営業職と人工知能

あるサイトを見ていると人工知能に置き替わりにくい仕事という内容がありました。
経営者や企画が人工知能に置き替わりにくいとあったことには納得出来る内容でした。
しかし営業職と弁護士が置き替わりにくいとあったことには疑問があります。
先に弁護士のことを書くと、確かに裁判所の法廷に立つのは生身の人間が残ると思います。しかし下調べの過去の判例の検索は既に人工知能が活用されています。法廷に立つことを除くと生身の人間である必然性は乏しくなりそうです。少なくとも今の弁護士の人数は必要無くなるでしょう。

営業職が人工知能に置き替わる可能性が低いとありましたが、営業職の内容で分けてありました。技術系、金融系の営業職は残り、単純な営業は人工知能に置き換わるという内容でした。

私は営業職はほとんど無くなると思います。何故なら情報社会であり、人は欲しい物があれば自分で検索するからです。自分でも気付いていない欲しいものを提案してくれる営業職には価値があります(理想の営業マン)が、偽りの営業マンである説得マンはいらないからです。そして多くの営業マンは実は説得マンに過ぎません。お客さんの要望に合わせるのではなく、説得によりお客さんに合わせてもらうのです。

将来営業マンがいなくなる合理的な理由に書きましたが、営業マンの多くが説得マンなので人々が営業マンと話すこと自体を警戒してしまうのです。営業マンと話すと「衝動買いの心理」を刺激して買うように仕向けるのです。お客さんの必要な物を売るべきですが、売り上げを上げるために欲しいと錯覚させて買わせようとするのです。営業マンが「衝動買いの心理」を刺激して買わせようとすることを知っている人は、営業マンと話すことはしません。時間の無駄だからです。このことを知る人が次第に増えるので、営業マンの仕事は減ってしまうでしょう。

現時点で製薬会社の営業マンであるMRさんは減りつつあります。リストラを勧めています。これまで人海戦術で医者に処方をお願いしていましたが、営業により処方内容が変わることが患者さんの不利益につながるので営業を控える製薬会社が出てきました。患者さんの利益になる情報以外は案内出来なくなるかもしれません。

そもそも薬剤の必要な情報はインターネットで収集することが出来ます。わざわざ処方して欲しい気満々の営業マンからもたらされる情報は、処方して欲しいバイアス(情報の偏り)がかかっています。そのバイアスを取り除いて判断する必要があるので、営業マンと話す際には注意が必要になります。自分の好きな時間に情報収集出来るインターネットにとってかわられてしまうでしょう。

営業マンの顔を立てて買って下さいという説得マンが成り立つのは、長くて5年程度だと思います。その先も営業マンが生き残るためには、相手の欲しい情報を提供出来るようにすることです。特にお客さんがわざわざ検索する程ではなくても興味があることを、検索無しで即座に提供出来る営業マンは生き残ることが出来ると私は思います。話の内容から検索したいことを類推する能力を手に入れることが営業マンとして生き残る手段だと私は思います。そのためには専門分野にとらわれない幅広い知識を身につけるしか無いのかもしれません。

医者も余るし歯科医も余る時代、営業マンも仕事は減らそうです。今の子供達はどんな時代を生きることになるのでしょう。不安では有りますが、楽しみでもある未来がすぐそこまできています。

営業マンを信用して買っていた時代

かつては営業マンを信用して買っていた時代がありました。少し大袈裟に言えば昭和の営業と言えるのかも知れません。
当時は情報が乏しかったので、判断を信頼できる営業マンに任せていたのです。そして営業マンに求められていたのは、如何に売り上げを上げるかです。信用してもらうことが出来れば買ってもらえるので、営業マンの仕事は信用してもらうことでした。営業マンには話が上手な人が多かったのはこのような理由からでした。

