日本の高校生は他国と比較して自分に自信が持てない人が多いという調査結果が国立青少年教育振興機構より出されています。以前書いたように、何らかの比較をしてはじめて認識することが出来ます。高校生は自信を持てないといっても比較しなければ、当たり前過ぎて疑問にも思うことが出来ないのは、以前書いた通りです。
何故日本人は自信が持てないのでしょうか?
私は学校で減点法で評価された結果だと思います。100点を基準とし、何点足らないかをはかる試験を繰り返されることで如何に未完成かを突き付けられたことに起因すると思います。特に偏差値を持ち込んで高校を序列化した受験を乗り越えた高校生の調査だからこそ、自信を無くしている結果が出るのだと思います。
減点法での評価と偏差値での序列化の結果、日本の高校生は自信が持てなくなってしまうのだと思います。減点法だけであれば自分の未熟さを痛感するだけで、自信を失うことは無いと思います。人と比較して劣っていることを知ってしまった結果、自信を失ってしまうのではないかと思います。最大限の努力を引き出すために競うことに意味はありますが、競うことで自信を失くしてやる気を削ぎ落としてしまうのはもったいないことです。
まるで楽しむためにはじめたスポーツで勝負にこだわりすぎて、自信を失くしてスポーツ自体を苦痛に感じているようなものです。
自信を失う元となる減点法と偏差値ですが、元々は勉強の記憶と理解度をはかり、相対的に評価することが目的です。
本来であれば勉強を理解出来ているかどうかをはかるだけで良いはずですが、相対的に評価するためにわざわざ差がつくように問題を調整するのです。一定のレベルをこえると差が付かないから減点法で減点出来る部分を探し出して、無理矢理差を付けて評価するのです。
加点法でも評価は出来るはずですが、評価する側の負担が大きくなり過ぎるため評価する側の都合で減点法で評価しています。減点法の問題の質により、減点する度合いが異なるため、偏差値という考え方が導入されました。これも評価する側の都合です。
評価する側の都合によって評価されてしまった結果、自分に自信を持てない高校生を増やしてしまったのではないかと思います。
そろそろ100点満点のテストでの減点法による評価をやめ、加点法での評価をはじめる学校が出てきても良いのではないかと思います。
例えばこの公式を使う問題を作りなさい。という出題された問題を解くというスタイルではなく、発想次第で無限に広がる公式を使った問題を考えなさいという出題をすれば、もしかしたら学校の先生達をこえるような才能を見出すことが出来るかもしれません。
あと何年すれば日本の教育が、減点法と偏差値の呪縛から解き放たれるのか個人的に興味があります。全体には広がらなくても、呪縛から抜け出した最初の1校がいつになったらあらわれるか楽しみです。私が生きている間には一つくらい減点法や偏差値にとらわれない学校があらわれるといいですね。