はっきりと物を言わない人の心理

はっきりと物を言わない人がいます。

考えられることは二つです。物事を良く理解していないか、理解しているが責任を取りたくないためはっきりと言わないかです。前者ははっきりと言えないのであり、後者ははっきりと言わないのです。

はっきりと言えない人

物事を理解出来ていないためはっきりと言えないのであれば、物事を理解してもらうしかありません。能力的に理解が困難であれば、はっきりとさせることは諦めましょう。

はっきりと言わない人

わざとはっきりと言わない人は意識的にはっきりと物を言わない人と、無意識のうちに責任を逃れるためにはっきりと物を言わない人に分かれます。
意識的にはっきりと物を言わない人は目的をもってはっきりと言わないようにしています。何かを隠したいのか、責任を逃れたいのかはっきりと物を言わない目的は人それぞれです。はっきりとさせたければその目的を踏まえた上で質問を工夫するしかありません。
無意識のうちに責任を逃れるためにはっきりと物を言わない人は、恐らく言い訳人間なのだと思います。はっきりと物を言わない目的が自分は悪くないと言い訳することかもしれません。何事も自分以外のせいにして物事をはっきりとさせない傾向があるのではないかと思います。そして会話のうちに意図を読み取ってもらおうとする話し方が随所に見られます。はっきりとは言わないものの困ったような表情を浮かべ、暗に助け船を求めていたりします。

例えばお金に困っているとしきりと言う割にお金を貸してくれとははっきりと言わない場合などです。自分から貸してくれと言った訳ではないと言い訳するために、自分からは貸して欲しいとは言わないようです。

例えば仕事がはかどらず困っていることをアピールしますが決して手伝って欲しいとは言わないような場合です。はっきりと手伝って欲しいとは言わないものの、暗に手伝って欲しいことを伝えてくるのです。手伝ってくれと言われたから手伝ったとされることを逃れたいのです。頼んでもいないのに手伝おうかと提案されたように装いたいのです。

これは日本人の良いところである相手の意をくみ取ることを逆手に取った振る舞いです。

言い訳人間の物言いに付き合っても得るものはありません。
はっきりと物を言わなければ相手にしないことです。
大変だと言われてもはっきりと助けて欲しいと言われなければ、わざわざこちから助けてあげる必要はありません。はっきりと物を言わない相手の意をくみ取らない方が無難だと思います。
はっきりと物を言わなくても周囲の人達が意をくみ取ることが繰り返されると、成功体験として更に物事をはっきりと言わなくなります。そして何かあっても責任をとろうとしません。何故ならはっきりと物を言っていないからです。

嘘の是非 嘘の善し悪し

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嘘の是非とは嘘の善し悪しのことだと思います、「嘘つきは泥棒のはじまり」という諺もあるくらいですから、一般的に嘘はよくないことというのは常識だと思います。私は嘘で得をすることがあれば全て詐欺罪を適応しても良いのではないかとさえ考えています。しかし「嘘も方便」という諺もあります。方便とは元々仏教用語で仏が悟りへと導くための便宜的方法のようです。転じて相手を納得させるための手法というような意味合いがあるようです。「嘘」が時と場合により否定されたり肯定されたりしています。その違いを区別してみます。

日本人は嘘が好き?

嘘とは真実と異なること全てのことです。日本人特有の「本音と建て前」において本音の真実と異なる建て前は嘘です。実際には嘘が好きな訳ではありません。みんなが出来るだけ仲良くするために編み出した苦肉の策だったのです。日本は隣人同士の入れ替わりの少なかった狭い国土の中で、解決の難しい問題に折り合いをつけるために「本音と建て前」という考え方を使い始めたようです。だから真実ではないことがわかっていながら、波風を立てずやり過ごしてきたのです。

これまでは仕方がない一面もありましたが、21世紀になったのですからそろそろ「本音と建て前」という考え方は終わりにしても良い頃合いかもしれません。

嘘が許される場合

嘘は真実とは異なることが問題です。その嘘により誰かが困ることは良くありません。では嘘が許される場合はどのような場合でしょうか?それは相手のためになる嘘です。相手の利益であったり相手の悩みを解決したり解消するための嘘は、方便だと思います。