情報を得ることが苦手な人は今でも営業マンに頼るかも知れませんが、簡単に必要な情報が手に入るようになればなるほど営業マンの存在する価値は下がります。例えば薬の営業マンであるMRさんは、インターネットにとって代わられつつあります。何故なら医者が欲しい情報は好きな時間にインターネットで探すことが出来るからです。更にインターネットだと薬を使って下さいという説得マンとしての煩わしい営業トークを聞かされることがありません。MRさんは自分達の都合で訪れますが、インターネットは医者の都合でアクセスできます。どっちが医者にとって都合が良いかは明らかです。

他の例えであれば、車の営業マンの話を考えてみましょう。車の性能や乗り心地・価格など様々な違いがあるため比較・検討するのが素人には難しい一面がありました。しかし現在ではインターネットで車の性能を比較することは容易です。少なくともカタログにある内容は家にいながら確認することが出来ます。以前のようにカタログをもらうために販売店を訪れ営業マンと話す必要がなくなりました。

自分で情報を整理して理解出来る人にとっては、わざわざ判断を迷わせるあるいは説得されるかもしれない営業マンと話す必要が無くなったのです。しかも最近では情報を整理してくれるサイトまであるので、理解が容易になりつつあります。

情報を整理して理解することの出来ない人は、今でも営業マンに自分の必要な情報を整理してもらう必要があります。しかしスマホのおかげで既に整理された情報を手軽に手に入れることが出来るようになってきています。スマホが広まれば広まる程営業マンの需要が減っていると私は思います。

今五十代の営業マンは自分を信用して買ってもらっていた昭和の営業全盛だったと思います。会社によっては定年で逃げ切れるかも知れませんが、会社によってはインターネットにとって代わられてリストラにあうかも知れません。営業マンにとって大変な時代ですね。しかしまだ過渡期なので、これから変化がドンドン加速すると思います。

少なくとも相手の代わりに考えてあげることの出来る人以外は生き残ることは難しいでしょう。この言葉の意味がわかる人は生き残ることが出来るかも知れませんが、この言葉の意味が理解出来ないようであれば生き残ることは難しいかも知れません。相手の代わりに考えてあげるという意味を考えてみて下さい。

営業の極意 目的を明確にする

営業の極意として理想の営業を考えてみます。
営業マンの中には世間話から話し始めて、打ち解けた頃に本題に入る人が未だにいます。世間話から始めるのは、本題が余程言い出しにくいことなのか、ストレートに話をすると話を聞いてもらえないからなのかも知れません。

世間話から話をするのはお互いの時間の無駄です。世間話は友達か近所の人達と情報交換のために行えば良いのです。

世間話から話し始める目的は、本来の目的である自分の売りたい欲求を隠すためです。その隠れ蓑として世間話をするのです。だから余計時間の無駄なのです。売りたい欲求を隠してまで話をしようとするのは、説得マンの証拠だと思います。相手が求めていないものでも説得して売りつけようとするのです。その意味でも時間の無駄です。無理をしてでも売ることを求める会社は説得会社なのが知れません。

営業の極意は営業の目的を明確にすることです。何を売りたいのか、何を売っているのか明確にすることです。そんなことを最近から言うと売れないと言う人もいますが、それは日頃から本来得るべき相手ではない人を説得して売りつけているからです。説得ではなく営業で売るのであれば、相手が求めているものを売るべきです。営業の目的を明確にして、相手が求めていなければ売り込まないことです。相手が求めていなければそもそもお客さんではないのです。お客さんではない相手に必死で売り込むから説得になるし、なかなか営業成績が上がらないのです。

営業の極意としてまずすべきことは誰が必要としてくれるのかを考えることです。どんな人なら買ってくれる可能性が高いかを考えるのです。話を聞いてくれる人に売り込もうとするから説得が始まるのです。

