肥厚性瘢痕・ケロイドを治す方法

肥厚性瘢痕・ケロイドは簡単に治ります。実は病院に行く必要はありません。何故なら原因は食べ物ではなく食べ方です。その証拠に食べ方を変えるだけで治ります。治らないあるいは治りにくいという医者に何度受診しても、どれだけ長く通院しても意味はありません。答えは食事にあるからです。

簡単に言えば糖質の食べ方に気を付けるだけです。具体的な食べ方は病気を避ける理想の食べ方をご参照ください。以前も肥厚性瘢痕・ケロイドは糖質回避で治る肥厚性瘢痕・ケロイドの違いとその原因と治し方で書いてみましたが、検索で『肥厚性瘢痕』でヒットしていたことがわかりました。肥厚性瘢痕の検索順位が104位と決して上位ではありませんでしたが、当サイトにアクセスして頂いたので悩まれている方が多いと考え、改めて書いてみることにします。

肥厚性瘢痕・ケロイドの病態

病態(病気の起こる過程)は他の自己免疫反応と同じです。本来なら身体に浸入した細菌やウイルスを攻撃する免疫は、自分の身体は攻撃しない仕組みが備わっています。その仕組みが誤作動を起こしてしまい、本来なら攻撃してはいけない自分の細胞を攻撃してしまうのです。糖質を沢山食べることで免疫システムが誤作動を起こし、自己免疫反応を引き起こすようです。自己免疫反応のターゲットが鼻や目の粘膜であれば花粉症、気管支粘膜であれば気管支喘息、皮膚であればアトピー性皮膚炎を引き起こすに過ぎません。他の対外に露出していない細胞が自己免疫反応のターゲットの場合には膠原病と言われていますが、その病態は同じです。引き金は糖質がひいているのです。その詳しい病態は分かってはいませんが、糖化産物が発症に関わっている仮説を考えています。いずれ解明されるでしょう。
肥厚性瘢痕・ケロイドは創傷治癒細胞に対する自己免疫反応によるものです。肥厚性瘢痕とケロイドの違いは自己免疫反応の強さの違いです。肥厚性瘢痕とケロイドは違う病気だと分類している人達もいますが、残念なことに糖質による自己免疫反応を知らない人達が治療にあたっているからでしょう。糖質を一度にたくさん食べれ続ければケロイドを発症し、糖質をそれ程食べなければ肥厚性瘢痕で済むようです。

恐らく肥厚性瘢痕・ケロイドも糖質一度に摂り過ぎ症候群の一種です。血糖値の一時的な上昇を引き金として自己免疫反応が起こるようです。一回だけ糖質を一度に摂り過ぎることで発症する狭義の糖質一度に摂り過ぎ症候群ではなく、糖質を一度に摂り過ぎることを何度も繰り返すことで発症する広義の糖質一度に摂り過ぎ症候群の一種のようです。

肥厚性瘢痕・ケロイドの治し方

肥厚性瘢痕・ケロイドの病態は創傷治癒細胞に対する自己免疫反応のため、治療には免疫抑制剤であるステロイドがある程度有効です。外用はそれ程効果は期待出来ませんが、局所注射は炎症反応をある程度抑えてくれるため、それなりに効果はあります。しかし原因である糖質を控える糖質回避以外の治療法は対象療法に過ぎません。自己免疫反応とステロイドによる免疫抑制の綱引きになるためすっきりと治らないのです。いわばアクセル(糖質)を緩めず、ブレーキ(治療)だけ踏んでいる状態のようなものです。

医者によっては肥厚性瘢痕とケロイドを区別していますが、反応の程度が違うだけで病態は同じです。区別する時点で病気の本質を見誤っています。区別に意味はありません。肥厚性瘢痕は傷痕が盛り上がるだけで元々の傷痕の範囲をこえないものをいいます。傷痕の範囲をこえて盛り上がりが広がってしまうものをケロイドと呼んでいるに過ぎません。

ただケロイドを発症する方は傷痕の反応性が激しいため、気付かない程の小さなニキビなどの小さい傷でも傷痕が増大してしまうようです。ケロイドは遺伝性が認められるため、ケロイド体質という言葉もあります。このことから創傷治癒細胞に対する自己免疫反応の起こりやすさに遺伝性があることがわかります。

ケロイド体質であれば自己免疫反応の反応性が激しいため、糖質の食べ方を特に気を付ける方が良いようです。特にケロイドが現在進行形で増大しているのであれば、主食をやめてしまうのが良いと私は思います。ただし糖尿病や肝臓疾患や腎臓疾患などで治療中の方は糖質の控え方と食べ方を主治医の先生に相談してください。特に糖尿病で治療中の方が突然糖質を控えると低血糖を生じることがあるため危険を伴います。