かつては癌だと告知しなかったのは方便だったのでは無いかと思います。真実を知りたい人にとっては嘘でしかなかったかもしれませんが。

嘘が許されない場合

相手のためではなく自分の利益・自分のためにつく嘘はどんな場合でも許されることはありません。お猿さん赤ちゃんでも嘘をつくのですから人が嘘をつくのも仕方がないのかもしれませんが、嘘が発覚するとこれまでに積み上げた信用をなくします。

本音と建て前も自分達のためにつく嘘と、解決策のない仕方がないことを説明するための方便とがあるようです。少なくとも自分達のための建て前の無い世の中に早くなって欲しいものですね。

医師不足の原因の一つは説明スキルの問題

医師不足が叫ばれています。
その本質は二つにわかれます。
地方の医療のための医師不足と、都会の経営のための医師不足です。
一般的なイメージとしての医師不足は地方における医師不足です。

病院での待ち時間が長い原因の一つが医師の説明スキルの問題です。
医師が適切な説明をすることが出来れば、外来時間や入院患者さんへの説明の時間を短縮することができます。
残念ながら医師が説明スキルを習得する機会は少なく、現実的には先輩医師から学ぶしかありません。多少は学会などが説明の仕方を講義する機会はあっても各病気の説明の仕方に終始しているように思います。少し前にインフォームドコンセントという概念が生まれ、患者さんにきちんと説明した上で同意してもらうことが前提となりました。インフォームドコンセントが始まった際に現場の医師は説明の仕方を学ぶことなくインフォームドコンセントを患者さんに提供することが求められるようになりました。苦肉の策として医師が個人個人で考えてインフォームドコンセントを行うようになりました。説明スキルの高い医師と説明スキルの低い医師が混在しているのが現状です。そして多くの医師は他の医師の説明スキルの違いを比べる機会がないので、自分の説明スキルが高いのか低いのか知らないまま患者さんに説明しているのです。説明スキルが低くても誰も指摘してくれないので気付くことはできません。説明スキルの高い医師は、患者さんが混乱して悩んでいることを感じ取ると説明の仕方を変えることが出来ます。しかしこれも無意識のうちにやっているので、自分が説明スキルが高いとは思っておらず当たり前だと思っています。

説明スキルの高い・低いが垣間見えるのは、患者さんとトラブルになるかどうかです。説明スキルの低い医者はトラブルになることが多く、説明スキルの高い医師はトラブルになることはほとんどありません。何かと患者さんとトラブルになる医者は説明スキルが低い可能性が高いと思います。

説明と同意という点で、インフォームドコンセントの概念が生まれる以前では医師に従うしか選択肢がなかったものが、説明を受けた上で選択できるという点で患者さんに大きなメリットが生まれました。しかし説明のスキルを身につけないまま、選択肢を提供することを求められた医師は提供の仕方がわからないまま手探りで説明をしています。第三者から見れば回りくどい説明を行ったり、的外れな説明を行ったりしていても、医師自身は自分の説明が適切か不適切か知るすべがないのです。自覚のある医者は患者さんが少しでも早くわかる説明を工夫しますが、自覚のない医者は理解出来ない患者さんの問題だと考えています。初めて聞く患者さんにとっては、何を聞いてもよくわからないまま選択をすることになるので、相手の説明スキルの評価などできません。他の医師の説明を聞くことなく選択を迫られるので、比較のしようがないからです。

医師を評価する仕組みは、学会認定の専門医くらいですが、これは専門知識の有無を評価しただけで説明スキルの評価にはなっていないことが現状です。専門医でも説明の下手な人もいますし、専門医でなくても説明の上手な人がいます。患者さんにとっては、説明のスキルの評価ができないので専門医の有無か口コミで判断しているのが現状です。
医師自身も専門医を取得しているから説明スキルが上手だと錯覚している人もいます。