例えば営業する際に、アポイントを取る場合、用件を伝えることです。相手が求めていなければ断られるでしょうし、相手が興味を持ってもらえれば積極的に会ってもらえるからです。用件を伝えてあって相手に興味があれば、前もってネット検索などで予備知識を仕入れているかも知れません。そうなれば会った際に伝える内容はかなり省略出来ます。逆に相手に興味が無いことを延々話をしてもお互い時間の無駄なので、面会そのものが成立しないことは合理的だと思います。

電話で用件を聞いても誤魔化す営業マンはまず間違いなく説得マンです。用件を誤魔化すくらいですから商品についても誤魔化す可能性があります。最初からまともに相手にしないことが無難です。

営業マンがいなくなる日

営業マンは色々な意味で仕事が減っています。中でも営業マンがいなくなるという考え方を提案してみます。仕事そのものが減るだけでなく、説得マンに成り下がる場合と宣伝マンに昇格することで営業マンがいなくなることを考えてみます。

理想の営業マン

営業マンの仕事は会社の商品を売ることです。売るものは品物であったりサービスであったり様々です。仕事が減っているのは、インターネットが代わりに商品を売ってくれるからです。

理想の営業マンは相手が欲しいものを売ることです。相手が欲しいものが他社製品であれば仕方ありません。最初からお客さんではない人に声をかけてしまっただけです。ただ相手がまだ知らなかった他社製品が適切であるという情報を提供出来たことを喜ぶのです。

営業マンから説得マンに

営業マンは売り上げにより仕事が評価されるので、必死に売り込みます。営業マン本来の仕事は相手の欲しいものを売ることですが、目先の売り上げを求められるため説得マンに成り下がってしまうのです。本来であればお客さんが欲しいものを提供するべきですが、売り上げが欲しいため、興味のあるお客さんを説得してしまうのです。相手を欲しい気にさせることが仕事だと錯覚しているのです。相手の欲しいものと売っているものが重なれば買ってもらえますが、重ならないのに売り上げのために説得を始めるのが説得マンです。営業マンが説得マンになってしまうので、営業マンがいなくなってしまうのです。

とにかく売り上げを上げることを求める会社は、営業マンを会社から送り出しているのではありません。説得マンを送り出しているのです。

ものが売れるのは営業マン次第だと誤解しているのです。ものが売れるのはもの次第です。だから良いものを作ることよりも、売ることに重点を置いてしまうのかもしれません。

私は時間を無駄にしたく無いので、説得マンは相手にしないことにしています。そもそも会わないようにしています。どんな説得をされても、必要が無い限り買うことは無いからです。逆に必要があれば説得などなくても買うからです。

営業マンから宣伝マンに

理想の営業マンの行動を求める会社は売り上げを評価の対象から外しました。ある製薬会社では現実に成績での評価をやめ、行動評価をはじめたそうです。売り上げばかり求められていたため、行動での評価されることに戸惑いもあるようです。現場で戸惑うのは自分が営業マンではなくなった自覚がないからなのです。

行動が評価されるようになるのは、自社のものを売ることが目的ではないからです。相手が欲しいものを売ることが目的であるため、自社のものを説明することで相手が欲しいものか確認してもらうことが仕事なのです。

相手に自分の売るものを宣伝することが仕事です。売れるかどうかは相手が欲しいと思ってくれるかどうかにかかっているのです。宣伝の仕方である行動が評価されるのです。

あくまでもものが売れるかどうかはもの次第です。売れないのは営業マンの問題ではありません。売っているものの問題だと考えるのです。

相手の欲しいものを売るという営業マンの理想に近づけば近づくほど、宣伝マンになります。この意味でも営業マンはいなくなります。

会社に利益をもたらす宣伝マンになるために

会社は営利企業なので利益が無ければ成り立ちません。決して利益を目的にする訳ではありませんが、運転資金として利益を確保する必要があるのです。利益は企業の為ならずという諺を提唱しています。会社のためにならない宣伝をしても意味がありません。

