ニキビ(尋常性ざ瘡)の原因は糖質の食べ過ぎ

ニキビと糖質の関係で書きましたが、ニキビの原因の大部分は糖質の食べ過ぎのようです。

先日書いた糖質の許容量をこえると1日か2日でニキビを発症します。
新たに出来たニキビは糖質の許容量をこえてしまった結果なのです。

糖質の許容量の概念が理解できると、ニキビ(尋常性ざ瘡)と糖質の関係が容易に理解出来るようになります。

人によってそれぞれ糖質を食べても症状が出ない糖質の許容量があるのですが、いつも許容量が一定ではないことが許容量の概念をわかりにくいものにしていました。
ニキビの場合、生理前や寝不足、強いストレスによって悪化することが言われます。
逆に考えればどのような機序かはまだ不明ですが、生理前や寝不足・強いストレスがあると一時的に許容量が少なくなるようです。もしかしたら寝不足や強いストレスがあるとストレスホルモンによって血糖値が上がるため、血糖値が何らかの影響を与えている可能性が示唆されます。

一度でも糖質を食べ過ぎると症状が出るので、もしかしたら一時的に血糖値が上昇すると即座に何らかの免疫抑制が働く可能性が示唆されます。従来言われている脂質代謝異常が原因であれば、糖質を食べ過ぎて1日か2日ではニキビが新生することは考えにくいと思います。かといって高血糖に伴って即座に反応する免疫抑制もこれまでの概念には当てはまらないので、今後の研究結果を待ちたいと思います。

中学生、高校生の多くがニキビで悩まされるのは、丁度その頃第二次性徴と体の成長に伴い食べる量が増える際に糖質依存に陥り、大量に糖質を食べる結果生じるようです。実際中学生、高校生でも糖質を食べる量を控えることでニキビの新生が収まる人が多くおられます。

糖質をこれまでと同じように食べながら、ニキビの治療を行うのはアクセルを踏みながらブレーキを踏んで止まらないと言って困っているのと同じです。まずはアクセルである糖質を食べる量を減らすことです。

治療は抗生物質の内服、外用ですが、予防は糖質回避です。その具体的な方法は食べ過ぎると1日か2日で症状が出ることを利用したアトピー性皮膚炎の振り返り法と同じで糖質の許容量を見極めて糖質を食べ過ぎないように気をつけることです。

ニキビは治す時代からニキビを予防する時代になりました。
ただ単に糖質を加減するだけの簡単な理屈です。

糖質の許容量

糖質には人それぞれに食べても大丈夫な許容量があるようです。

様々な病気に対して人それぞれの糖質の許容量があるようです。その許容量をこえることで様々な病気を発症するようです。肥満のように長期間にわたる糖質の食べ過ぎ結果発症するものから、アトピー性皮膚炎やニキビのように1回の許容量をこえた食べ過ぎで発症するものまで様々なようです。花粉症も糖質を控えることで改善が期待出来ますので、許容量をこえて食べ過ぎているのだと思いますが、どのくらいの期間で発症するのかまだわかりません(アトピー性皮膚炎やニキビのように振り返り法が花粉症にも当てはまるのかはまだわかりません)。

許容量は人によって異なります。丼で3杯食べても発症しない人もいれば普通のお茶碗1杯でも許容量をこえてしまう人がいます。症状が出ている時点で、許容量をこえてしまっているようです。許容量をこえることが時折なのか、毎日なのかによって症状の程度が異なります。毎日こえていれば症状は次第に蓄積して激しくなりますし、時折であれば症状は軽いままです。つまり症状が激しい人は許容量を毎日こえている可能性が高く、症状が軽い人は許容量を時折こえているだけの可能性が高いと考えられます。

糖質の許容量とは?

