お笑い芸人さんの適正を考えてみると、瞬間的に笑いのとれる一言を選ぶことができるかどうかだということは以前書きました。考えに考え抜いたネタで勝負することができるネタは、時間をかけて一言を選べばよいのです。一発屋と言われる芸人達はお笑いの要素を何時間も考えた結果を凝集したネタで笑いを誘うのです。そのネタが人々のツボにはまれば一発屋として売れることができるのです。何時間も突き詰めた結果の一つのネタなのです。
総合司会(MC)を務めることができるお笑い芸人さんに共通しているのは、瞬時の一言の選択のようです。一瞬一瞬で一発屋のネタのようなものを次々生み出していける能力が備わっているのです(参考:人が笑う理由 お笑いの心理学)
今回ある流行っている料理人の方と話をしていて気づいたことがあったので書いてみます。
料理人になろうと考えている人には役立つ情報だと思います。
当然のことながら流行る料理人の適正どころか、私には料理人の適正すら全くありません。
料理人は新しい料理を考え付く必要があります。
最低限求められる能力は、食べたものを再現できるかどうかです。
レシピを見て再現するのでは素人です。チェーン店で働くことはできると思います。
レシピなしで食べただけで再現できるかどうかで、再現できなければ料理人には残念ながら向いてはいないでしょう。美味しいお店の真似が出来ないからです。
試行錯誤して何度も試して美味しい味を探しあてるタイプの料理人は一発屋芸人のように、理想の味を偶然探し当てることができると一時的に流行ることがあります。
流行る料理人の条件は味の方程式が解けることです。
私にはまったくない能力なのですが、もしかしたらそんな能力のある人がいるだろうなと考えていました。偶然流行っている料理人の人と話す機会があったので聞いてみたところ、予想通りその能力を持っておられました。
頭で味の足し算、引き算ができるそうです。
食材を見て、これとあれとそれを足したらこの味になると考えて頭の味で再現できる能力があるそうです念のために実際に作った際に味見をしてもほとんど味はぶれないそうです。
味の方程式を解ける人には当たり前の能力ですが、能力を持ち合わせていない人には全く理解できない能力です。だから味の方程式を解ける人は話をしていると能力を持ち合わせているかどうかはすぐにわかるそうです。そこでどのくらい味の方程式を解ける人がいるのか聞いてみると実際に味の方程式を解くことのできる料理人は数十人~100人に1人程度かな?と言っておられました。統計を取った訳ではなく、あくまでも主観でお答えいただきました。料理人の中でこの頻度なので、世間一般ではかなり少ない稀有な能力なのかもしれません。
ちょうど味の方程式が解けるのは、音楽家でいう絶対音感のようなものなのかもしれません。
絶対音感という比較的わかりやすい能力とは異なるので、知らない人は知りませんが味の方程式を解ける人が料理人になると流行ることができるのだと思います。
実際には料理人が流行るためには経営手法もあるため、味の方程式が解けるだけで流行るとは限りません。経営手法は後で身につけることができるので、味の方程式が解ける能力を持ち合わせている人は料理人になることを考えても良いと私は思います。