良く物事を考える際に原因をおい求めることがあります。
原因論
原因とはある結果に対して過去を振り返ることです。過去を客観的に振り返ることには意味がありますが、通常人は自分の責任を追及されたくないので、責任逃れのそれらしい言い訳を考えます。それらしい言い訳を原因だと誤解して議論することになるので、論点がズレてしまいます。ズレた原因の解決策を見つけ出しても、本当の原因とは異なる言い訳なので、次の言い訳を探してしまうことになります。原因を追及しても解決策がうまく見つからないのはそのためです。ちなみに人間の作り出した機械に対しては原因論は抜群の効果を発揮します。全て人間が目的を持って作り出した物だからです。うまく機械が動かなければ、どこかに原因があるからです。機械は再現性が高いので原因を特定し、修正が容易なのです。
人間に対しては原因論は無意味です。何故なら人の行動はその時その時に置かれた状況で簡単に変わってしまうからです。人間の心理まで正確に再現することは困難なのです。
原因論が無意味なのは、責任逃れのため本当の原因を隠す傾向があることと、再現性が乏しいのです。しかもタイムマシンはないので過去にこだわっても、何も生み出しません。
目的論
目的論は人の行動には必ず目的があるという考え方です。本人が自覚しているか自覚していないか、意識しているか無意識のうちかは別にして必ず目的を持って行動するのです(参考:アドラーの心理学)。その目的をすり合わせるのです。目的に沿っていれば行動し、目的に沿っていなければ行動しないのです。目的論に従えば、未来を見据えた行動をとることが出来るようにならます。原因論であればそれらしい言い訳を考えることが出来ても、目的論では言い訳のしようがありません。それらしい目的を言ってしまえばそれらしい目的に沿った行動を取らざるを得なくなるので、いい加減なことが言えなくなるのです。
大切なのは過去か未来か?
原因論では過去のことを議論するので、タイムマシンがないので結局仕方ないという結論になりがちです。しかし目的論では未来の行動の仕方を議論するので、言い逃れが出来ないのです。大切なのは過去でしょうか?未来でしょうか?私は未来だと思います。何故なら過去は変えられないからです。過去にはこだわらず、未来への参考にするべきです。過去を言い訳にして未来の行動を制限するのはもったいない話です。
未来を切り拓くために目的論を取り入れましょう。
そして絶えず行動の目的を考えみるようにしてみましょう。自分の行動の目的も他人の行動の目的も考えてみると、これまでとは違った景色が見えてくるかもしれません。