宣伝する相手は選ぶ必要があります。幼稚園児に大学入試の参考書は売れませんし、運転免許のない人に車は売れません。車を買うつもりの人であっても、軽自動車を買うつもりの人に、超高級外車の宣伝をしてもお互い時間の無駄です。相手のニーズと売りたいものとを照らし合わせ、重なる部分が無ければお互いの時間の無駄です。重なる部分が無いのに売り込むと説得マンになってしまいます。

営業マンがいなくなる日

私はもしかしたら既に営業マンはいないのでは無いかと思います。売り上げでしか評価されない営業マンは既に説得マンで、行動だけで評価されるようになった営業マンは宣伝マンだからです。

既に営業マンとは言葉だけで、説得マンと宣伝マンに分かれているのかもしれません。営業が仕事だという人の多くは、今は売り上げを求められていると思います。しかし自分が説得マンか宣伝マンのどちらのタイプに近いか考えてみてください。

説得マンを送り出す説得会社

ある営業マンの人と話をしていて驚いたことがあります。会社の方針でとにかく営業をかけろという指令が出ているそうです。営業成績が悪いと営業の仕方が悪いとして上司から責められるそうです。かと言って具体的には営業の仕方は教えてもらえないそうです。営業成績は上げなさい。その方法は自分で考えなさいという方針のようです。上司の方は本来なら営業の仕方を具体的に教えてあげることが仕事ではないかと私は思います。責め立てただけで営業成績が上がるのであれば苦労はしません。責め立てられた営業マンは説得マンになって会社から送り出されます。相手を説得して商品を購入してもらおうとします。一度や二度なら説得に応じてくれる人もいるかもしませんが、長続きする訳がありません。

その会社の方針で驚いたのが、とにかく新規に営業をかけるように説得マンを送り出すそうです。相手が求めていようと求めていなくてもとにかく営業するように言われるそうです。正に説得して営業成績をあげる説得マンの行動です。

相手が求めていなければ新規で商品を買ってくれる可能性はありません。相手が興味を持ってくれて初めて営業する意味があるはずです。商品の良さを知ってもらえれば買ってくれるはずというのは売る側の勝手な思い込みです。商品の良さを知ってもらうことと、説得することを混同して売り込む営業マンもいます。買う可能性が全くない相手に営業をかけるのはお互いに時間の無駄です。

魚がいないのに網を下す漁師

相手が求めていないものを面会して売り歩くのは、まるで魚がいない漁場で網を下している漁師のようなものです。

営業マンは新規に営業しなければ売れないから、相手が興味がなくても仕方ないと考えているのかもしれません。誰に売り込むべきか先に考えるべき(どこに魚がいるか)ですが、とにかく営業をかける(とにかく網を下す)という効率の悪い方法をとっているのです。下手をすれば海の魚を捕ろうしているのに湖に網を下す的はずれなことをしているかもしれないのです。そこまで極端ではなくても、瀬戸内海でいるはずもないマグロを追いかけているのかもしれません。同じ海だからいるはずだとしてとにか網を下しているのかもしれません。魚を捕ろうと考えるならば、まず一番にすることは捕ろうとする魚の生態を知り、どこで網を下すのが一番かを考えるべきです。

普通の漁は

漁師さんからすれば網を下さなければ決して魚が獲れることはないと考えることに似ています。しかし魚がいないところに何度網を下しても、決して魚が獲れることはありません。何故なら魚がいないのですから当たり前です。そこで漁師さん達は海鳥などをヒントに経験と勘を頼りにして魚のいるところに網を下すのです。当然魚のいるところに網を下すのですが、外れることもありますので最近では魚群探知機を使って確実に効率良く網を下して魚を捕まえます。

漁師さんは魚がいる可能性が低いとわかっていてわざわざ網を下すことはしないはずです。何故なら網を下すお金と時間が惜しいからです。少しでも魚がいる可能性の高いところで網を下すはずです。

