人はミスを隠そうとしてしまいます。その理由はミスを人から怒られたり責められたりするからです。ミスを隠そうとする目的は、怒られることや責められることを避けることです。逆に責められることがなければ、隠そうとはしません。
ミスを隠すと更に深刻なミスを防ぐことが出来ません。だから深刻なミスを未然に防ぐためにミスを分析する必要があります。小さなミスから深刻なミスを防ぐ目的で行われるのが、医療業界におけるヒヤリハットという考え方です。ヒヤリとしたりハットするような経験から、ミスをする隙を無くすために自己申告する仕組みです。更に深刻なミスを防ぐ目的なので個人を怒ったり責めたりしないことが特徴です。怒ったり責めたりすると無意識のうちに隠そうとしてしまうからです。
ミスを隠そうとすることを責める人がいますが、二重の意味で勿体無いと私は思います。責めるから隠そうとするのです。責めたところで一度起こったミスは取り返しはつかないのです。つまり責めても無意味です。無意味な上に、わざわざ隠されるのを暴かなければいけませんから二重の意味で勿体無いのです。故意にしたことであれば、再度同じような行動をさせないために責める意味はあるかもしれません。しかしミスであれば責めても無意味です。
責めている限りミスを隠そうとするのは仕方ないことです。目的が懲罰を与えることであれば責めるのも仕方がありませんが、再発防止を目的としているのであれば責めないことです。責めないこと明確にすると隠そうとはしなくなります。ミスの根本原因を見つけ出し、ミスをする隙を無くす仕組みを考えましょう。