糖質とアルコールとタバコの関係

糖質とアルコールとタバコの関係を考えてみます。
この一見すると関係なさそうな三つには共通点があります。
取りすぎると病気になるということと、依存性があるということです。

取りすぎると病気になる

糖質の害は先日書いた通りです。アルコールを取りすぎると、アルコール性肝障害から肝硬変を来す可能性があります。タバコを取りすぎると肺気腫などの肺疾患を来したり、肺癌を来す可能性があります。

依存とは?

取りすぎれば取りすぎるほど様々な病気になる可能性が高まります。そのため量を加減する必要がありますが、加減を邪魔してしまうのが依存の心理です。

依存の診断基準にもありますが、時間や量やタイミングややめたくてもやめられないなどの自己抑制が出来ないことが問題となります。

アルコール依存症

特にアルコールは精神・考え方に直接働きかけるため、過剰摂取(飲みすぎること)すると精神に変調を来し、自分で判断出来なくなることつまり理性を失うことが問題です。人によっては薬物依存に近い病態となり、いつでもアルコールが手に入る状態では依存を断ち切れないため、入院治療をしなければ改善出来ないようです。

多くの人は娯楽としてアルコールを楽しんでいますが、一部の人は薬物依存に近い病態に陥ってやめたいと思ってもやめられないのかも知れません。嗜好の問題か病気なのか、区別が付きにくいことも問題だと思います。現時点では日常生活に支障を来すか否かが区別する見分け方だと思います。

仕事中にアルコールに手を出してしまう程、これだけ飲酒運転取り締まりが厳しい中飲酒運転してしまうなどが病的かどうかの分かれ目だと思います。アルコールを飲んでも良いタイミングか飲んではいけないタイミングか判断出来なくなることを意味します。

ニコチン依存症

ニコチン依存症は厚生労働省が健康保険適応での治療を認めているれっきとした病気です。アルコールのように精神や意識に直接働きかけることがないため、タバコをやめられないだけで精神に変調を来すことがないのが特徴です。

しかしタバコを吸うことによって引き起こされる様々な病気が明らかとなっています。本来は国が税金を稼ぎ出すためにタバコを推奨していたところがあるようですが、ニコチン依存症の陥らせて病人からタバコ税として搾取する構造だったようです。一説によると現時点ではタバコによる税収が年間1兆円、タバコによる健康被害が3兆円で手痛いしっぺ返しを食らっているようです。

ニコチン依存症にはいくつかの治療法が確立されつつあることが特徴です。大きくわけて二つの治療法があります。ニコチンを使うかニコチンを使わないかです。ニコチンをタバコとしてではなく、ガムなどですり替えて少しずつ減らす方法か最初からニコチンを含まない薬剤を使う方法です。いずれも依存を引き起こす脳内の条件反射を忘れさせることが目的です。

糖質依存

糖質依存とは糖質に対する依存で、一時期の私は診断基準を明らかに満たしていました。

肥満になってもやめられませんし、強い空腹感という禁断症状まであります。

糖質の取りすぎによる様々な病気が明らかとなるにつれて、糖質依存の罪深さがみんなの知るところとなると思います。様々な病気とは肥満2型糖尿病高血圧、高脂血症、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の病気は恐らく間違いないと思います。更に私の糖化産物が様々病気を引き起こす原因であるという仮説が正しければ各種アレルギーやニキビ・イボなどの慢性感染症も糖質の取りすぎによって引き起こされるようです。

少なくとも肥満、2型糖尿病は直接糖質の取りすぎが問題です。
糖質依存によって食べ過ぎた結果引き起こされる病気、いわば糖質依存症です。

アルコールやニコチンは害があるので控えるように言われていますが、糖質の方がはるかにはるかに罪深いようです。
肥満と2型糖尿病だけでも十分アルコールやニコチンよりはるかに罪深いのに、アレルギーや慢性感染症の原因だとわかれば糖質の害は計り知れないものになります。
こうして考えるとアルコールもニコチンも依存性はありますが、健康被害は糖質に比べると本当に微々たるもののようです。その微々たるものに対して問題にしているわけですから、今後は糖質の問題は大問題に発展することだと思います。

いわば禁断の食べ物と表現しても過言ではない食べ物だとわかることになると思います。
幸い少し食べてすぐに病気になる猛毒ではないので、調理の仕方と食べる部位を気を付ける必要のある河豚と同じようなもので、食べ過ぎに気を付けながら病気や依存を引き起こさない適切な量を食べることになると思います。
少なくとも主食という考え方は、残念ながら人類の体にはあってはいないようです。
主食が正しいか正しくないかでは残念ながらありません。
いつ主食という考え方をやめるかです。

主食をやめるからといって糖質をゼロにする必要はありませんが、少なくとも主食という考え方は食べ過ぎだと思います。
よく食事のバランスが大切と言われますが、そもそも主食と副食の関係そのものがすでにバランスを欠いているようです。何しろ主食が6割を推奨されているようです。6対4の時点でバランスはよくないと思います。
21世紀なのですから、物事を冷静に合理的に考えることが大切だと思います。

共通点から考える糖質依存の扱われ方の未来予想

糖質・アルコール・ニコチンに共通しているのは取りすぎると病気になり、依存性があるという共通点があります。
そしてアルコールやニコチンに関しては病気を避ける目的というよりは、依存性があるのでやめられないだろうということで税金を取りやすいからという理由で課税が始まったようです。
今となっては健康のために取りすぎを制限する目的で、アルコールやニコチンには課税されています。(参考:健康被害があるものには課税されています
特に本来税金を得るのに適していたタバコは、年間1兆円の税金を得るために年間3兆円もの医療費が余分にかかっているようです。いずれはタバコによる健康被害に対する医療費はタバコを吸った人の自己負担になるのが適切だと思います。

こう考えると糖質依存と糖質による健康被害はまだわかっていないだけで、今後は大きな問題になると思います。
アルコールやニコチンの考え方からすれば、糖質に対して税金がかけられるようになるのが適切だと私は思います。ただしみんなの理解が得られるためには20年くらいはかかるのかもしれません。合理的に物事を考えることのできる人が半分いれば多数決で即座に糖質課税は始まるのですが、どうやら物事を論理的に考えられない感情的思考・直感的思考をする人の方が残念ながらはるかに多いようです。

実は砂糖課税というのが検討されたようですが、残念ながら的外れでした。
砂糖の甘味に対して依存しているわけではないからです。
炭水化物に対して課税するのが合理的です。

依存性がある、健康被害があるものが判明すればかつて薬局で売られていた麻薬のように害がわかった時点で禁止するか、制限するしかありません。
制限の方法としては、課税するのが一番効果的で意味があると思います。
その課税の目的は糖質による健康被害の治療費として役立てることができるからです。

合理的に考えれば糖質課税をかけることしか私には良い手だてが思いつきません。
反対するのは私利私欲で言っているだけです。
反対する意味はありません。自分が利己主義だ、自分の利益しか考えていないと公言することになるので恥ずかしい思いをしますからやめておいた方が良いと思います。
動物的な感情的な思考しかできないことを公言することになるので、反対はやめておいた方が良いと私は思います。
糖質課税に賛成できないのであれば、合理的な更に良い知恵を考えて主張するべきです。
今の私には糖質課税で糖質の害を避ける知恵しか思いつきません。

もっと合理的な知恵が出てくるといいですね。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。