糖質の許容量とは、食べても症状を発症しない量のことです。興味深いのは、食べる順番を変えるだけで許容量が変わることです。少なくともアトピー性皮膚炎では食べる順番を変えるだけで症状が出にくくなります。小さいお子さんのアトピー性皮膚炎では食べる順番を変えるだけで症状が出なくなったお子さんもおられます。つまり食べる順番だけでアトピー性皮膚炎が治ってしまいました(実際には治った訳ではありません。病気の原因を取り除いただけです)。おにぎりやうどんなど糖質だけ食べると発症しやすく、先にタンパク質や脂質などのおかずを先に食べると発症しにくくなります。あたかも許容量が増えるかの印象です。このことから食べ方で変わるのは食べ物の要素ではなく濃度が関与している可能性が高いと考えられます。素直に考えれば血糖値が関与している可能性が高く、一時的に一定値(閾値)をこえることで症状を引き起こしている可能性を示唆します。

可能であれば血糖値と症状の関連も検討したいと思います。そして今後の報告を待ちたいと思います。

自分自身の許容量を知る

糖質の許容量をこえないようにするのは、血糖値を上げないように食べ方を工夫すると良いようです。特に自分の許容量を知ることが、症状を出にくくする一番の近道です。何故なら自分で許容量をこえないように食べる量を自己調節することで、症状をコントロール出来るようになるからです。

許容量の把握はアトピー性皮膚炎の食事療法:振り返り法が役立つと思います。許容量をこえた際にアトピー性皮膚炎は1日、ニキビは1日か2日で症状が出ます。このことを振り返るのです。症状が出た際にアトピー性皮膚炎であれば1日振り返り、ニキビであれば1日か2日振り返って許容量をこえたことを確認するのです。症状が出た時点で許容量はこえているので、多くの場合には食べ過ぎに気付くことが出来ます。その食べ過ぎた量は許容量をこえているので、許容量はそれ以下だとわかります。今後は症状が出た食べた量をこえないように気をつけるようにするのです。もし食べ過ぎに心当たりが無ければ、深く考えず次の機会を待ちましょう。

様々な病気も糖質を控えること(糖質回避)で症状が改善します。例えば花粉症や気管支喘息などです。恐らく糖質の許容量があると思います。ただし食べ過ぎた際にどのくらいの期間で症状が悪化するのかわからないため、振り返り法が今のところ使えません。もし悪化期間がわかれば振り返り法が使えますので御自分で悪化期間を考えてみて下さい(もしかしたら症状がなくなるまで糖質回避をした後で、悪化期間を確認しないと悪化期間はわからないのかもしれません)。

許容量以内であれば食べても大丈夫

許容量を把握する最大のメリットは、許容量以内であれば糖質を食べても大丈夫だということです。糖質を食べ過ぎて症状で悩まされることがなくなり、自己調節することが出来ます。

糖質の食べ過ぎが原因の、アトピー性皮膚炎やニキビなどが自分で症状をコントロール出来るようになります。対症療法しかなかったアトピー性皮膚炎やニキビの治療が、食事を調節するだけで簡単に行えるようになりました。

許容量は変動する

人それぞれによって異なる糖質の許容量が、状況により変動します。
例えばアトピー性皮膚炎であれば、季節によって汗や乾燥、ダニ・ホコリなどの外的因子により糖質の許容量が増減します。人によっても異なりますが夏や冬に悪化する人は、その際に許容量が下がっている可能性があります。反面春と秋は比較的許容量が高めになるため、症状が落ち着く人が多くなります。

ニキビでも許容量が変動します。
ニキビでの許容量を変動させる要因はストレスや寝不足、女性の場合は生理に伴うホルモンバランスのようです。ストレスや寝不足、生理前にはニキビに対する糖質の許容量が減少してしまうため、同じ量の糖質を食べているとニキビが新生してしまうようです。

糖質に対する許容量が下がって症状が出てしまうので、許容量をこえないように食べる量を減らすことで症状で悩まされなくなります。
この場合には許容量が変動することを踏まえて、振り返り法で対応することがお勧めです。

肥満における糖質の許容量

アトピー性皮膚炎やニキビに関して糖質の許容量を書きましたが、肥満における糖質の許容量があります。肥満における糖質の許容量は糖質依存に陥らないことです。糖質依存に陥らない範囲であれば糖質は食べても大丈夫です。逆に糖質依存から抜け出さない限り、なかなか肥満は治りません。痩せてもリバウンドするのは糖質依存から抜け出しても、油断した際に再び糖質依存に陥るからです。ちなみに糖質依存には禁断症状まであります。逆に禁断症状である強い空腹感を感じるのであれば糖質依存の可能性が高いと思います。

糖質の許容量という概念を考えてみて下さい。