安いから買うという勘違い

安いから買う人がいます。偉そうに書いていますが、私もその一人でした。何故そのように考えてしまったか今ならわかるので書いてみます。理屈は衝動買いの心理と同じです。

本来買い物は必要だから相応なお金を払って買うものです。

買い物の判断は必要か必要ではないかが基準のはずですが、バーゲンで安くなるとある錯覚が起こります。

ある錯覚とは安いか安くないか。損か得かが判断基準になってしまいます。必要なものが安くなっているならお得ですが、必要かどうかはあまり問題とせず安いから買わないと損をしてしまうという錯覚が起きています。本来必要ないものが安くなっても得もしませんし、ましてや買わないからといって損もしません。しかし元の値段が基準になってしまい、安く買わないと損だという錯覚に陥るのです。

バーゲンはその錯覚を利用した販売方法です。

何も違法なことをしている訳ではありませんが、別の角度から考えてみます。バーゲン価格が本来の値段で正規価格として高い値段での販売は利益を上乗せしていただけのことです。バーゲンがお得なのではなく、正規が損なのかもしれません。

つい陥ってしまう安いから買う。これは理性と衝動のせめぎ合いの良い例だと思います。安いから欲しいという衝動と必要なものかどうかを見極める理性とのせめぎ合いです。

実際には正規価格と安くなった価格でお得、今買わないとなくなるという焦りが判断を狂わせます。

10分間待って、本当に必要かどうかを考えてみましょう。

理性と衝動のせめぎ合い

人には理性と衝動の両方が備わっています。理性は人間的で衝動は動物的と言えるかもしれません。人が短時間で心変わりする理由は衝動で決めたことが、理性で冷静に振り返ると判断が間違いだったと気付くことに由来するようです。

理性

理性とは物事を論理的に考え損か得かで判断することです。いくらやりたいことや欲しいものであっても、法律上の問題や誰かが嫌な思いをするなどの倫理的な問題などを考えて踏み止まることが出来るのは理性のおかげです。やりたいことである衝動を抑えるブレーキのようなものといえるかも知れません。
冷静に後あとのことまで考えて損か得かを判断できるのは理性のおかげです。
この理性のおかげで人類は発展することができました。

また理性が働くので人はお互い嫌な思いをすることなく生活することができます。
人間が多くの人と社会生活を送ることができるのも理性のおかげなのでです。

衝動

衝動とは人を突き動かす様々な欲求の源です。人はこの衝動がなければ何も行動をしたいとは思いません。事実欲求を生み出す脳の部位を損傷してしまうと、無気力になってしまうそうです。衝動はやる気や欲求を起こすアクセルのようなものです。
今では衝動が様々な欲求を生み出してしまうので理性で抑えるのが大変で厄介者のような印象ですが、この衝動のおかげで太古の昔の食糧難の時代を乗り切ることができたのです。

衝動買いの心理

衝動には実は問題があります。脳が自分自身を騙すようにドーパミンを大量に放出するため欲求を増大させてしまうのです。本来のやりたさよりも遥かに大きな欲求として脳が感じてしまうのです。太古の昔にはこの欲求の増大が生き残りには大変役に立ちました。食べ物を見つけたものの手に入れるには危険を伴います。その危険と食べ物の手に入れたさを比べるのが理性です。この理性だけだと安全を優先して食べ物を手に入れることができません。食料の確保が難しい時代にはこれでは飢え死にしてしまいます。そこで脳は自分自身を騙す方法を手に入れたのです。食べ物を実際より以上に魅力的に見せるのです。理性で考えるとやめておくことでも、脳が自分自身を騙すことで衝動を生み出し、理性に打ち勝ち食べ物を手に入れる行動に仕向けるのです。
太古の昔には食料を手に入れるために必要な脳の能力でしたが、その名残として残っているのが衝動買いの心理状態です。

人間には理性が備わったのでなかなか行動しないため、一度欲しいものがあるこ衝動のスイッチを入れて何とかして手に入れたほうが生存競争に有利だった名残が、衝動買いの心理として残っているのです。
衝動買いをする人は何度でも衝動買いを行いますし、理性的な人は衝動買いをほとんどすることがありません。