基礎疾患のない方の場合、肥厚性瘢痕やケロイドを治すためには主食として糖質を食べないことをお勧めします。何故なら早く治るからです。糖質を食べるのであればオカズから食べる、一度にたくさん食べない、小分けで食べるという病気を避ける理想の食べ方をご参照下さい。

ニキビ痕の赤みの治し方

ニキビ(尋常性ざ瘡)の痕は赤くなり、なかなか治りません。
ニキビ痕の赤みは少し前までは美容皮膚科でレーザーで血管を焼灼するしかありませんでした。

今では糖質の食べ方に気を付けるだけで簡単に治すことができます。
考え方としては糖質回避です。
ニキビ痕の病態はケロイドや肥厚性瘢痕と同じようです。傷が治る際の創傷治癒細胞に対する自己免疫反応のようです。他の多くの自己免疫疾患同様が糖質回避により改善が期待できます。逆に言えば糖質を摂り過ぎているから治らないようです。糖質一度に摂り過ぎ症候群の一種なのか、一度に限らず糖質摂取を頻回に繰り返すことで発症するのかはまだわかりません。少なくとも糖質を控えなければ何年も赤いままであることは紛れもない事実のようです。
恐らく一度に一定量の糖質を摂ることで自己免疫反応のスイッチが入るため、糖質一度に摂り過ぎ症候群の一種だとは思います。ただしアトピー性皮膚炎やニキビのように一度だけの糖質の摂り過ぎで発症する、狭義の糖質一度に摂り過ぎ症候群とは異なり、一度に糖質を摂り過ぎることの繰り返しで起こる広義の糖質一度に摂り過ぎ症候群とでもいうべき疾患のようです。
病態を考えると、血糖値の一時的な上昇により自己免疫反応の引き金を引くようです。血糖値の一時的な上昇がなくなることで、自己免疫反応が引き起こされなくなり、既に起こってしまっている自己免疫反応が収まると赤みがひいてくるようです。
自己免疫反応を避ける食べ方は、病気を避ける理想の食べ方をご参照ください。

ニキビ痕が治るまでの期間

ニキビ痕が盛り上がりのない多少の赤み程度であれば数週間の糖質回避で改善が期待できますが、盛り上がる程の強い炎症であれば数か月の時間を要すこともあります。
盛り上がる程のニキビ痕であれば、盛り上がりがなくなり赤みがなくなるまで主食をやめてしまう方が早くよくなってお得だと思います。
今でも糖質回避によりニキビ痕が改善することを知らなければ、レーザー治療しか治す手段がないと思われている人も多いでしょう。保険適応のないレーザー治療に何万円ものお金を支払うことを考えれば、何万円分かの糖質の我慢と考えればお得だと私は思います。
おまけで痩せることもできます

2・3週間経ってもニキビ痕の赤みが改善しないのであれば、まだ糖質が多い可能性があります。少なくともニキビが新生しているのであれば、糖質を一度に食べる量が多い警告を身体がしてくれているのです。ニキビ痕の前にニキビの出来ない糖質量に控えることをお勧めします。

小さいニキビであれば糖質一度に摂り過ぎ注意報、大きいニキビであれば糖質一度に摂り過ぎ警報です。注意報や警報が出ている状態ではニキビ痕も治りません。病気を避ける理想の食べ方を参考に、出来れば主食をやめるようにしてみましょう。ただし既に糖尿病で治療中あるいは腎臓疾患、肝臓疾患にて食事制限のある方は食べ方に注意が必要です。主治医の先生に相談してみてください。

 

果汁100%ジュースとコーラ、病気になるのは?

患者さんと話をしていてふと気づいたことがあります。
それはジュースを飲む人が多いことです。そして果汁100%ジュースだから大丈夫という思い込みがあるようです。そこでジュースの選び方として書いた内容を書き方を変えて記事を書いてみようと考えました。結論を先に言えば果汁100%ジュースでもコーラでも糖質の入っているものは病気を引き起こす可能性があります。そのことを書いていきます。

私の考えている理屈からすると糖質を摂ると病気を引き起こします。しかも一度にたくさん摂ると症状を引き起こします。糖質が足し算になり一度にたくさん摂ると症状を引き起こすようです。そこで糖質一度に摂り過ぎ症候群という疾患概念を提案しています(当初は糖質一度に食べ過ぎ症候群としていましたが、飲み物でも引き起こすことがわかったため糖質一度に摂り過ぎ症候群に変更しました)。