しかし説得マンを送り出す説得会社は、闇雲に網を下すように誰彼構わず説得します。聞かされる方は元から興味がないのに…と思いながら聞きますし、説得する方はこれだけ説得しているのに良さがわからないんだと考えるのです。客観的に第三者の視点から見るとお互いが時間を無駄にしていることがわかります。

効率的な営業

私の考える効率的な営業は、漁師さん達が海鳥や魚群探知機を使って魚がいる可能性の高いところを探すような営業です。

つまり自社商品を買ってくれそうな人を探すのです。決して手当たり次第に説得したりはしません。

例えば車の営業マンの場合、2人乗りのスポーツカーを得ることを想定してみてください。どこに買ってくれそうな人がいるかを考えるのが、魚がいそうな漁場を探すことになります。2人乗りのスポーツカーを家族連れに売り込もうとしても時間の無駄でしょう。会社がセカンドカーとしての市場を想定していたとしても、現実に2人乗りのスポーツカーを買ってくれる可能性があるのは独身の人でしょう。もしくは子育ての終わった中高年の方かもしれません。家族連れを狙って説得しても徒労に終わるでしょう。逆にミニバンを売るのであれば、家族連れに売り込むのが効果的です。

営業マンは営業するのであれば、闇雲に営業(説得)するのではなく、前もって誰に得るのかが一番重要だと思います。

そして会社がまず誰に得るのが一番効率的かを絞り込むべきです。会社としてどこに網を下すのが効果的かを考えて、社員を指導するのが本来の上司の役目だと私は思います。

説得会社の行く末

説得マンを送り出す説得会社が成り立つのは、まだまだ説得するという無駄なことをする余裕がある会社なのだと思います。これだけ情報が行き渡り始めると説得会社の存続は近い将来危うくなると私は思います。

21世紀に未だ説得マンを平気で送り出す説得会社があるのに驚いたため書いてみました。実は業績の芳しくない企業は営業と称して説得して回っているから、業績が上がらないのかもしれません。

営業マンの勘違い まず当たり障りのない話から

営業マンの勘違いについては以前書いた通りです。良いか悪いかではなく、会社から給料をもらうので商品を売って当たり前だと考えています。会社の同僚も上司も同じように考えているので、勘違いに気づくことはありません。だから営業マンならぬ説得マンが増えるのです。そして説得を受ける側は嫌になって営業マンとは話をしなくなります。

今回は営業マンがまずはじめる当たり障りのない話についてです。営業の話をする前に挨拶に続いてする話です。天気であったりニュースであったりです。結局営業マンが営業の話をいきなりでは話にくいので、雰囲気を作って話し始めようとするようです。話を聞く側からすれば、貴重な時間を天気やニュースの話をするのは無駄なことでしかありません。以前のように新聞・テレビ・ラジオでしか情報を得ることが難しかった時代ならいざ知らず、もし自分で知りたければネットで3秒で得られる情報をわざわざ時代を割いて話されても煩わしいばかりです。

驚いたのは2・3年前ですが、ある企業が社内研修でヤフーニュースと天気予報から話のきっかけを作りましょうとわざわざ伝えていたことです。今時そんなに情報に飢えている人がいるのかと驚きました。

前近代的な営業マンの心得から、時代の流れに乗り遅れているようです。

そして勘違いとは営業マンにとっては世間話も仕事かもしれませんが、聞く側は貴重な時間を奪われている時間の無駄でしかないのです。その勘違いをまだ知らない営業マンもいるようです。

営業マンが話しやすいことから話て本題である営業の話をするのは、「衝動買いの心理」をつくためです。良さそうなものだと錯覚させて買ってもらうために使うテクニックです。錯覚させて買ってもらうつもりがなければ、いきなり本題から話すべきです。そして時間が許せば世間話をすれば良いのです。

私は時間を無駄にしないために、基本的にまず本題を聞きます。そして時間が許せば世間話をします。世間話からする人は本題に入っても途中で打ち切ります。次からは本題から話してもらうためです。

