狭義の糖質依存症と広義の糖質依存症

糖質依存症とは糖質依存(診断基準あり)による病気の総称のことです。糖質依存という概念を理解することで、それに伴う症状は容易に理解することが出来ます。例えば肥満は糖質依存による糖質の過剰摂取が原因であり、典型的な糖質依存症の一つです。

糖質依存

糖質依存とは糖質を食べることに依存してしまい、糖質に対して自己抑制出来ないことをいいます。糖質依存は比喩的な意味ではなく、診断基準を満たす程多くの人が依存しています。糖質依存により過量摂取してしまうことで生じた症状を糖質依存症といいます。

糖質依存には強い空腹感という禁断症状があります。この禁断症状のために、つい食べてしまうためなかなか糖質依存から抜け出すことが出来ません。

糖質を少し食べると余計お腹が空くという不思議な感覚も糖質依存の一症状です。恐らく少しの糖質に対して更なる糖質に備え身体が条件反射を起こし、必要以上のインスリンが分泌されることで血糖値が下がるためお腹が余計空くのだと思います。条件反射によるインスリンの過量分泌こそ糖質依存の本質を表すものです(まだ証明はされていないので、今の所一つの仮説です)

お腹いっぱいだと思ってもお茶漬けや雑炊なら食べることが出来たり、甘い物だと更に食べることが出来るのも糖質依存により脳が騙される結果です。胃袋の大きさからすれば10でお腹いっぱいに感じるはずが、糖質依存により脳が騙されると12・13と食べることが出来るのです。逆に糖質依存から抜け出すと、胃が小さくなると感じるのは糖質依存により脳が騙されなくなるからです。

糖質依存により糖質を食べ始めるとやめられなくなります。タンパク質や脂質ではこのようなことは起こりにくく、糖質だけの特徴のようです。

狭義の糖質依存症と広義の糖質依存症

糖質依存症には糖質そのものが引き起こす狭義の糖質依存症と、糖質を食べ過ぎた結果二次的に症状を引き起こす広義の糖質依存症があります。糖質が直接関連するのが狭義の糖質依存症、間接的に関連するのが広義の糖質依存症です。

狭義の糖質依存症

糖質依存により糖質を食べ過ぎたことで直接健康を害するものを狭義の糖質依存症と定義します。肥満や2型糖尿病が狭義の糖質依存症に該当します。

肥満は糖質を食べ過ぎた結果、使い切れなくなった糖質を脂肪として蓄えます。他の動物と同様に、本来なら人間にも太らない仕組みが備わっているはずです。一定量食べると満腹で食べ過ぎることが出来ないのです。その仕組みをすり抜けてしまうのが糖質依存の心理です。脳が糖質に騙されて食べ過ぎている状態です。ちょうど甘い物は別腹という別腹こそが、糖質依存症で脳が糖質に騙されて、満腹感をおさえて過剰摂取してしまうのです。

2型糖尿病は血糖値が下がらなくなってしまう病気ですが、そもそも糖質を食べなければ血糖値は上昇しないのです。糖質依存による頻回の糖質の過剰摂取により、膵臓から分泌されるインスリンに反応しにくくなるか、インスリンが出なくなるため血糖値が下がらなくなります。糖質を食べなければ、血糖値が上昇しないので2型糖尿病にはなり得ないのです。紛らわしいのは、同じ量の糖質でも症状の出る人と出ない人がいることです。そのため糖質が原因ではなく、体質だと誤解されたのです。どの程度まで耐えることが出来るかは遺伝性のある体質ですが、そもそも糖質を食べ過ぎなければ2型糖尿病を発症することはなさそうです。

広義の糖質依存症

広義の糖質依存症とは糖質依存により糖質を食べ過ぎた結果引き起こされる病気全てを指します。まだ因果関係は証明されてはいませんが、糖質を控えることで治る病気は全て糖質依存症なのかもしれません。免疫が関わる原因不明の病気は全て糖質依存症の可能性が考えられるのです。糖質が厄介なのは食べ過ぎた結果、人によって免疫不全も過剰免疫の両方を引き起こすことです。

各種アレルギーは恐らく糖質依存症でしょう。糖質回避により簡単に治る自己免疫性疾患も糖質依存症の一種だと思います。そもそも私は各種アレルギーと自己免疫性疾患は同一の病態だと思います。ニキビイボなどの慢性感染症も糖質回避で治りますので、糖質依存症の一種だと思います。これらは改善例があるので間違いないと思います。

まだ仮説の域を出ませんが、悪性疾患も糖質依存症の可能性が考えられるのです。慢性感染症は糖質により狭い範囲の免疫不全を引き起こされた結果であるのは間違いなさそうです。であれば悪性腫瘍に対する免疫不全が起こったため、悪性腫瘍を免疫で抑えきれなくなり発症した可能性が考えられるのです。悪性腫瘍が出来てしまった場合、完全糖質回避を試してみる価値はあふと私は思います。少なくともウイルス感染により引き起こされる子宮頸癌は、糖質回避によりウイルス感染対策が出来る可能性があります。子宮頸癌の検診で異形成でお悩みでしたら、糖質回避がお勧めです。これまでのデータでは1日1食は糖質を食べても2食は糖質を食べなければ、改善が期待出来ます。糖尿病で内服治療中や、肝臓病、腎臓病などでタンパク質制限がなければお試し頂ければ幸いです。上記治療中でしたら主治医の先生と相談されることをお勧めします。

広義の糖質依存症には高血圧も含まれます。高血圧は塩分の摂り過ぎにより発症します。2型糖尿病が糖質を食べなければ発症しないように、高血圧は塩分を全く摂らなければ発症しない可能性があります。とはいえ塩分は味付けだけでなく食材そのものにも含まれているので、完全にゼロには出来ません。しかし味付けをせずに食材を食べるようにすれば、恐らく高血圧は治ると思います。現実に味付け無しで食事出来るかどうかは別問題ですが、理屈の上では成り立ちそうです。塩分は糖質を摂る際に身体が求めます。糖質の持つ甘みを打ち消す目的で塩気を求めるのです。糖質依存により糖質を食べ過ぎる際に、甘味を打ち消す塩分を摂り過ぎた結果塩分依存を発症します。特に高血圧は塩分依存症なのかもしれません。糖質依存と塩分依存の共依存により発症しているのです。糖質回避をすることで糖質依存だけでなく、塩分依存から抜け出すことが出来るので、塩分を身体が求めなくなります。味覚が変化するのです。

知らないだけでまだ他にも糖質依存症は沢山あるのかもしれません。もしかしたら糖質依存症かもしれないという視点で病気をみてみましょう。少なくとも原因不明だとされている病気は、糖質回避で治るかどうか試してみる価値はあると思います。特に病気に何らかの免疫が関わっていれば糖質依存症の可能性は十分あると思います。もし私を信じて頂けるのであればお試しください。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。