タイトルの結論は果汁100%ジュースは糖質が入っているため問題です。コーラは砂糖入りのものは病気を引き起こし、糖質0のものは病気を引き起こしません。コーラとしたのは身体に悪そうなイメージがあると考えたため、たとえとして出してみました。コーラの砂糖入りと砂糖なしの比較映像を見ると明らかですが、砂糖が入っているものを一度にたくさん摂れば糖質一度に摂り過ぎ症候群を引き起こします。

自然のものが安心・安全で、合成したものは危険という考え方があります。自然のものでも糖質や砂糖は明らかに様々な病気を引き起こします。そもそも果物で病気を引き起こしている人もたくさんおられます。その一つのきっかけが果汁100%ジュースです。果汁100%だから大丈夫というのは自然のものなら安心という幻想にすぎません。砂糖が入っていないコーラが絶対安全かと言われれば、その保証を出来る程の知識は今の私にはありませんが、少なくとも砂糖・果糖の入ったジュースが病気を引き起こすのは明らかです。

果物は身体によいというのは残念ながら幻想だと私は思います。糖質同様毒ではないとは思いますが、少なくとも摂り過ぎると病気を引き起こすものだと理解することをお勧めしています。その果物を絞った果汁100%ジュースも同様です。飲み過ぎれば糖質一度に摂り過ぎ症候群を引き起こすきっかけとなります。ご注意を。
ちなみに水分補給にはスポーツドリンクという誤解もあります。糖質の入ったジュースは糖質一度に摂り過ぎ症候群を引き起こす可能性があります。詳しくはジュースの選び方をご参照ください。

カテゴリを糖質一度に摂り過ぎ症候群に改称

糖質一度に食べ過ぎ症候群という考え方を提案しましたが、糖質一度に摂り過ぎ症候群に改称しようと考えました。何故なら糖質は食べるとは限らないからです。ジュースやお酒など飲み物でも発症する可能性があるため、食べ過ぎを摂り過ぎに変更します。

早速カテゴリ名を変更しました。

これまでの投稿名も変更するかどうか少し考えてみたいと思います。

私が日頃ジュースやお酒を飲むことがないため、飲み物での発症を理解してはいましたが命名の際失念していました。
患者さんと話しているうちに飲み物での発症の可能性を伝えていることに改めて気づきました。

 

糖質一度に食べ過ぎ症候群のカテゴリ作成

「糖質一度に食べ過ぎ症候群」のカテゴリを作成しました。様々な疾患・病気が「糖質一度に食べ過ぎ症候群」に含まれるため、タグではなくカテゴリにしてみました。今後は「糖質一度に食べ過ぎ症候群」に含まれる病気はカテゴリに入れていこうと思います。出来ればこれまで投稿した内容も、「糖質一度に食べ過ぎ症候群」であればカテゴリを変更していこうと思います。

「糖質一度に食べ過ぎ症候群」には、一回だけ一度に食べ過ぎても出る狭義の「糖質一度に食べ過ぎ症候群」と、一度に食べ過ぎることを何度か繰り返すことで発症する広義の「糖質一度に食べ過ぎ症候群」があるようです。広義の「糖質一度に食べ過ぎ症候群」は今のところ一回の糖質の食べ過ぎだけで発症するのか、何度か繰り返す結果なのかは不明です。

一回でも一度に食べ過ぎると症状が出る狭義の「糖質一度に食べ過ぎ症候群」にはアトピー性皮膚炎やニキビなどがあります。狭義の「糖質一度に食べ過ぎ症候群」はすぐに反応するので、反応を目安に食べ方を調整出来るのが特徴です。

広義の「糖質一度に食べ過ぎ症候群」は狭義のもののような簡単な目安がないため糖質を出来る限り症状が改善するまで減らし続ける必要があります。広義の「糖質一度に食べ過ぎ症候群」には、円形脱毛症や尋常性白斑、慢性感染症の尋常性疣贅などがあります。

狭義にしろ広義にしろ「糖質一度に食べ過ぎ症候群」に含まれる疾患でお悩みであれば、糖質を一度に食べ過ぎないことがお勧めです。糖質の食べ方に気をつけるだけで病気で悩む必要が失くなるかもしれません。

食べ物ではなく食べ方で病気を治すという考え方

実際には食べ物ではなく食べ方で病気を治すのではなく、食べ方で病気を失くすという考え方を提案したいと思います。何故なら病気の原因が食べ物ではなく食べ方だということがわかってきました。食べ方を工夫するだけで病気にならないのですから治すという表現には当てはまりません。病気という困った状態そのものを失くすという言い方が適切だと思います。糖質を一度にたくさん食べ過ぎた際に発症するということです。そこで糖質一度に食べ過ぎ症候群という考え方を提唱しています。糖質を一度に食べ過ぎることで発症するため、反対に糖質を一度にたくさん食べ過ぎない食べ方をすれば病気になりにくいということです。薬を使うことなく病気を治す(正確には失くすのですが)ので、言葉の魔法という表現も使っています。