営業マンの勘違い

営業マンの多くは自社商品を売ることが仕事だと勘違いしています。自社の商品を売ることで給料をもらうのですから一見当たり前のようにも思います。
歩合制の営業マンであればその思いは顕著かもしれません。
少しでも相手が興味を持ってくれれば必死でアピールします。売ることが仕事だと思い込んでいるので、いかに相手に欲しいと思わせるかが勝負だと勘違いしています。そして無意識のうちに「衝動買いの心理」を巧みに操って買う気にさせるのです。確かにそのやり方で売り上げは上がるとは思います。しかし所詮「衝動買いの心理」が買わせた衝動買いです。我に返ったときに失望感に襲われ、結局損をしたという印象を残します。

やり手であればやり手な営業マンである程、話さえさせてもらえれば売る自信を持っています。やり手とは欲しい気にさせるだけで、本当にその人にとって有用かは問われませんでした。営業マンの勘違いとは、自社製品を売ることだと考えることです。だから営業ではなく、欲しい気になるように説得をしてしまうのです。それでも営業マンに頼らざるを得なかったのは、営業マンと消費者の持っている情報に大きな隔たりがあったからです。営業マンから情報をもらうしか情報を得る手段がないため、この関係が成り立ちました。

これからは違います。何故なら情報が簡単に手に入るからです。

営業マンが活躍したのは、かつては商品の全ての情報を消費者が得ることが困難だったからです。商品の情報を得るために営業マンから聞くしか他に選択肢がなかったからです。今では多くの情報がインターネットから得ることが出来ます。全ての情報がインターネットにある訳ではありませんが、商品を売ることを考えているのにもかかわらずインターネットに情報を載せていないのは合理的ではありません。何らかの隠したい不都合なことが潜んでいる可能性が考えられます。

更にインターネットが破壊力があるのは、消費者の使い心地まで知ることが出来ることです。説得マンの説得を聞くよりもはるかに有用な情報をもたらせてくれます。

これまでは営業マンが小売店を回って商品を扱ってもらい、消費者に小売店から売ってもらうビジネスモデルも破綻に向かいつつあります。何故ならメーカーが直接消費者にインターネットを使って販売するようになりつつあります。このことを一つとっても、営業マンが必要なくなりつつあることがわかります。そしてメーカーは小売店を通して消費者に物を売ることを避ける傾向があります。以前は小売店の立場を考慮していましたが、今後は消費者と直接やり取りするので、小売店はいらないと販売しつつあります。小売店に遠慮する必要がないと考えるようになりつつあるのです。その証拠に小売店への卸値でインターネットで直接消費者に販売するのです。メーカーに入るお金は同じで、消費者のためにはなりますが、小売店に売り込む営業マンは要らなくなってしまいます。

小売店としても「衝動買いの心理」を使って説得される恐れのある営業マンを相手にするよりも、インターネットから仕入れるようになるのではないでしょうか?

最終的には商品の魅力をインターネットが伝え、直接メーカーが消費者に販売するようになると思います。営業マンという仕事がいつまで成り立つか、考えておく方が良さそうです。

将来営業マンがいなくなる合理的な理由

将来営業マンがいなくなる合理的な理由があります。何故なら消費者が賢くなって営業マンの人件費が捻出出来なくなるからです。
例え良い商品があったとして営業マンから勧められたとしても、説明は聞くものの購入はインターネットで買うからです。今でも営業マンの人件費分高い商品をわざわざ買ってくれる人は少ないのではないでしょうか?
まだインターネットでは売っておらず、営業マンから商品を購入するしかない商品は成り立つかも知れません。しかし法律での規制でもない限り何でもかんでもインターネットで取り引きされる時代です。ということはわざわざ営業マンから買うというスタイルが今のまま残ると考える方が不思議です。
事実家電製品では家電量販店で実物を確認しインターネットでの購入する人がいます。今は営業マンの仕事があってもいずれ無くなると考える方が妥当だと思います。