診察時間が長くなる理由

診察時間のうち診断にかかる時間の長短は知識と経験によって異なります。つまりベテラン医師になればなるほど一般的に診断に要する時間は短い傾向があります。
診察時間のうち説明に要する時間の長短は説明スキルによります。医師の説明が適切でなければ、患者さんが即座に理解できず、どういう意味合いかを患者さんから質問・確認することで診察時間が長くなってしまいます。(参考:診察時間の長い医師と短い医師の違い
具体的な例をあげると、医師は病気の説明をするのですが、専門用語をちりばめて説明することで説明したつもりになっています。治療法も専門用語を使って説明するため、患者さんにとっては外国語か暗号を言われているようなものです。医師にとっては当たり前の専門用語なので、患者さんが言葉を知らないということは微塵も考えることができません。医師は説明したつもりになっていますが、患者さんにとっては外国語か暗号のような初めて聞く専門用語を言われただけで、何もわからない状態に陥ります。何もわからないにも関わらず選択をせまられて、困ってしまうことが多々あります。専門用語が理解できないので、説明自体が理解できるはずもありません。医師は専門用語がわからないから質問したり意味を確認しているとは思いもしないため、会話がかみ合いません。この会話がかみ合わないことで診察時間が長くなってしまうのです。

説明とは相手の知識量に合わせて調整しながら行うべきものですが、医師の中にはそのことを知らない人達が大勢います。
診察時間が長いのに、首をかしげながら診察室を後にする患者さんが多い医師は説明スキルに問題がある場合があります。(患者さんによっては、治ると思い込んで受診し、治らないと言われたため納得できない場合もあります)

相手の知識量が多ければ手短に説明し、相手の知識量が少なければ小学生に説明するような初歩的なことから説明するべきです。このことを理解していない医師が、先に医師になったというだけで先輩風を吹かしているのですから、若い先生が説明上手になることは困難です。今のところ医師が説明上手になる唯一のチャンスは自分で説明が下手かもしれないと疑うことです。そしてどのようにしたら出来るだけ早く相手に理解してもらえるようになるか工夫することです。

どんな仕事でも共通していますが、説明スキルが高い方が有利です。何故なら短時間で必要な情報を伝えることが出来るからです。説明スキルが低ければ、同じ情報を伝えることにより多くの時間がかかってしまいます。

医師によっては患者さんを怒ることで説明を切り上げたりしますが、説明スキルが低いことを隠すための本能のようなものなのかもしれません。
怒る医師を何人も見てきましたが、総じて説明スキルが低かったように思います。恐らく偶然ではないように私は思います。(参考:患者さんを怒る医師の心理を考える

説明スキルに問題があっても自覚できない理由

理由は一言で言えば、医師としか日頃会話をしないからです。
医師とだけ会話をしていると、専門用語は当たり前のことです。
専門用語を知らない人と話す機会がないので、専門用語を知らない人がいることが理解できないのです。そして専門用語を知らない人が想像できないのです。勘違いしている医者になると、専門用語を知らないことを自分より劣っていると見下す人までいるのは困ったものです。それだけ狭い人間関係に収支していることを表しています。
医学知識の無い人と話す機会がないために陥る罠です。

ちょうど方言ばかり使って同じ地方の人と話をしていると、方言が標準語だと錯覚していることに似ていると思います。

説明スキルの簡単なトレーニング法

説明スキルの向上は大切なことなので項を改めて書いても良いかもしれませんが、説明スキルの簡単なトレーニング法を記載しておきます。自分が説明スキルが低いかもしれないと少しでも思われた方は一度考えてみられると良いと思います。

相手がどれだけの知識がわからないことが前提で話が出来るようになるべきです。
全く医学知識のない人にも理解出来るように説明するには、小学生か中学生に説明するレベルで話をできるように準備しておくと良いと思います。
相手を小学生や中学生扱いするという訳ではなく、全く医学の知識のない素人の方にも説明できるようにするという意味合いです。話をしてみて相手の基礎知識が備わっていれば、その分だけ説明の時間を短縮できるので、早く情報伝達をすることができます。

