乳酸菌とアレルギー

ある種の乳酸菌がアレルギーに効果があるというデータがあります。にわかには信じがたいデータですが、本当だとしたら何が起こっているのか考えてみます。

アレルギーの原因はまだ特定はされてはいませんが糖質を控えることで改善し、糖質負荷で再燃することから糖質の関与は間違いないでしょう。糖質を食べる順番で症状が変わることから血糖値の上昇が原因だと考えます。「0から思考」で考えると血糖値が上昇すると何らかのの反応を引き起こすと考えます。血糖値はブドウ糖の血中濃度ですが、ブドウ糖は分子が小さいため直接何かを引き起こすことは出来ないはずです。であるならばブドウ糖が何かと反応することで症状が起こるはずです。ブドウ糖は濃度が上がる程様々なタンパク質と結合する糖化という反応を起こし、糖化産物といわれるものを生じます。この糖化産物が何らかの反応を引き起こす可能性が考えられます(参考:アレルギーと糖化産物による病気の関係)。ちなみによく知られている糖化産物にHbA1c(ヘモグロビンA1c)があります。HbA1cは糖尿病の長期間のコントロール状態を知るための検査として活用されています。

糖化産物とアレルギーの関係は今の所仮説の域を出ませんが、糖質を控えること(糖質回避)で多くのアレルギーが改善するのは間違いない事実です。

ある種の乳酸菌とアレルギーの関係(仮説)

ある種の乳酸菌がアレルギーを抑えるのであれば何が起こっているのか考えてみます。

腸内細菌が肥満を起こす可能性があるのですから、腸内細菌がアレルギーを引き起こすと考えてもあながち的はずれではないかもしれません。元々アレルギーは腸内細菌が引き起こし、その腸内細菌の割合を変えることでアレルギーが改善すると考えれば納得出来る仮説です。ただ私の知る限り、肥満のように腸内細菌を入れ替えてアレルギーが引き起こされるというデータは見たことがありませんので可能性があるだけです。

今の所分かっていることから「0から思考」で考えてみます。現時点でわかっていることは血糖値が上昇するとアレルギーが引き起こされる可能性が高いこと。ある種の乳酸菌を摂取するとアレルギーが改善すること。このことから考えると、ある種の乳酸菌が血糖値を上げないのか、アレルギーを引き起こす反応を抑えるのかどちらかだと思います。糖質の吸収を緩やかにすると考える方が可能性が高いように思います。

データを見る限り症状が出なくなる訳ではなく、改善する程度のようです。またインターネットに掲載されている内容では作用機序までは触れていませんでした。有意に改善するという相関関係があるようです。

糖質回避をすればアレルギーそのものが失くなるので、わざわざお金を出して飲む必要はないと思いますが、糖質がやめられない人には有効な手段かもしれません。ちなみに腸内細菌の割合が変わることがアレルギー改善の理由であれば、継続して飲み続ける必要はないと思います。アレルギー症状が改善した時点で飲むことをやめても、症状緩和は持続できると思います。再び悪化すれば再度飲み始めれば良いと思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。