営業マンがいなくなるもう一つの理由が営業マンに課せられたノルマです。そのノルマを達成するために営業マンが説得マンに成り替わるのです。この説得マンが営業マンのイメージを悪化させます。一時の営業成績のために説得して商品を売り付けるのです。根負けするか「衝動買いの心理」によりつい買ってしまうのです。言葉巧みに買うように誘導されてしまうので、営業マンを避け自分の好きなように買うことの出来るインターネットでの購入を選択します。「衝動買いの心理」に惑わされることなく自分の意思で買う上に安いのですから、営業マンからわざわざ買う理屈はありません。

そして今起こっていることで凄いのは、営業マンが小売店を回って販売してもらっていたある商品を直接インターネット販売し始めたことです。しかも小売店への卸価格でインターネットで直販するので小売店では商売が成り立たなくなっています。インターネットでの購入に抵抗がある人や、インターネットの方が安いことを知らない人も一定数残っているため商売がかろうじて成り立っています。しかしインターネットの方が便利で安いことに気付いた人から、小売店からインターネットでの購入に流れてしまいます。言わば小売店はお客さんを捕まえてもらう撒き餌で、インターネットで釣り上げるようなものです。小売店と営業マンの役割は終えつつある証拠です。

将来においてもインターネット販売が考えにくい高価な車やマンションなどは最後まで営業マンは残るかも知れません。しかし自動運転が当たり前で電気自動車の時代が来れば、そもそも車を買うという考え方が無くなるかも知れません。好きな時にスマホを操作すれば家まで車が迎えに来てくれて目的地に連れて行ってくれる、無人タクシーのような使い方が主流になる可能性すらあります。利用頻度が高いために購入するとしても、今の電気製品と変わらず自動運転の電気自動車をインターネットによって購入することが当たり前になる時代になるかも知れません。

このように考えると高価な車ですら営業マンがいらなくなるかも知れません。ということはどんな業種の営業マンもいらなくなる可能性があるのです。時代の流れが私が思ったよりも遅ければ、現在40代の営業マンは無事に定年を迎えることが出来るでしょう。私が考えているよりも遥かに早ければ、何歳であっても来月から来なくていいよと言われるかも知れないのです。

営業マンとして物を売る人も営業マンから物を買う人も営業マンの本質に気付き、少しでも物事を考えるようにしましょう。

電話勧誘販売・路上販売・訪問販売の目的

電話勧誘販売や路上販売、訪問販売など話をすることで商品を販売しようとする商法があります。
良い物なら自然に売れるはずです。
インターネットのホームページに情報を掲載していれば売れていく時代です。
会社の規模が小さく配送の手配が難しくても、代理してくれる業者がいくつかあります。
それでも電話での勧誘や路上勧誘、訪問販売など営業マンが話をすることで商品を売るには理由があります。

一言で言えば衝動買いの心理を活用した販売方法であるということです。言葉巧みに相手を欲しい気持ちにさせることが目的です。営業マンと話をしていたら、つい買いたくなっていつの間にか買うことになってしまうのは、この心理を使われてしまうからです。
これだけインターネットが広まった今では、欲しい物は自分でネット検索して買う人が多いでしょう。すぐに買うかどうかは別にしてどのような種類、どのようなレパートリーがあるのかを知るだけでも楽しいものです。様々な情報を好きな時に見ることが出来るのがインターネットの特徴です。そして必要な物を必要な人が買えば良いというスタンスなので、自然体の販売です。
一報電話勧誘販売・路上販売・訪問販売などは少なくとも販売員の人件費分余分な経費がかかっています。その分割高になるはずです。割高になった分話術で欲しい気持ちにさせて販売するのが電話勧誘販売や路上販売、訪問販売などの販売方法です。

この欲しい気持ちにさせるのが販売員の腕の見せ所ですが、そもそも必要なものであればネット検索するはずです。それほど必要はないものであるという前提が成り立ちます。確かに画期的で良いものなのかもしれませんが、そのことを教えてもらってネット検索して似たようなものを探して納得出来れば買うのが正解です。