依存の心理

様々なことで喜びを得ることができるように脳は設計されています。
その喜びを何度も繰り返し得ようとすると危険信号です。
喜びに慣れてしまって、欲求が増大するようになると依存状態になっているのかもしれません。
衝動買いの心理を繰り返して、欲求が増大するのが依存と言い換えても良いのかもしれません。

食糧難の時代には役立った衝動も、魅力にあふれる現代では抑えるのが大変です。
理性を身に着け上手に衝動と付き合うことが大切なようです。

衝動買いのメカニズムとその対策

ついつい勢いで買ってしまう衝動買いですが、そのメカニズムを考えてみます。

生残りのための仕組み

衝動買いのメカニズムは、元々は生き残りのための仕組みでした。
欲しいものを実際よりも魅力的に感じる錯覚させる仕組みが原因のようです。

大昔の人類を思い浮かべてみてください。
川の向こう岸に美味しそうな果物を見つけました。
溺れるかもしれないので泳いで渡るか躊躇しています。
脳は無理してでも食べた方が生き残りに有利なため、自分自身を騙します。
美味しそうな果物を見た目以上に大きく魅力的に感じる魔法をかけるのです。
(一種の錯覚、勘違い。自己暗示のようなものだと思ってください)
大きな果物で食べないといけない・食べるしかないと思うようになってしまうのです。
そこで川に飛び込んで果物を食べることに成功します。
川に飛び込まない人類の子孫は食糧不足により死に絶えました。
私たちはこのようにして、川の向こうの果物を食べることの出来た人類の子孫なのです。食糧難の時代には役立ったこの仕組みが、物が簡単に手に入る今の私たちを苦しめます。

衝動買いのメカニズム

同じことが衝動買いでも起こります。
一目見て欲しくなります。頭の中で魅力が駆け巡ります。
どんどん魅力が増大するドーパミンの魔法がかかります
冷静な判断は無理です。
何しろ昔は溺れるかもしれない程の命がけでも、川を渡るほどの魔法なのですから。
財布の中身が減るということはあるものの、命を危険にさらすことなくほしいものを手に入れるのです。
結果として何故買ったかわからないものが家にいくつもある状態に陥るのです。
ちなみに様々な依存では、この魔法の繰り返しが起こってしまうのです。
一度欲求が膨らんで手に入れたものや経験は、忘れられません。
そして一度経験したことは慣れてしまうので、同じ喜び・ドーパミンを得るために欲求がエスカレートしてしまうのです。

衝動買いの対策

欲しいものを魅力的に見せつけるドーパミンの魔法がかかるのは約10分です。
10分間我慢して乗り切ると、魔法が解けます。
ただし10分間ほしいものを眺めて考え続けていると、脳に魔法をかけるドーパミンが減りはしますが、出続けるのでお勧めしません。
考えてはいけないと打ち消そうとすることが、脳にとって一番ストレスになるそうです
10分間他のことを考えるか、他の売り場に行くことをお勧めします。
それでもほしければ衝動買いではないのかもしれません。
別の対処法は、買ったものの具体的な使用法を想像してみることです。冷静に値段に見合った価値があるか検討してみるのです。
実は買い物がしたいだけで、物がほしいわけではないかもしれないのです。

参考文献:
脳内麻薬 快楽物質ドーパミンの正体
スタンフォードの自分を変える教室

自分を騙す?依存のメカニズム

一時期の私は糖質に対する依存の診断基準を完全に満たしていました。
自分が太っていたのは依存なんだと知ると非常に衝撃を受けました。
昨年11月に本を読んでいて気づきました。

そこで依存症について考えてみました。
自分自身が依存に陥ったことを振り返ってみると、ゲーム、パチンコやアルコール、外食や電気製品の買い物など様々です。
幸い日常生活に支障をきたすほどの病的な依存ではありませんでした。
学生時代は依存という概念自体知りませんでしたし、依存しているなどと思いもしませんでした。ただ楽しいから行動しているだけだと思っていました。今考えるといつからか、やらないといけないという強迫観念に追いまわされていたと思います。
その時は自分自身で気づくことはできませんでした。