糖質の食べ方

病気の原因が食べ物だと考えられることはよくありました。特にアレルギーという概念が広く知れ渡っているため、食べ物が原因だと伝えると『アレルギーですか?』と聞き返されることがよくあります。しかしアレルギーだと誤解されていた疾患も糖質一度に食べ過ぎ症候群の一つに過ぎないことが多いようです。糖質一度に食べ過ぎ症候群は食べ方で改善が期待できます。食べ方とは糖質の食べ方で、気を付けるのは糖質を食べる順番と糖質を一度に食べる量です。

提案する食べ方は糖質一度に食べ過ぎの反対で、糖質を一度に食べ過ぎないことです。病気を避ける理想の食べ方に書きましたが、具体的には糖質を食べないか糖質を食べるなら小分けで食べるということです。更に糖質以外のオカズを先に食べてから糖質を食べることで症状が起きにくくなります。糖質以外のオカズのおかげで糖質の一回量が減ること、血糖値の急上昇が避けられることが病気になりにくい原因と考えています。糖質から食べ始めると美味しくて食べ過ぎてしまうことが原因の一つのようです。オカズから食べ始めると胃が先に埋まってしまうため、不用意に食べ過ぎることが自然と防止できるようです。

糖質一度に食べ過ぎ症候群を発症しておられる方はどこかで糖質の食べ方に問題があることが大半です。特に以下の食べ方をすることで発症されている方が意外に多いのが実情です。少なくとも以下の食べ方は避けるようにしましょう。

炭水化物+炭水化物

患者さんとお話をしていると炭水化物+炭水化物という食べ方をされる方が意外に多いことに驚いていますが、炭水化物+炭水化物は最悪の食べ方です。一度に糖質がたくさんになるからです。具体的にはラーメン・チャーハンセット、うどん・おにぎりセットの食べ方です。ラーメン・チャーハンセットを食べた翌日には症状が悪化している可能性が高いと思います。一度にたくさん食べると症状が誘発されるので、ラーメン・チャーハンセットを食べるのではなく、ラーメンやうどんをお昼御飯に食べておやつの時間にチャーハンやおにぎりを食べることをお勧めします。別の提案ではラーメンやうどんはお店で食べて、チャーハンやおにぎりを持ち帰りにするように提案しています。一度に食べるのではなく食べるタイミングをずらすのです。一日の総量が病気を引き起こすわけではないようです。身体が注意報や警報を出すように見張っているのは、一回量のみで食事の回数が多くなることは問題がないようです。だからラーメンやうどんはお店で食べて、チャーハンやおにぎりは持ち帰りにしておやつのタイミングに食べるのです。もしくはラーメン・唐揚げセットがお勧めです。何故なら糖質であるラーメンの吸収を唐揚げが邪魔してくれるため、症状が出にくいはずです。

炭水化物+果物・お菓子(デザート)

デザートという考え方が糖質一度に食べ過ぎ症候群にとっては天敵です。何故ならデザートは基本糖質で糖質を一度に食べていることになるからです。炭水化物+炭水化物の食べ方同様糖質+糖質に変わりありません。正に糖質一度に食べ過ぎになってしまうのです。
果物・お菓子を食べるなら、食後ではなく食事から時間をあけておやつの時間に食べる方が症状が出にくくなります。更におやつの時間に果物・お菓子を食べる際にオカズ代わりになるものを食べてから食べるのがお勧めです。具体的には卵・チーズ・ソーセージ・枝豆・ナッツ類を食べてから食べる方が症状が出にくいはずです。

最近では果物は食前に食べることを勧める人たちがいますが、算数の足し算同様食事の後でも前でも足し算に変わりありません。糖質一度に食べ過ぎ症候群の原因は血糖値にあると考えていますので、血糖値を押し上げる食べ物を食べる限り一度に食べてしまえば炭水化物と果物がどちらが後でも先でも足し算に変わりありません。足し算にならないためには、そもそもデザート(果物・お菓子)を食べないかデザート(果物・お菓子)を食べるのであれば時間を離すしかありません。

