ルール・決まり・法律の出来た理由

現代社会はルール・決まり・法律により社会生活が守られています。これらは何故あるのでしょうか?その理由と目的を考えてみます。

そもそもルール・決まり・法律が無くても、みんなが人の嫌がることをしないという考えで秩序を保つことが出来ていれば何の問題もありません。しかし現実には思いやりのある人だけではなく、自分勝手な人など様々な考え方をする人達がいるため、ルール・決まり・法律が出来たのです。
誰も盗み取ることが無ければ、盗んではいけませんというルールは出来ませんし、誰も人を殺さなければ殺してはいけないという法律もないはずです。

人類が木から下りて大地を歩き始めた頃には、法律はもちろん明確なルールや決まりなどは無かったはずです。盗ったもの勝ちのお猿さんの世界と同じで秩序がない状態です。人々が離れて暮らす狩猟採集生活の場合にはそれ程問題にはなりませんでした。

宗教が秩序を作った

人間は農耕という知恵を習得したため発展することが出来ましたが、集団生活をすることを余儀無くされました。何故ならかつての農耕は人手が必要だつたのです。同時に畑を耕して種蒔きをし、同時に刈り取りをする必要があったのです。多くの人々がいつも一緒に生活をする中で、盗ったもの勝ちでは都合が悪くなりました。そこでルールが出来たのです。盗ったものは相手にしない、ルールを守る人とだけ相手にするようになったのです。まだ人々が文字を持たない時代には、口伝えでルールが広まりました。ルールに従う証に神や仏を信じるようになったのです。つまり宗教が生きる上でのルール・指針となったのです。宗教のおかげでお猿さんの世界にヒトとしての秩序をもたらせたと言っても過言ではありません。

宗教の目的

同じ宗教を信じているもの同士は同じ考え方・常識を共有出来るので、価値観が似通うため共同生活が楽に行えます。逆に違う宗教同士だと、考え方・常識が異なるため、共通する価値観が見出せないためお互い相手にしないようにしたはずです。元々はお互いが仲良く秩序立てて生活するために宗教が生まれたのです。宗教が死後の世界を説くことが多いのは信者を集めるための手段です。誰も見たことのない死後の世界を引き換えに信教を迫るのです。貴方はまだ知らない死後の世界を教えてあげるから、我が宗教を信じてくださいと布教するのです。この死後の世界観の方が有名になってしまったため、本来の宗教の目的である皆が仲良く暮らすという価値観が薄れてしまったのです。

宗教の決まりを守らなければ、死後に罰を受けることになると考えられるようになったのです。死後の世界を人質に現世で決まりを守るように促したのです。世の中のことが良くわかっていなかった時代には、宗教の世界が全てだったので上手く秩序を作ってくれていました。

単純な社会生活で成り立つ時代には、宗教があれば十分でした。しかし社会生活が複雑化するにつれて、宗教の考え方だけでは判断出来ないことが出てきました。同じ宗教によって国が成り立てば、問題ありませんが、異なる宗教同士が一緒に生活するようになると明文化されたルールが必要になりました。何故ならはっきりとした決まりが無いから、やったもの勝ちになってしまうからです。

国の出現

人類の歴史の上で農耕の結果、富という概念が生まれました。力ずくで奪おうとする輩が出てきたため、武力という概念が生まれました。奪われないためにお互いが協力して守る概念が生まれ、国が出来ました。国に秩序を作るために法律が出来たのです。皆に守るように求め、守らなければ罰を与えるのです。法である決まりを律である罰をもって守らせるのです。

 ルール・決まり・法律の出来た理由

ルールや決まり・法律は守らない輩が出現した時点で明文化されたのです。暗黙の了解でみんなが守っていることは、ルールや決まり・法律にする必要が無いのです。マナーと言われる言わば常識が明文化されていないのは、みんなが暗黙の了解で当たり前に守るからです。マナーが乱れマナーを守らない輩が増えてしまえばルールや決まり・法律になるのです。

逆に言えば守らない輩が出現した時点でルールや決まり・法律が作られるのです。少しずつ変えながら継ぎ足し継ぎ足し変えていますが、そろそろ仕組みそのものを変える頃合いかもしれません。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。