一時的高血糖の一つの指標

一時的高血糖症候群という概念を提唱しています。当初は糖質一度に食べ過ぎ症候群、その後飲み物でも発症することがわかったため糖質一度に摂り過ぎ症候群に改称した概念です。突き詰めると一時的な高血糖により起こることがわかったことで一時的高血糖症候群という概念に辿り着きました。

一時的高血糖症候群を逆に考えると、一時的高血糖症候群の症状が悪化した場合一時的に高血糖になっていることが考えられます。その都度採血し一時的な高血糖を確認することは困難ですが、状況証拠から予測することが出来ます。一時的高血糖症候群の症状のある方限定ではありますが、糖尿病の患者さんにとって有益な情報ではないかと思い書いてみます。

例えば一時的高血糖症候群の一種であるアトピー性皮膚炎や花粉症・ニキビなどが悪化すれば前日に一時的高血糖が生じた可能性が高いと考えられます。炭水化物だけ食べた場合や、せっかくおかずと一緒に炭水化物を食べても食後にお菓子や果物を食べたなどの一時的な高血糖が考えられます。

花粉症の場合飛散している花粉の量によっても症状は悪化、アトピー性皮膚炎の場合は汗の量によっても症状が悪化します。ニキビは塩分の量によっても悪化するため、注意が必要です。それらのことを勘案しながら一時的高血糖を見極める必要があります。

幸か不幸かこれらの症状がない方には当てはまりませんが、糖質と関連する何らかの症状があれば、その症状を目安に一時的な高血糖を予測することが出来ます。

ちなみに乾燥肌は4、5日前の軽度の一時的高血糖を表します。

アトピー性皮膚炎の場合は軽度の一時的高血糖では直後に痒みが生じ、ある程度の一時的高血糖では翌日赤み(紅斑)を生じます。花粉症の場合は一時的な高血糖を来すと翌日悪化するようです。ニキビは一時的な高血糖を生じると翌日新しいニキビが発生するようです。

糖尿病患者さんの中で痒みのある方、花粉症やニキビ・乾燥肌のある方は、一時的高血糖症候群の概念から、一時的な高血糖を来した食事を振り返って探してみることをお勧めします。この一時的な高血糖の積み重ねがHbA1cを押し上げます。一時的高血糖症候群を発症しているのであれば、一時的な高血糖を避けることで症状がおさまるのはもちろん、糖尿病のコントロールも良くなるはずです。一時的高血糖症候群が改善している私の患者さん達は糖尿病のコントロールが良くなっています。

一時的高血糖症候群を発症している方は、血液検査をしなくても知識だけで一時的な高血糖の目安に出来るためお得です。

血糖値が気になる方で、アトピー性皮膚炎や花粉症やニキビや乾燥肌があれば一つの指標にしてみて下さい。アトピー性皮膚炎や花粉症やニキビは一時的高血糖の翌日、乾燥肌は4、5日してから増悪します。ご参考まで。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。