糖質回避で肥満や糖尿病が改善しない場合を考えてみました。
タンパク質・脂質・糖質のうち、血糖値を上げるのは糖質だけなので理論上は糖質回避で糖尿病は改善するはずです。太る理由も糖質依存による過剰摂取が原因だと思いますので、理論上でいえば肥満も改善するはずです。
改善しない場合は何が考えられるか検討してみました。
前提条件が間違っている?
前提条件とは血糖値を上げるのは糖質だけということと、糖質依存による過剰摂取という二つです。
糖質を完全に回避しても糖尿病・肥満が改善しないとすれば、この前提条件に間違いがある可能性が考えられます。多くの人は改善するので前提条件に間違いはないとは思いますが、改善しない人は何らかの原因ですり抜けてしまうのかもしれません。
本来人間の体では血糖値を上げるのは糖質だけのはずですが、何らかの理由でブドウ糖をつくり出す仕組みがしまったのだと思います。ブドウ糖を作り出す仕組みを考えてみました。
一つの仮説
- 通常は消化できない食物繊維を消化できる腸内細菌が生着しており(草食動物には生着しているので、いわば草食動物の腸内が再現されているイメージです)、食物繊維からブドウ糖を作り出すことができるのではないか?
- タンパク質や脂質をブドウ糖に変換できる腸内細菌が生着しており(そんな細菌が存在するかどうかは知りません)、タンパク質や脂質から血糖値を上げることができる。(通常は低血糖にならないと、ブドウ糖は作り出しません)
- 身体の血糖値の設定値がズレてしまい、設定値を下回ると身体が低血糖と勘違いしてタンパク質からブドウ糖を作り出してしまいます。
1.であれば草食動物のように野菜から栄養を効率的に取り込むことが出来る最も進化した人類なのかも知れません。糖質と共に食物繊維も避けることで改善するかも知れません。
2.であれば食べる総量を減らすか食物繊維を多く食べることで血糖値の急激な上昇を抑えるしか対策が思いつきません。
確認方法は持続血糖値測定を行い、お肉だけ食べて血糖値が上がらなければ1.ですし、お肉だけで血糖値が上がれば2.だと考えられます。いずれも糖質回避では血糖値が上がるので糖尿病や肥満を引き起こす原因となり得ます。
3.の確認方法は持続血糖値測定を行い、食事と血糖値の関係の確認と糖質回避で血糖値が変動するかどうかの確認です。これだと糖尿病が改善しない原因の説明にはなりますが、肥満には関係がないのかもしれません。
仮説の根拠
肥満の患者さんの腸内細菌をマウスに注入することで、肥満が再現されたこと。
本当かどうかはわかりませんが、青汁だけで生きている人がいるとテレビで見たことがあります。これを本当だと仮定すると食物繊維を栄養として使えるとしか考えられないからです。人間が消化できない食物繊維を栄養として吸収しているのであれば、自前で消化酵素を獲得したと考えるよりは腸内細菌に働きによると考える方が無理が無く合理的だと思います。
腸内細菌は偶然腸内に住み着き身体に影響を与えるのだと思います。
腸内細菌説の仮説の先
人間は自ら作り出すことの出来るビタミンは限られていますが、もしかしたら腸内細菌が知らない間に作り出せる人がいるのかも知れません。
そう考えた根拠は同じものを食べても脚気を発症する人と発症しない人がいたことです。腸内細菌がビタミンを作り出してくれる人は脚気を発症せず、作り出すことの出来ない人が脚気を発症したのかも知れません。