人の行動は衝動買いの心理に左右されるようです。衝動買いのメカニズムはこちらをご参照ください。一言で言えば脳内で分泌されるドーパミンが「衝動買いの心理」の元で、どうしても欲しくなるようです。
人類の進化の歴史の上で「衝動買いの心理」は非常に重要でした。今でこそ「衝動買いの心理」ですが、かつては命に関わること心理でした。食料を確保するという命を守る為の心理でした。危険でも少し無理をすれば手に入る物に対して、「衝動買いの心理」が働かなければ手に入れようとしないのです。何故なら危険だとわかっていることが怖いからです。人間は進化の歴史の上で様々な知恵がついたため、怖いという感覚を身につけました。危険なことを無闇にしないようにし、無駄な怪我や命を落とすようなことを出来るだけ避けるようになったのです。この怖いという感覚が進化し過ぎて、言わば怖がりになってしまったのです。しかし怖がってばかりいては食料は手に入りません。そこで「衝動買いの心理」の登場です。元々は手に入りそうな食べ物を実際以上に魅力的に脳に錯覚させることで、予想できる危険性という恐怖に打ち勝つ勇気を与えることで食べ物を確保してきました。この心理が「衝動買いの心理」になってしまったのです。
現代の文明社会では命懸けで食料を確保することは稀な話です。命懸けの部分わお金をかけて食料を確保するのです。命をお金に置き換えてみると「衝動買いの心理」が良くわかります。物を手に入れる手段が命をかけるかお金をかけるかの違いに置き換わったのです。その際に命を失いたくない心理が邪魔しますが、「衝動買いの心理」が恐怖を封印し食料の確保に行動します。お金を失いたく心理が物を買うことに抵抗しますが、命を失うかもしれない恐怖を封印出来る「衝動買いの心理」の前では無力に近いようです。
実は衝動買いだけでなくても「衝動買いの心理」は働いています。例えば各種の依存は「衝動買いの心理」を繰り返してやめられなくなった状態です。アルコールを飲むことで楽しいということを覚えます。次にアルコールを飲むかどうか悩んだ際に、ドーパミンによる「衝動買いの心理」が働きアルコールが欲しくて仕方がなくなります。何度も繰り返しているうちに、ドーパミンの分泌量が減るため、更なる刺激を求めるためアルコールの量が増えて依存に陥ります。タバコのニコチン依存もパチンコなどのギャンブル依存も同じ心理です。依存に共通しているのはいきなり依存になる訳ではないことです。一度も経験したことのないものは魅力がわからないからです。生まれてからいつの間にか陥っている糖質依存は依存しているという認識が難しいのが問題です。
他にも「衝動買いの心理」が行動を左右しているのは、ふと誰かに会いたいと思って後先考えずに行動するのもドーパミンによる「衝動買いの心理」と同じです。後で考えるとどうしてそのような行動をとったのかわからなくなるのは、正にドーパミンの働きによります。何かをして遊びたいと考える際にも「衝動買いの心理」と同じでドーパミンが働きかけているのかも知れないのです。
「衝動買いの心理」の持続時間は約10分だそうです。本当に行動したいのか「衝動買いの心理」で錯覚が起こっているのか判断するために、10分以上経ってから改めて行動するかどうか考えると良いと思います。他にはその行動で得られる効果や満足感が、わざわざ行動する価値があるかを冷静に考えてみると良いと思います。