結果論の欠点

結果論とは結果が全てという考え方です。

極論すると一か八かの勝負・賭けをして勝った人が一番という考え方ですから、再現性がなく偶然でも結果が全てという考え方です。
一発勝負で二度と同じことを再現する必要がない場合には有効ですが、企業活動など継続が期待されることにおいてはもったいない考え方だと思います。

結果論の欠点

結果論の欠点は結果に固執してしまい、経過を振り返る機会を奪ってしまうことです。
結果に捉われてしまうと表現しても良いと思います。成功すれば正解、失敗すれば不正解という考え方に行きつきます。正解の欠点を見返す人は少なく思います。そして結果論を唱える人は不正解は失敗だから得るものがないとして切り捨てる判断をしがちです。

結果論の考え方をしているうちは、何をしても結果が正解だと、途中経過に問題があってもすべて正解だと誤解してしまいます。失敗すれば結果が全てで、途中経過全てが否定されてしまいます。

結果論の最大の欠点は結果の再現性が問われないということです。
偶然でも結果がよければ評価され、偶発的な事柄による結果でも失敗してしまえば評価されないことです。

企業の結果が利益だという誤解

企業で利益を追い求め結果論で判断すると、何をしようとも利益を生み出せば経営は正解だと誤解してしまうことです。途中でお客さんに不都合なことを押し付けたり、取引先に無理を言っても、利益を生み出すためだから全て許されると考えてしまうのです。そして利益が出ているのだから、正解だと誤解してしまうのです。お客さんに多少は不都合なことがあっても、本当に不都合なことであればお客さんが離れるはずだから、利益が出ていることが経営の正解で、不都合はないはずだと誤解してしまうのです。
そもそも利益が出ている間は企業の方針は正解をもらっているわけだから、問題があることなど想像がつかない企業もあるようです。お客さんの不都合に目を向けることもありません。お客さんにとっての不都合が爆発すると某ハンバーガーチェーンが最たる例だと思います。

利益は企業の為ならず

の考え方であれば、結果はお客さんの満足だとわかるのですが、残念ながらそのことに気付いている企業は私は数えるほどしかしりません。

結果の前の準備が大切

賢い人は賭けをせず確実に勝つ方法を探します。もっと賢い人は勝負にすらしません。用意周到に準備し、周りを寄せ付けず勝負になるまでもなく、ただ成功するのです。

賢い人の結果はどちらも成功であり同じです。同じですが、一旦勝負になれば偶然負けることもあり得ます。そもそも相手がいなければ勝負にもならず、成功するのです。

負ける可能性があるのと無いのが同じとは乱暴な考え方です。確か孫氏の兵法にもあったと思います。戦わずして勝つ。戦って勝つ。結果は勝ちですが、価値は全く違うと思います。

結果が同じでも経過をより良いものにした方が、更に飛躍できます。

従来の結果論では結果に満足してしまい、結果が良ければ思考停止してしまうので、結果から得るものが無いので私はもったいないと思います。

アナログ思考とデジタル思考

アナログ思考とデジタル思考という分類を考えました。
何もアナログが古くてデジタルが新しいとか、アナログが遅くてデジタルが進んでいると表現したわけではありません。
思考方法の明らかな違いを表している言葉ではないかと思います。
というのがアナログとデジタルというのは明確な違いがあります。
アナログは境界が明確ではなく全てが連続していることを意味し、デジタルは境界が明瞭で一つ一つが非連続です。

どうやら人によりアナログ思考とデジタル思考の2種類の思考方法があるようです。
以前はアナログ思考が文系、デジタル思考が理系と考えていましたが、必ずしもそうとは限らないようです。

アナログ思考とデジタル思考でどちらが優れているとは一概にはいえません。
芸術などの感性ではアナログ思考の方が有利かもしれません。
芸術家の頭の中をのぞいたことがありませんので、明確にはわかりませんが様々なことの境界が不明瞭で連続的な考え方をしているのではないかと思います。
アナログ思考の方は明確な境界が自分でもわからないので、物事を言葉で人に伝えることが苦手な傾向があります。
物事の境界を自分でも明確にはわからないため、人にうまく伝えられないからです。
人には伝えられないけれども自分にはわかるというのがアナログ思考の人の特徴かもしれません。
明確に言葉に変換するのは苦手でも、絵や音楽など連続した表現が得意です。

アナログ思考では思考が連続なため、変化がどこで区切るかわかりにくく、物事を変化させるきっかけを捉えにくい傾向があります。
そのため物事を論理的に考えることが苦手な傾向があります。全く別の物事の関係も連続的に捉えようとする傾向があり、理解するのに時間を要する傾向にあります。論理も連続的に考える傾向があるため、非連続の論理展開は苦手な傾向があります。
自分がアナログ思考型だと思われた場合、人への説明される場合は物事の境界を意識するようにされると説明がわかりやすくなると思います。

人に説明するのは圧倒的にデジタル思考をする人が有利です。
何故ならデジタル思考の場合境界が明瞭なため、2つの物事をはっきりと区別して理解しているからです。
境界からこちらはAであちらはBという具合に説明するため、聞いている人が理解しやすい傾向があります。
そしてデジタル思考の場合、AがBに変わるきっかけも理解しているため、どうすればBになるのかも人に容易に説明できます。
その理屈を組み合わせることで、物事を論理的に理解することができます。
論理は言葉で伝えることができるので、人に考えていることを説明できます。

私自身の脳は完全デジタル思考なのでアナログ思考に関しては、恐らくアナログ思考だろうと思う方のことから想像して書いています。間違いがあるかもしれませんがご了承ください。

話が噛み合わない場合、デジタル思考の人とアナログ思考の人がお互いが同じ思考だと思い込んでいて、やり取りが噛み合わないのかもしれません。

アナログ思考とデジタル思考の話は今後掘り下げていきたいと思います。

直感的・感情的思考と論理的思考もご覧ください。

直感的・感情的思考と論理的思考

思考方法には直感的・感情的思考と論理的思考があります。

直感的・感情的思考

直感的・感情的思考は即座に答えが出せる利点がある反面、様々な要因によって状況が変わるため再現性に乏しく、人に説明し理解してもらうことが困難です。理由を求められても何となくとしか答えられません。

論理的思考

一方論理的思考は状況が同じなら同じ理屈に辿り着くため再現性が保たれ、論理的に説明できるので人に説明することも容易で理解してもらえる可能性が高まります。理由を求められても詳しく説明することができます。

直感的・感情的思考は動物的で、人と考え方を正確には共有しにくいため人との議論や意見交換には不向きです。成功したカリスマ経営者の中に直感的・感情的思考をする人がいます。考え方を伝えるのが苦手なことが多く、周囲の人達は意図や目的・真意を読み取ることに苦労するようです。
論理的思考は思考過程・考える途中経過・判断理由を人に説明できるので、考え方を共有しやすく人間的で話し合いに向いています。思考過程に問題や検討不足があれば、周囲の人達が修正することができるので直感的・感情的思考よりも成功する確率が高くなります。

思考方法の区別にアナログ思考とデジタル思考という思考方法も提唱しています。