機械がどんどん進化しています。
工場では機械化が当たり前のように進んでいます。
今工場で機械化されていないのは、機械化が困難か機械化の方がコストがかかるからです。
かつて産業革命により機械に仕事を奪われることを恐れた手工業者、労働者による機械を破壊するラッダイト運動という運動が起りました。
当時は機械が大型で数が少なかったことに加え、1台で数百人・数千人分もの仕事を奪ったため標的とされました。
しかし今では機械がどんな仕事を奪っているのかさえわからないくらい、様々な分野に機械が進出しています。かつては手作業の代わりを機械が行うようになっていました。今では頭を使うことでさえも次々機械化されつつあります。つまりブルーカラーの仕事が機械に奪われる時代から、ホワイトカラーの仕事が機械に奪われる時代になりつつあります。コンピュータの性能がきわめて向上し、人工知能という優秀な機械が生まれつつあります。既に検索機能においては人間をしのぐ能力を発揮しているようです。機械は単純作業が非常に得意です。文句も言わず繰り返し、基本的にミスもありません。万が一ミスがあったとしても確認しなおすことを得意としています。ホワイトカラーの仕事の本質を抽出することで、単純作業として機械がこなしてしまうのです。
例えば伝票の整理などは人間にしか出来ない作業だとされていましたが、仕分けの仕方さえ単純化して機械に教えてしまえば簡単にこなしてしまいます。このような点から会社の経理という仕事は将来なくなると考えられます。少なくとも今の経理に必要な人数がこの先も必要だと考える人は少ないと思います。
他にもコンピュータが代わりに仕事をしてしまいます。営業マンも激減してしまうと思います。何故なら本当に必要なものはネットで簡単に手に入る時代です。わざわざ会社が営業マンの人件費をかけてまで売りたい物が、欲しい人はそれほど多くはないと思います。同じ物がネットで安く手に入るからです。ネットでは売っていない良い物を売り出したとしても、必ず他の業者がネットで営業マンの人件費を差し引いた値段で売り出してくると思います。つまり営業マンから説明を受けても買うのはネットという時代が近いうちにやってきます。
今のところ将来にわたって安泰な企業や仕事が何かはわかりません。
そしてどのような知識を身につけると生きていけるのかもわかりません。
機械がこれほど進歩した時代を人類が経験したことがないのですから当たり前といえば当たり前です。誰にもわからないのです。
そのような中で機械に代わりが出来そうにない能力がタイトルに書いた『問題を見つける視点』を持つことです。問題を解決する能力は恐らく人工知能の方が優秀だと思います。今はまだ問題を解決する能力に関しては人間の方が優秀だと思いますが、近いうちに人工知能の方が広い視野で考えることが出来るようになるので人工知能に負けてしまう時代がくるのではないかと思います。だからこそ人間にしか出来ない『問題を見つける視点』を身につけることです。問題を見つけないと解決策も見つけることができません。問題を解決することが仕事になっていくのだと思います。人が見つけた問題は機械が解決してしまいます。自分で『問題を見つける視点』を持つことだけが、人工知能の性能が上がっても機械に仕事を奪われず生き抜くことが出来る方法だと私は思います。
問題を見つける視点
見つける問題は何でも構いません。
それこそ不満でも良いのです。
ただし不満を抱くだけで終わらせては知恵は養えません。
抱いた不満から問題の本質を見つけた上でどのようにすればその問題が解決出来るかを考えるのです。絶えず思考実験を行うようなイメージです。
すぐに答えは見つからないと思います。かといって考えることが無駄になる訳ではありません。答えがない問題の解決策を考えることが知性です。
自分だけで解決出来るのであれば、不満を解消すれば良いのです。
例えば地方ではテレビ局が少ないという不満を抱いたとします。
解決策はいくつかあります。
テレビ局の多い都会に引っ越すのも一つでしょう。
BSやCS放送を受信出来るようにするのも一つでしょう。
それぞれの費用を考えて、費用を払ってでもテレビを見るかどうか解決策を考えるようにするのです。
本当に何でも構いません。
問題を見つけ、解決策を探す思考実験をすることが一番の目的です。
思考実験を繰り返すうちに新たな問題に気づくことが出来るようになります。
見つけた問題について、人に意見を聞くのも自分の身になります。
機械に負けないために『問題を見つける視点』を持つようにしましょう。