糖質一度に食べ過ぎ症候群命名の目的

以前は糖質一度に食べ過ぎ症候群に気付いた経緯を書きましたが、今回は糖質一度に食べ過ぎ症候群命名の目的を書いてみたいと思います。

医学的な命名であれば一時的高血糖症候群とでもするべきなのかもしれません(実際に一時的高血糖が病気の原因かどうかはまだわかりませんが…。状況証拠からは一時的高血糖が関与しているとしか思えません)。医者に対して情報を伝える目的であれば、一時的高血糖症候群の方が情報が伝わりやすいと思います。あえて糖質一度に食べ過ぎ症候群としたのは、情報を伝えたい相手が医者ではなく患者さんだからです。これまでは病気の治療をするのは医者だけでした。だから医者に情報を伝えることが優先されたのです。医者同士で治療法を吟味・相談し、より良い治療法を模索していたからです。
しかし糖質一度に食べ過ぎ症候群は治療を必ずしも医者がする必要がないのです。そもそも病気を治療するという概念が過去のものとなるかもしれません。食べ方で病気そのものを避けることができるのです。

命名の目的

糖質一度に食べ過ぎ症候群の命名の目的は一言でいえば患者さんに病態・生じる原因を知って欲しいからです。患者さんが糖質一度に食べ過ぎ症候群の病態を理解してもらうことで自分自身で病気を避けることができるのです。そして糖質一度に食べ過ぎ症候群という命名であれば、原因を名前に埋め込んであるため説明する時点で病気の本質・糖質を一度にたくさん食べ過ぎた結果症状が出たことが伝わります。

糖質一度に食べ過ぎ症候群は食べ方を工夫するだけで改善するのが特徴です。薬は対症療法に過ぎず、一時しのぎにしかなりません。何故なら糖質を一度に食べ過ぎることが原因であれば、原因である糖質を一度に食べ過ぎることを繰り返す限り、何度でも同じ症状を繰り返してしまうのです。治療しても治らないことは、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでも止まらないのと同じです。食べ方で悪化してしまうことは医者にとっては致命的です。食べ方を絶えず指導出来ないからです。患者さん自身に「糖質一度に食べ過ぎ症候群」の概念を理解してもらい、実践してもらうことが最善の策だと思います。医者に理解してもらい、医者から食べ方を広めてもらうよりも、患者さん自身に直接理解してもらうことが、早道だと考えました。そして素早く患者さんに情報を伝達するために情報を圧縮して伝える方法を考えてみました。行き着いたのが「糖質一度に食べ過ぎ症候群」の言い方で、短時間で病気の原因を伝えるのに適切だと考えています。

補足

患者さんには「糖質一度に食べ過ぎ症候群」の考え方の理解を深めるために補足を行います。具体的には糖質を一度にたくさん食べ過ぎることが原因であって、総量は問題になりにくいことを伝えるのです。一食でラーメン・チャーハンセットやうどん・おにぎりセットが問題であって、お昼御飯にラーメン・おやつにチャーハン、お昼御飯にうどん・おやつにおにぎりは問題が起きにくいことを伝えるのです(そもそもラーメン一食、うどん一食で許容量をオーバーするため、チャーハンやおにぎりを追加すると大オーバーになる人もいますが…)。

別の言い方をすれば、いつも三食で食べている食事が二食になると一回量が増えるため、悪化します。逆に三食を四食・五食に増やし一回量を減らすようにする方が症状は出にくくなります。

人によって一回に食べても大丈夫な許容量は人によって異なります。少なくとも「糖質一度に食べ過ぎ症候群」を発症している人は、一度に食べ過ぎたのです。自分で食べ過ぎを自覚し、次に一度に食べ過ぎないように気をつけることをお勧めします。

これらのことを全て含ませた意味合いの「糖質一度に食べ過ぎ症候群」という概念です。もし良かったら考えてみて下さい。

 

糖質一度に食べ過ぎ症候群に気付いた経緯

糖質一度に食べ過ぎ症候群という疾患の捉え方を提唱しています。今回はその病態に気付いた経緯を書きたいと思います。

糖質を食べると症状が出ることが徐々にわかってきました。アトピー性皮膚炎やニキビなどは食べ過ぎると翌日、早ければ数時間で症状が発症します。身体が出している注意報や警報という考え方も提案しています。

実は糖質一度に食べ過ぎ症候群は誰でも症状は見ているのです。アトピー性皮膚炎の赤みやニキビなどです。ただ単にどのように出るのかを知らないため、糖質を一度にたくさん食べると症状が出るとわからなかったのです。糖質制限の提唱者である江部先生や創傷の消毒をしない方が傷の治りが早いことを提唱された夏井先生のおかげで、アトピー性皮膚炎やニキビに糖質が関係あることがわかりました。糖質回避という考え方を患者さんに提案するようになり患者さんの状態が徐々に改善してきました。ただ当初は糖質は1か0かの二択のように、食べるか食べないかだと考えていました。食べれば出るのは仕方がないと考えていたのです。食べ物が問題であって食べ方が問題だとは思わなかったのです。