参考

嫉妬する人と嫉妬しない人の違い

嫉妬する人と嫉妬しない人がいます。
一般的に嫉妬は醜い感情とされるため、表立ってする人は少ないかもしれません。
隠してはいても嫉妬する人はいるものです。(参考:嫉妬する人の心理

嫉妬する人と嫉妬しない人の違いはわきまえているかどうかです。わきまえるとは自分自身のことを知り、出過ぎず身の程を知っているということです。
自分のことをわきまえている人は自分のことを客観的に考えることができるため、人との違いを受け入れることができるので嫉妬したりはしません。
自分のことをわきまえていない人は自分のことが理解できないため、相手と同じはずだと考えてしまいます。同じはずなのに扱われ方が違うことを受け入れることが出来ないため、嫉妬という感情が芽生えるのです。

自分と他人との違いを理解していれば嫉妬という感情は生じません。
例えば努力が異なれば結果が異なるのは当たり前のことだからです。
極端な話、鳥が空を飛べることを嫉妬したり、イルカが海を泳げることを嫉妬したりはしません(もし本気で嫉妬する人がいるとすれば、それは心の病かもしれません)。何故なら自分と同じではないことが容易に理解できるため、嫉妬の対象にはなりえないのです。

では人に対して嫉妬することがあるのは何故でしょうか?
それは嫉妬する人は勘違いしているのです。
嫉妬の対象も自分と同じ人間だから同じように扱われるべきだと錯覚しているのです。
例えばこれまでの努力や条件が異なっていても、扱いが違うことが受け入れられないのです。同じ扱いをしてもらえないことに不満があるので嫉妬するのです。扱いが違う理由があっても不当な扱いを受けているように歪んだ解釈をすることで、自分を正当化し同じ扱いをされるべきだと言い訳するのです。そういう意味では言い訳人間が嫉妬するのかもしれません。

嫉妬を口にする人は歪んだ心理状態の可能性があるため、少し距離を置く方が良いのかもしれません。
もし自分の大切な人が嫉妬する人であれば、客観的にわかる明らかな違いを教えてあげてください。嫉妬の対象を自分も同じ扱いを受ける権利があると錯覚していることと、嫉妬の対象は自分とは異なる存在であって嫉妬の対象ではないことを理解させてあげるとよいのかもしれません。

人を混乱させる話し方をする人の特徴

話をしていて話の内容に混乱してしまうことがあります。

その代表的なのは何に対しても言い訳しかしない言い訳人間です。言い訳人間は自分の責任を回避することしか話をしないので、論点がズレていきます。目的が責任回避なので混乱してしまいます。言い訳人間は出来ることなら相手をしないのが一番です。

話し方のトレーニングされていない人も相手を混乱させてしまいます。話し方のトレーニングとは、聞かれたことを答えるだけなのですが、その聞かれたことを答えるという簡単なことが出来ない人がいます。(参考:質問に対して的外れな回答をする人の心理)

聞かれたことを答えることの出来ない理由

言い訳人間は答えたくないのでわざと論点をズラしているだけですが、聞かれたことを答えることの出来ない人がいます。

質問に答えることの出来ない人は、2つに分けることが出来ます。聞かれたことを理解出来ないのか、説明が下手なのです。

質問を理解出来ない

聞かれたことがわからなければわからないと言えば済むことですが、わからないこと自体が理解出来ていないか、プライドが邪魔してわからないと言えないのです。質問の意図や目的が理解出来ないのですが、そのこと自体を理解出来ないので、的外れの答えとなります。

質問が理解出来ないのですから、改めて質問の意図や目的を伝えることで答えてもらえるようになります。

説明が下手な場合

説明が下手な場合、本人は説明しているつもりですが論点がズレているため聞いている人にはよくわかりません。本人は質問に答えているつもりですし、説明していることから感じ取ってもらうことを期待しているのです。一言でまとめて話をすることが苦手なのかもしれません。もしかしたら日頃から親や家族、仲の良い友達としか会話することがないため、その話し方で日常生活は困らないのかもしれません。仕事での会話でこのような話し方をされる方は、周りの方を混乱させると思います。

