日本の人や物が世界で信頼される理由

日本の人や物が世界で信頼されています。かつて日本製は信頼出来ない物の代名詞だった時代もあったようですが、今では世界トップクラスの信頼を表すブランドになっています。日本で売れたということが、日本の市場に受け入れられたというブランドにすらなりつつある程の信頼感があるようです。今回ふと思いついた日本の人と物が世界で信頼されている理由を考えてみました。

当然日本人全てが信頼出来る良い人な訳ではありませんが、成功している日本人の多くが共通した考え方をしていると思います。相手のことを思い遣ることが出来るということです。

日本の人や物が世界で信頼されるのは、買った後のことも考えて物を売るからだと思います。日本人は人と長年に渡りより良い関係を築くことを目的として商売をしています。日本は歴史的にみると政治体制が長年安定し、人々が同じ場所で生活することが多かったのです。多くは農家で農業に従事していましたので、引っ越すことが出来なかったのです。商売人もわざわざ引っ越す必要が無かったので長年同じ場所で商売するのが基本でした。粗悪品を騙して売ったとしても長くは続けられません。長く商売するつもりなら、相手のためにもなる商売をするのです。買った後で相手が後悔すると信用を失い、例え利益が出たとしても良しとしないのです。そのため買ってもらった後でわかった不具合も、後悔させないために出来るだけの対応をするのです。あらかじめ不具合を生じないようにするのはもちろん、不具合がわかれば改善策を考えます。相手が困ることを避けるためです。未知の不具合にも備えるために、どうしても価格が高くなってしまいます。高い価格は信用代のようなものです。

一方国の体制が何度も変わり、隣人が何度も変わるのが前提の国々では日本人のような発想は理解できません。騙された方が知恵が足らない分、間抜けだと思われるのです。お金と物を交換した時点で終わりです。不具合が後で分かっても、買う時点で見抜けなかった買い手の落ち度だと考えるようです。苦情を言ったとしても納得してお金を支払ったのだから、筋違いだとされるようです。連絡先のわからない露天や行商人、訪問販売での一度きりの商売のような関係性です。

わかりやすく言えば、日本人は後々のことを考えて落ち度なく万全な商品を売るのに対して、他国は安くする分お金を受け取った時点で終わり、売った切りです。何度も購入する商品であれば、次から購入しなければ良いのですが、船や列車など長年使うものはこの違いを良く理解しておくべきです。そして理解されているからこそ日本の人や物が世界で信頼されているのだと思います。

日本人にとっては当たり前の相手の信頼を得ることを、無駄だと考える人々がいることを知っておくと商品の売り方が変わると思います。信頼に対する考え方の違いが理解されないと製品の価格だけで判断されてしまうことになります。

全ての元になるのが、日本人は「和」を大切に考えているからだと思います。周りの人達と仲良くすることを島国の中で長年かけて培った日本人にとって何より大切なのは、お互いより良い関係を築くことです。だから日本語は相手の顔色によって語尾を変えることが出来るのです。日本語の仕組みは諍いを避ける目的に、語尾によって簡単に意味を反対に出来るのです。外国人から日本語が曖昧だと言われるのは、日本語の言葉をそのまま翻訳するからです。日本語の言い回しを翻訳するから曖昧に聞こえるだけで、日本人同士ははっきりと意思の疎通がはかれています。翻訳の齟齬により曖昧な印象をなだけです。

私は日本の人や物が世界で信頼されているのは、「和」を輸出しているからではないかと思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。