糖質一度に食べ過ぎ症候群に気付いた経緯

患者さんとお話をしていると悪化した場合、多く食べ過ぎた際に出ることがわかってきました。逆に糖質を0にしていなくても改善している患者さん達も多くおられたのです。むしろ全体量は多く食べていても症状が出ない患者さんがおられたのです。その食べ方を見ていると小分けで食べておられました。
1人は乳児湿疹の患者さんで果物やパン、うどんなどを食べ過ぎると赤くなっていました。しかしご飯(お米)を日頃食べていても症状が出ないのです。不思議に思って聞いてみると聞いてみると1日10回食べておられたのです。起きている間1時間毎に少しずつ食べていることがわかったのです。

その視点で考えてみると、多くの患者さんが一度にたくさん食べた際に発症していることがわかったのです。糖質による疾患は糖質の総量が原因だと考えていたものが、糖質の1回量が原因であることに気付いた瞬間でした。総量に気をつけなければいけないと思い込んでいたものが、1回量を気をつけなければいけないという事実に頭を撃ち抜かれる程の衝撃を受けました。患者さん達が日頃食べ方にどれだけ気をつけていても、一度の糖質の食べ過ぎで症状を引き起こす現実と合致するのです。頭を整理して抽象化して考えてみると、糖質一度に食べ過ぎ症候群という概念に行き着いたのです。

糖質一度に食べ過ぎ症候群の病態(仮説)

先日発表した糖質一度に食べ過ぎ症候群の病態、病気の起こるメカニズムの仮説を考えてみました。基本的には約2年前に書いた糖化産物による免疫機能の異常が原因だと考えています。その後様々な情報が蓄積できましたが、やはり糖化産物によるものと考えて矛盾しない状況です。糖化産物とは糖とタンパク質が不可逆的に結合するものです。熱を介して糖とタンパク質の結合はメイラード反応と言われ、食べ物を焼くと色が変わる反応です。例えばパンに焼き目がつくのも、肉が焼けるのもメイラード反応の一種です。熱の有無に関わらず糖とタンパク質が結合する反応が糖化反応で、糖化産物の生成量は糖の濃度に依存すると考えられます。血糖値が上昇することで糖化産物が多く作られるはずです。多数作られた糖化産物の中で免疫に働きかけ、人体に害をもたらす反応が起きている可能性を考えています。
もしかしたら糖そのものが免疫細胞に働きかけるメカニズムがある可能性は否定できません。いずれにしても糖が原因であり、一時的な血糖値の上昇が引き金・トリガーになっていることは間違いなさそうです。糖化産物が絡んでいるかどうかはいずれ解明されると思いますが、現在ではまだわかりません。

繰り返し血糖値が上昇した結果生じる2型糖尿病も糖質一度に食べ過ぎ症候群に含めても良いのかもしれません。一度に糖質を食べなければ血糖値が上昇しないからです。3食ではなく6食あるいは9食など小分けで食べるのであれば、2型糖尿病すら治る可能性が考えられます。

糖質一度に食べ過ぎ症候群を引き起こす血糖値以外のもう一つの病態を考えています。ここで書く糖化産物はブドウ糖がタンパク質に結合する糖化産物を想定し、ブドウ糖濃度である血糖値が目安になると考えています。しかし砂糖(ショ糖)を多く含むものや果糖を多く含む果物を食べた際に、ニキビなどを生じることが多いようです。砂糖はブドウ糖と果糖の結合したものです。つまり体に入るとブドウ糖と果糖に分解されます。ブドウ糖の血中濃度は血糖値と言われます。血中の果糖の濃度は通常問題にされることはありません。何故なら果糖はブドウ糖の約10倍糖化反応を引き起こしやすく生体への毒性が高いため、肝臓でブドウ糖よりも優先して代謝されます。そのため血糖値のように血液中に絶えず存在する訳ではないためです。果糖の摂り過ぎによる病気が糖質一度に摂り過ぎ症候群の中に隠れている可能性が否定できません。通常の糖質と果糖の摂り過ぎの違いにより病気が異なるかどうかを見極めるためにはもう少し時間がかかりそうです。

糖により免疫機能異常が引き起こされる

糖質一度に食べ過ぎ症候群は免疫機能障害が病気の本態のようです。免疫機能障害には二つ起こります。一つは免疫不全、一つは自己免疫です。免疫不全は本来働くべき免疫が働かないものです。自己免疫とは本来働いてはいけないはずの自己細胞に対する免疫障害です。身体をウイルスや細菌感染、癌細胞から守ってくれる免疫は無数の敵に対応するため、すべての組み合わせを作ってから自分の身体の細胞の分のスイッチだけ切る仕組みが採用されています。自分の身体の細胞の免疫スイッチを切り忘れたのが自己免疫です。
スイッチのオンとオフと考えるとわかりやすいと思います。本来は働かなければならないものが切れている(オフ・免疫不全)ものと、本来働いてはいけないものが働いている(オン・自己免疫)のです。本来働くべきスイッチのオンとオフが入れ替わっているのです。一見関係のなさそうな病気の本質が実は免疫の働き方の表と裏なのです。

