の何物でもなかったことでしょう。
戦前の日本は石油と引き換えにしてでも満州を手放すわけにはいかないと考えました。国際連盟各国は石油がなければ何も出来ないのだから、石油が手に入らない状況に陥れば満州を手放すと考えていたのです。その認識の齟齬が悲劇をもたらしたのです。
戦前の日本との共通点
今回の某国が戦前の日本に似ていると思います。
戦前の日本は満州に固執しました。
某国は核兵器に固執しています。
戦前の日本は国際連盟から石油禁輸処置を受けました。
某国は国際連合から石油禁輸処置を受けそうです。
戦前の日本は合理的に物事を考えることをしませんでした。
戦力・国力・資源などを総合的に考えて戦うということをせず、負けることは想定せずに戦争をはじめてしまいました。
某国も国民が飢えながら核兵器を開発していることからも、合理的に物事を考えているようには思えません。
戦前の日本は報道統制がされており国民に事実が知らされませんでした。
某国でも統治するために都合の良いことだけしか国民に知らされていないようです。
逃げ道がなくなると破れかぶれになる
石油禁輸が議決されると、逃げ道がなくなるため戦前の日本のように石油が残っているうちにうって出てしまう可能性が出てきます。
戦前の日本のように某国が思い切った行動に出て、早期に停戦をすることを目指して軍事行動を仕掛けてしまう可能性があるのです。
いかに困難であっても逃げ道が残されていれば生き残る算段をしますが、逃げ道が全て塞がれてしまうと戦前の日本のように破れかぶれの行動に出てしまうかもしれません。
私は混乱を避けるためにい逃げ道はあけておく方が良いと思います。
戦前の日本と同じで制裁を合理的に考えることが出来ず、余力のあるうちは恐らく何を引き換えにしても受け入れないと思います。いきなり禁輸ではなく石油を半分あるいは3分の1に抑え、次にミサイル発射・核実験をすれば更に半分あるいは3分の1というように制裁を実感させながら促すしかないように思います。
恐らく石油禁輸をしても核実験は続けると思いますし、石油禁輸をしても効果がなければ・・・。誰も制御できなくなってしまうからです。
それよりも超大国との同盟関係にあるため、攻められないとたかをくくっているところがあるので、同盟関係の見直しを提案する方が現実的ではないかと思います。
軍事衝突が起こることなく解決することを祈っています。