対策は答えやすい質問に言い換えることです。具体的には選択肢を用意して選んでもらうようにすることです。

論点がズレてしまう点では言い訳人間と同じですが、話し方を知らないだけでわざと論点をズラしている訳ではありませんので聞き方を工夫すると答えてもらえます。

相手のスキルレベルが低いから会話が成立しないといって、怒ったところで時間の無駄です。

世の中には様々な話し方のスキルレベルの人がいます。相手の話し方のスキルレベルに合わせて質問を工夫することで、より短時間で意思の疎通がはかれるように自分の話し方のスキルレベルを上げるようにしましょう。

 

言い訳する人(言い訳人間)の特徴

言い訳する人(言い訳人間)の特徴を考えてみました。
そもそも思考回路が人とは異なります。言い訳人間は何事も言い訳することが前提です。簡単に出来ることならするかもしれませんが、少しでも面倒だと感じるとやらないことを決めます。そこから言い訳を考えるのです。行動しないことを前提に、それらしく聞こえる(周囲の理解を得られる)行動しない理由を探し出します。

言い訳人間の特徴

通常人は出来るか出来ないかを考えて、出来ないのであればその理由を述べます。しかし言い訳人間はやらないことを決めて、言い訳を考えます。言い訳とは出来ない理由ではなく、それらしく聞こえる理由を見つけるだけです。その証拠に、その出来ない根拠とする理由を取り除いても他のそれらしい理由を新たに探し出します。

言い訳人間でなければ出来ない理由を取り除いた時点で出来るはずです。最初からやる気がないから言い訳を思いついた時点で、思考停止しています。言い訳人間でなければ、本当に出来ない理由であれば全て列挙するはずです。言い訳人間にとってはその言い訳のせいで出来ないのです。その言い訳がクリアされる訳がないと思い込んでいるので、言い訳をクリアされてしまうと慌てて次のそれらしい理由を探し出します。

つまり本質的には出来ない理由ではないのです。

言い訳人間に対して言い訳の内容を論破しても無駄です。何故ならやらないことが前提なので、新たに言い訳を探してくるだけだからです。

言い訳人間の対策

話をしていて相手が言い訳人間だと思った場合、対策は簡単です。

出来ない理由ではなく、出来る理由を聞くのです。出来る理由とは、出来るようになる理由のことです。つまりやらないことが前提でその理由を探すのではなく、やることが前提でどのようにすれば出来るようになるのかを考えるのです。今は出来なくても何をクリアすれば出来るようになるのか障害を明確にするのです。

目的が出来ない理由ではなく、どのようにすれば出来るようになるのかを考えるのは言い訳がききません。

やらない理由なんてその気になればいくらでも言い訳が出来ますが、どこがネックになり更にそのネックをクリアするためには何が必要かという出来る理由を明確にすると言い逃れしにくくなります。

良かったらお試しください

医者なら誰でもわかる病院受診のタイミングの提案

医者なら誰でもわかる病院受診のタイミングの提案です。

医者なら誰でもわかるというのは、病気の原因や経過などを知っているからです。しかし医者にとっては当たり前過ぎて、患者さんも当たり前だと思い込んでいます。病状が悪化してから受診して怒る医者がいるのはこのせいです。医者にとって当たり前の経過だから、もっと早いタイミングで受診出来ただろうと思ってしまうのです。

医者によってはとにかく早く来いということを言う人もいますが、それは自分の立場しか考えていないだけのことです。病院を受診しなくても治る状態でも受診した方が良いと言うのと同じで、患者さんの立場を考えていない考え方だと思います。

具体的に受診のタイミングをどのように考えるのが良いでしょうか?