自己免疫性疾患

例えばアトピー性皮膚炎では本来切れているべき皮膚細胞に対して自己免疫が働いてしまいます。皮膚細胞が攻撃され傷んでいるので汗が刺激になり悪化します。汗は悪化因子に過ぎません。花粉症では鼻や目の粘膜の細胞に対して自己免疫が働いてしまいます。粘膜細胞が攻撃され傷んでいるため、花粉に対して反応してしまうのです。花粉は悪化因子にすぎません。悪化因子ですから汗や花粉により症状は悪化します。仮に原因だとすると、汗や花粉がある限り治るはずがありません。しかし現実には糖質を控えることで症状は出なくなります。何故なら糖質による自己免疫に過ぎないからです。この病態からすると自己免疫性疾患も俗にいわれるアレルギーも病態は全く同じで、自己免疫のターゲットが外界に接する細胞か否かというだけのことです。外界に接する細胞は刺激を受けているため、悪化因子と反応しますがその悪化因子をアレルゲンとして原因のように錯覚しているに過ぎません。病気の正体は糖質です。

免疫不全

免疫不全の一つはウイルス感染によるイボ(尋常性疣贅)です。無数にある免疫の中でウイルスに対する免疫だけがピンポイントで免疫不全を引き起こした結果イボを発症するようです。糖による本来ピンポイントの免疫不全の数が増えて易感染性として認識されるようになるのが、糖尿病における免疫不全の病態のようです。
ピンポイントの免疫不全が癌細胞に対して起こってしまえば癌を発症するのです。幸い癌は様々な免疫の組み合わせにより阻止するため簡単には発症しませんが、偶然免疫不全がいくつも組み合わさってしまうと発症してしまうようです。逆に考えれば糖質を控えることで免疫不全が重なる可能性が低くなるため、癌を発症しにくくなるはずです。糖質を摂ると発症頻度が上がるのは、糖質を摂り過ぎた結果発症する2型糖尿病の患者さんに癌の頻度が高いことが示唆しています。癌についての仮説は改めて詳しく書きたいと思います。

糖質一度に食べ過ぎ症候群の根底にあるもの

糖質一度に食べ過ぎ症候群は糖質依存の一症状、つまり糖質依存症の一種なのかもしれません。糖質依存のため自己抑制がでず、糖質を一度に食べ過ぎるのです。自分ではコントロールできなくなることが特徴です。病気になるとわかっていてもやめられないのが依存の心理の怖いところです。糖質依存は禁断症状まであるのが特徴です。我満出来ない強い空腹感が禁断症状なのです。強い空腹感を我慢しているとピークを越えるのが禁断症状である証拠です。
出来るだけ糖質を回避するという考え方、糖質回避という考え方がお勧めです。無理に人に勧めるようなものではありませんが、糖質回避を信じてくださった方は健康になっていきます。病院に行かなくてすむようになったため人生が変わった人も何人かおられます。

糖質依存を抜け出し方は糖質を少しずつ減らすのではなく、食べるか食べないかです。糖質を少し食べると余計食べたくなるため、3食の糖質を少しずつ減らすと我慢の度合いが強くなります。3食のうち1食・2食と糖質を食べないようにし、おかずだけ食べるようにするのが糖質依存から抜け出しやすくなります。

糖質一度に摂り過ぎ症候群

少し幼稚な命名かとは思いますが、患者さんにわかりやすい表現のため糖質一度に食べ過ぎ症候群という症候群を提唱したいと思います。糖質一度に食べ過ぎ症候群とは原因を埋め込んだ命名で、糖質を一度に食べ過ぎることで発症する病気すべてを含む幅広い疾患概念です。まだわかっていないものも含めて無数にあると私は考えています。もしかしたら病気と認識されているものの7割~8割は糖質一度に食べ過ぎ症候群なのではないかと考えています。既に患者さんには説明に使っています。(通常病名は医者同士で情報交換するために使われますが、糖質一度に食べ過ぎ症候群は、患者さんに受け入れてもらって食べ方を工夫するだけで改善が期待できるため医者と情報交換する必要はないと考えています。)

