嘘は少し賢いお猿さんでもつくことが出来ます。少し賢いお猿さんのつく嘘とは、敵が来たと警告音を発するのです。騙された周りの仲間が逃げ出した間に、餌を独り占めするのです。お猿さんは嘘を見抜くことが出来ないためか、仲間は責めたりしないそうです(参考:現実を生きるサル、空想を語る人)。言い換えるとお猿さんの中で最も進化した知恵のあるお猿さんが嘘をつくことが出来るようです。嘘をつくのが一番の知恵者なので、周りのお猿さんは嘘を見抜くことが出来ないのです。
少し賢いお猿さんが嘘をつくことが出来るのですから人間が嘘をつくのは仕方のないことなのかもしれません。しかし人間は嘘をつくことはいけないこととして考えられています。嘘をつくことで損をする仕組みになっているのです。嘘がわかってしまうと損をするので多くの人は嘘をつくことが少ないのです。
人間は物事を論理的に考えることが出来るため嘘に気付くことが出来ます。先程の嘘の警告音で仲間を追い払ったのに、残って餌を独り占めしているとおかしいと気付くのです。もし警告音が本当なら一番に逃げ出さなければ辻褄が合いません。そのように考えることで嘘を見抜くことが出来るのです。
お猿さんは最も進化し知恵のあるものが嘘をつくのですが、人間では進化した者は嘘をつかなくなり、最も進化し知恵のある者は嘘を見抜くことが出来るのです。お猿さんでは知恵者の証である嘘が人間では愚か者の証なのは面白いと私は思います。
もしかしたら嘘つきは、後先を考えることの苦手なお猿さんに近いのかもしれません。
ちなみにお猿さんでもつける嘘ですが、人間の赤ちゃんも嘘をつくことが出来ます。赤ちゃんの嘘とは嘘泣きです。本気泣きだと涙を流して要求を訴えますが、嘘泣きはとりあえず声を出して気を引こうとするのです。来てくれるとラッキーくらいの軽い気持ちで声を出しています。良かったら赤ちゃんを嘘を見抜く視点で観察してあげてみてください。
人間は赤ちゃんの頃には嘘をつきますが、知恵をつけると共に嘘をつかなくなるのです。それは嘘をつくとかえって損をするという知恵を身につけるからです。親が教えてくれることもありますが、嘘が発覚することで信用を無くし、嫌でも思い知ることもあるようです。