販売員の目的は物を売ることです。
相手の都合は関係ありません。
話の内容に少しでも興味を示せば延々話をしてきます。そしてその内容は買うように説得する説得マンでしかないのです。
欲しいという衝動買いの心理を巧みに活用して説得してきます。
そして割引は今だけとか、すぐに売り切れるなど決断を迫るように仕向けます。

これらの販売方法に気づいている国は、クーリングオフという制度を設けています。
正に衝動買いを取り消せる法律です。

対策

一番の対策は話をしないことです。
私は説得マンから物を買うつもりが全くないので、お互いの時間を無駄にしないために一切話をしません。
突然訪問する営業マンにはパンフレットと名刺だけ置いて帰ってもらいます。
電話で訪問予約をされる場合もごく希にありますが、訪問の目的を聞いて受けるか受けないかを見極めます。まず受けることはありません。

言葉巧みに他の医師を装って電話口に出させようとする電話販売員もいますが、嘘をついてまで電話する時点で信用が出来る訳がありません。商品にも嘘がある可能性が高いからです。全てシャットアウトします。
どうしても医師を装う場合には、連絡先を聞いてこちらから電話するように伝えます。素直に応じれば電話してみますが、とにかく繋ぐよう求めると怪しいので電話を切るようにしています。

投資用のマンションの勧誘の電話などがよくありましたが、本当に良い投資をわざわざ人に教えるわけがありません。良い投資であっても人に教えた時点で利益が拡散してしまうからです。
ということは投資が目的ではなく販売が目的です。
投資が釣り餌で販売が目的ということです。
本当にマンションで投資をするのであれば中古のマンションの方が利回りが良いので、新築のマンションを勧めることに合理性はありません。

今電話勧誘販売、路上販売、訪問販売などの営業をされている人は、今はまだ仕事があっても、もうじき仕事がなくなると思います。
営業の説明を聞いた時点でネット検索して、最終的に買うのはネットという時代がやってきます。
早い段階での転職を考える方がよいと私は思います。

残念な営業マンは説得マン

飛び込みの営業マンの訪問や電話を頂くことがあります。例えば保険の勧誘であったり、広告の勧誘であったり、その他の医薬品や医療機器の販売です。電話の場合は不動産の勧誘です。用件を受け付けで確認し、売りたいものを聞いてもらいます。相手の売りたい物のカテゴリーが私に必要が無いものであれば、お互いに時間の無駄です。それでも受け付けに食い下がる営業マンがいます。私がお会いしても100%買うことは無いにもかかわらず、会いたい時点で目的が営業では無いように思います。

目的は説得か会うこと自体でしょう。説得とは別段欲しい商品ではなくてもその魅力を伝えることで欲しい気持ちにさせることです。言わば衝動買いをするように説得することが目的です。説得することが目的では無ければ、最初から⚪︎⚪︎の販売の目的にお伺いなりお電話しますと目的を告げて、面会か電話の取り次ぎを求めるはずです。

そういう場合は話術で惑わされるだけでどちらにしても買うことは無い訳ですから、会わないまたは話さないのが一番です。

本当に良いものであれば検討の上こちらからご連絡させて頂きますので、パンフレットをお願いしますと受け付けでお伝えします。これはたまたま自分の知識不足で本当に良いものを逃さない保険のようなものです。当然良いものであれば説得マンの話術に頼らず、商品の魅力で売れるはずですからパンフレットも良いものがあるはずです。そのパンフレットを吟味してから、後日会うかどうか検討しても遅くはないと思います。

このように対応すると、パンフレットも持たずに面会を求める説得マンが多いことには驚かされます。余程トークに自信がある方が飛び込み説得をされるようです。

衝動買いを狙う説得マンが減り、最初から面会の目的を告げる本当の営業マンが増えるといいですね。