抗生物質を処方しない医者の心理

患者さんと話をしていてわかったことですが、抗生物質を処方しない医者がいるようです。直接話をした訳ではありませんが、その心理を考えてみます。

明らかな細菌感染症であれば抗生物質は有効です。にも関わらず抗生物質を処方しないのは何らかの恐れあるいは目的があるはずです。その心理を考えてみます。

考えられることは二つです。一つは抗生物質を恐れていて処方しない。二つ目は抗生物質が必要ないと考えている。この二つしか考えられません。
(もしかしたら細菌感染症だと理解できないでいるのかもしれませんが・・・)

抗生物質を恐れて処方しないのは、何らかの副作用で困ったことがあったのかもしれません。恐れているのであれば処方しないことは仕方がありません。なかなか治りが悪ければ他院を受診する方が良いのかもしれません。

抗生物質が必要ないと考えているのは、治らなくても良いと考えているからだと思います。命に関わる感染症でなければ、抗生物質を使わなくてもいずれは治ります。そういう意味で抗生物質は必要ないと考えているのかもしれません。抗生物質に頼ってはいけないという患者さん教育をする医者もいます。一見患者さんのことを考えているように見えますが、その目的は違います。治さない方が通院回数が増えるため儲かるのです。抗生物質を使えば3・4日で治る病気でも、抗生物質を使わなければ1・2週間かかってしまうことはよくあります。患者さんにとっては3・4日で治る方が良いに決まっていますが、医者によっては3・4日で治ってもらっては困るのです。自分の経営のためにゆっくり治ってほしいのです。

子供には抗生物質を出さない医者もいますが、抗生物質を一定回数以上飲んだ子供の方が体重増加が良かったという報告があります。その論文には体重が増えた根拠は書かれていませんでしたが、私は抗生物質を飲むことで体内の腸内細菌が成長に有利な状態にリセットされるのだと考えています。体重を増やすためにわざわざ抗生物質を飲む必要はないとは思いますが、そのような事実があるのであれば抗生物質を控えることに意味はないと私は思います。

 

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。