何故一度に食べ過ぎかというと小分けで食べれば症状が出にくいからです。一度に糖質を沢山食べた際に症状が翌日には出てしまいます。因果関係が理解しやすい病態のものを糖質一度に食べ過ぎ症候群として定義したいと思います。
現時点で因果関係がはっきりしているのは、アトピー性皮膚炎とニキビです。全員に当てはまる病態かどうかは検討の余地がありますが、これらの多くは間違いなく糖質一度に食べ過ぎ症候群です。糖質を一度にたくさん食べると遅くとも翌日、早ければ2・3時間で症状が出現します。これまでみんなが気付かなかったことが不思議なほどほどはっきりとした因果関係があるのです。糖質を一度に沢山食べて、4・5日と少し遅れて出る乾燥肌も糖質一度に食べ過ぎ症候群の一つです。

病態は似ていると考えられる、糖質による他の病気も糖質一度に食べ過ぎ症候群に入れることができると思います。例えば花粉症などのアレルギー性疾患も糖質一度に食べ過ぎ症候群としても良いのではないかと考えています。他にも食べ過ぎたことですぐに発症するわけではない円形脱毛症や尋常性白斑などの自己免疫性疾患イボや水いぼなどの慢性感染症なども、糖質を一度に食べ過ぎることを繰り返す結果生じていることが考えられます。糖質を食べ過ぎないことで改善している人たちがいることがその状況証拠です。もしかしたらこれらの疾患は糖質の一回量ではなく、トータルの量に影響があるのかもしれません。現時点では糖質一度に食べ過ぎ症候群なのか糖質食べ過ぎ症候群なのか確かなことは言えませんが、私は血糖値の急上昇による糖化産物により病気が引き起こされる仮説を考えているため、これらの疾患も糖質一度に食べ過ぎ症候群なのではないかと考えています。

実は糖質を控えることで改善する2型糖尿病も糖質一度に食べ過ぎ症候群に入れても良いのではないかと思います。何故なら糖質を一度にたくさん食べることで血糖値が急上昇し、血糖値の急上昇を繰り返すことで結果として血糖値が下げられなくなる病態だからです。少しずつ小分けにして何回にも分けて糖質を食べることで血糖値が上がりにくくなるため、2型糖尿病を発症しにくくなると考えます。つまり3食で食べる食事を1回量を減らして回数を増やす、具体的には半量にし6回食で食べるようにしてしまうのです。3食を6食が難しいといっても、デザートを食べていればそのデザート分を時間をあけて食べるだけで一度にデザートも食べていた3食が、通常の食事3食プラスデザートを時間を空けて食べる3食で計6食にすることができます。これだけで血糖値の急上昇が抑えられ、2型糖尿病にはなりにくくなるはずです。

糖質一度に食べ過ぎ症候群は糖質に関わる病気すべてを含む症候群で、後天的(生まれつきではない)な免疫に関わる病気全てに当てはまる可能性のある限りなく壮大な症候群だと私は考えています。
もしかしたら癌すら糖質一度に食べ過ぎ症候群の一種かもしれません。突拍子もない発想ですが、前癌病変である異形成は2人程糖質の食べ方で改善していますから、あながち全くの出鱈目ではないと考えています。前癌病変に効果があるのであれば、より免疫が働くはずのガンでも効果が期待できると私は考えています。
現時点でアトピー性皮膚炎は糖質を一度に食べ過ぎると数時間で痒くなり(糖質一度に食べ過ぎ注意報)、翌日には赤くなります(糖質一度に食べ過ぎ警報)。ニキビは糖質を一度に食べ過ぎると早ければ数時間遅くとも翌日には赤くなります。糖質を一度に少し食べ過ぎると小さいニキビ、糖質を一度に多く食べ過ぎると大きなニキビになります。乾燥肌は糖質を一度に食べ過ぎると4・5日してから乾燥するようです。ちょうど日焼けの後時間差で皮が剥けてくるのと同じ病態のようです。

糖質一度に食べ過ぎ症候群という病気の捉え方。もしよかったら受け入れてみてください。様々な病気を避けることが出来るようになるかもしれません。

ちなみに糖質を一度に食べ過ぎてしまう理由は糖質依存により自己抑制できない状態の可能性があります。多くの人が糖質に依存状態で、立派な禁断症状まであるのです。良かったら自分自身が糖質依存状態ではないか考えてみてください。もし糖質依存の状態であれば糖質回避という考え方で糖質依存から抜け出す方がお得だと私は考えています。

2017.7.17追記
既にカテゴリ名は変更していましたが、タイトルを糖質一度に摂り過ぎ症候群に変更しました。変更の目的は食べ物だけではなく糖質を含む飲み物でも発症する可能性があるからです。そのため食べ物・飲み物すべてを含む表現として糖質一度に摂り過ぎ症候群と名称を変更しました。