説明の上手な人と下手な人の違い 選択肢の提案

久しぶりに説明の上手な人と説明の下手な人の違いです。
選択を求める際に選択肢の提案の仕方で、説明の上手な人と下手な人の違いが如実にあらわれます。

説明の下手な人は選択肢だけを提案します。説明が下手な人に限って選択が遅いとイライラしたりします。実は自分の説明が下手なために相手が情報不足で選択に戸惑っているにも関わらず、イライラしているのです。選択を求められている人にとっては相手の説明が下手な上にイライラされるなんて災難な話です。
説明が不足している一番の問題は、自分が当たり前に知っていることだから相手が選択肢の内容を十分理解しているはずだと勘違いしていることです。相手が選択肢の内容を知らないということ自体に想像がつかないのです。結果として十分な情報を提供しないまま選択を求めるという、お互いにとって好ましくない状態に陥ります。

選択したとしても十分な情報を元にした選択ではないため、後悔することがあります。何より悩む時間が無駄になります。何故なら判断がつかない訳ですから、実際には悩む訳ではなく困っているのです。

説明の上手な人は選択を求める際に選択肢の提案をしますが、相手が戸惑った時点で説明を加えます。つまり悩むのではなく判断がつかず困っていることが理解出来るのです。説明が少し上手な人は選択肢の具体的な内容をそれぞれを説明します。選択肢の具体的な説明をしてもらえるので内容がわからず困ることはなくなります。しかしここから悩むのです。違いはわかってもどのように選択すれば良いのかわからず悩んでしまいます。

説明の上手な人は、選択肢の具体的な選択方法を教えてくれます。選択肢の違いだけを取り出して、相手が選択肢に求めるものを場合分けして提案してくれます。

具体的にはABCの商品があります。違いは性能に応じた値段です。割り切って最低限のことが出来れば良い、あるいは値段の安さで選ぶならCです。とにかく性能の良さで選ぶならAです。コストパフォーマンスを求める、値段と性能のバランスを求めるならBです。といった具合に選択の仕方も含めて提案するでしょう。

説明の上手な人は、話を簡潔にまとめることが出来るので、本来なら相手任せの選択を求める場合でも、早く答えを引き出すことが出来ます。実は説明の上手な人は、相手のためだけでなく自分のためにも上手に説明するのです。何故なら上手に説明することで無駄な時間を短縮することが出来るからです。相手が悩むのを待つことに意味はありますが、相手が困っているのを待っても何も生み出さないことを知っているからです。情報不足で選択出来ない困っている状態を速やかに解消してあげることが、お互いのためになることを知っているのです。

みんなが説明の仕方のトレーニングを受けると良いと思いますが、説明スキルの上達は残念ながら個人に任せられています。特に命に関わる選択を求める医師は、説明スキルの習得を義務付け、国家試験に導入しても良いのではないかとさえ思います。

選択肢の提案だけでなく、選択の仕方まで提案する説明の上手な方が増えて欲しいと私は思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。