働き出してからアルコールに対して依存しているか自分で疑ったことはありますが、仕事の合間に飲み始めるほどではなかったため違うだろうと楽観的に自己判断していました。今当時の自分のことを診断基準に照らし合わせるとアルコール依存だったことがわかります。幸い私は仕事に支障をきたすほどの病的な依存にまでは陥りませんでしたが、仕事に支障をきたすほどだと入院の適応なのかもしれません。
他のことははまっているだけで依存だとは思いもしませんでした。
ただ楽しんでいるだけだと思っていました。一度はまると一つことにのめり込むなとは思っていましたが、今振り返るとゲームもパチンコも買い物や外食も依存状態でした。

依存が引き起こされる理由

何故依存は起こるのでしょうか?
自分が陥ったので反省を込めて、最近得た『知恵』を使って振り返ってみました。
元々依存にいたるメカニズムでは、欲しいものを実際よりもより魅力的に感じる仕組みが原因のようです。
大昔の人類を思い浮かべてみてください。
川の向こう岸に美味しそうな果物を見つけました。
溺れるかもしれないので泳いで渡るか躊躇しています。
脳は無理してでも食べた方がお腹いっぱいになれるため、自分自身を騙します。
美味しそうな果物を見た目以上に大きく魅力的に感じる魔法をかけるのです。
(一種の錯覚、勘違い。自己暗示のようなものだと思ってください)
大きな果物で食べないといけない・食べるしかないと思うようになってしまうのです。
そこで川に飛び込んで果物を食べることに成功します。
私たちはこのようにして、川の向こうの果物を食べることの出来た人類の子孫なのです。

衝動買いのメカニズム

同じことが衝動買いでも起こります。
一目見て欲しくなります。
頭の中で魅力が駆け巡ります。
どんどん魅力が増大するドーパミンの魔法がかかります
冷静な判断は無理です。
何しろ昔は溺れるかもしれない程の命がけでも、川を渡るほどの魔法なのですから。
結果として何故買ったかわからないものが家にいくつもある状態に陥るのです。
依存ではこの魔法の繰り返しが起こってしまうのです。
一度欲求が膨らんで手に入れたものや経験は、忘れられません。
そして一度経験したことは慣れてしまうので、同じ喜び・ドーパミンを得るために欲求がエスカレートしてしまうのです。
ゲームではやればやるほど難しく設定されており、上手にクリアできると達成感を味わうことができます。その達成感を味わった後で更に難しいものに挑戦したい欲求にかられてしまいます。この達成感という御褒美を元に、更にゲームをやりたいという欲求を生み出し、脳がその欲求を快楽物質であるドーパミンが大量放出され欲求を肥大化させるます。この大量放出されたドーパミンの欲求に抗うことが出来る人などいないのではないかと思います。
ゲームにはまっていましたが、はまるという現象は今振り返れば依存だったのだと思います。
パチンコも同じです。
パチンコはお金を得ることもありますが、大半が失うことになります。冷静に考えれば誰にでもわかることですが、
今振り返ればわくわくするドーパミンを放出する仕掛けがあちこちに散りばめてあります。
冷静に考えればただの娯楽なのですが、やらないといけないと自分自身で思い込んでしまう強迫観念にかられるのも自分自身の脳が騙しているのだと思います。

依存の対策

対策としては依存のメカニズムと脳の働きと錯覚を理解し、やらないと気が済まないのは脳が騙されているからだと認識して、別のことをするように気をそらします。
スイッチを切り替えることができる方法をさがします
今ならゲームやパチンコをしても脳が騙されるだけであり、時間がつぶれる以外得るものがないので最初からしないのが一番だと理解しています。
気分転換という意味はあるとは思います。
一度はまってしまっているとすれば、10分我慢すれば欲求が減るらしいので10分をやり過ごすために、気を紛らわせる方法を探します。
依存の理屈の詳しい話は参考文献:スタンフォード自分を変える教室をご参照ください。