病気は自覚症状があって受診する場合と、検診などで指摘され自覚症状がない状態で受診することがあります。今回の受診のタイミングは自覚症状に関してです。

昨日より今日病気が悪化していれば明日はもっと悪化する

受診のタイミングの判断基準は、一言で表せば自覚症状が改善しているか悪化しているかです。悪化していれば翌日も悪化する可能性が高く、改善していれば翌日も改善する可能性が高いです。このことを多くの医者が知っています。だから医者は病院を受診するタイミングは患者さんも自然にわかると思っているのです。患者さんにとっては出来れば行きたいない場所が病院です。お金がかかるだけではなく、医者から何を言われるか不安ですから出来れば受診したくないのです。だから病院に行くのは出来るだけ後回しにしてしまいます。今日は悪くなったけどもしかしたら明日は改善するかも知れません。そのように期待して先延ばししてしまいます。

受診のタイミングは、昨日よりも今日悪化していれば明日はもっと悪化します。明後日は更に悪化します。悪化の仕方は一直線ではなく、加速度的に悪化するので患者さんとしても慌ててしまいます。加速度的に悪化するのは細菌感染やウイルス感染が原因の場合です。細菌やウイルスが加速度的に増殖することが原因で症状が悪化してしまうのです。加速度的に悪化するとは昨日より今日2倍悪くなったとすると明日は4倍悪化し、明後日は9倍悪化してしまうのです。直線的に悪化するのであれば昨日より今日2倍でも明日は3倍、明後日でも4倍悪化するだけです。加速度的に悪化する可能性があることを理解しておくことをお勧めします(実際には細菌やウイルス感染であっても免疫が加速度的な増殖を抑えてくれるので直線的に悪化することもあります)

いずれにしても昨日より今日悪化していれば、普通は明日はもっと悪化するはずだということです。明日症状が変わらなければ悪化が止まったと判断して様子をみても良いかも知れませんが、悪化していれば速やかに受診する方が良いと思います。何故なら明後日は更に悪化するはずだからです。

受診出来る日に前日より悪化しては受診を検討する

仕事や学校の都合で受診出来る日が決まっていれば、ギリギリまで我慢せず受診出来るタイミングに合わせて早めに判断するとお得です。ギリギリまで我慢して受診すると、どうしても治るまでに時間がかかります。我慢した結果によっては救急病院を受診することになってしまうかもしれません。具体的には受診出来るタイミングが明日か5日後であれば、明日の時点で受診するかどうか判断するのです。明日症状が悪化していれば受診する方がお得です。明日悪化していれば5日後には更にもっと悪化している可能性が高いからです。悪化しているのに受診せず、5日後まで我慢出来ない程悪化しないあるいは改善する方に賭けるのは危険なギャンブルだと私は思います。明日受診しないということは、5日後まで受診しなくてもすむ方に一か八かの勝負に賭けるのと同じです。仮に明日と明後日受診出来るとすれば明日悪化していても、明後日受診出来るので、明日余程悪化していなければもう1日様子をみても良いかも知れません。

受診出来るタイミングで悪化傾向にあるのか症状が変わらなければ、早めに受診しておく方が結果的には病気が軽くて済むので良いと思います。

受診のタイミングを考える一助になればと思います。

勉強を教えるのが下手な人の心理

自分自身の勉強が出来ても教えるのが下手な人がいます。教えるとは相手のわからないことを把握し、相手のわからない部分を説明することです。

説明の下手な人にも共通することですが、教えるのが下手な人は相手のわからないことが理解出来ないのです。相手のわからないこと自体が理解出来ないのですから、相手のわかるように説明出来る訳がないのです。

自分が理解するのと、相手に説明するのとは別物なのはこのことに起因します。つまり相手のことまで考える余裕がある人は上手に教えることが出来ますが、相手のわからないことまで思い至らないと上手に教えることは出来ません。

相手がわからない部分を理解出来る方が教えるのが上手になるため、勉強に苦労して教師になった人の方が教えるのが上手な先生になるのはこのためです。逆に成績優秀だったのに教えてもらってもわかりにくいのは、わからない部分をすっ飛ばして一通り説明されるので理解しにくいのです。

勉強を教える際には相手のわからない部分を確認して、その部分を中心に教えてあげるようにしてみると良いかも知れません。

アレルギー検査の目的は医者の売り上げでは?

血液検査で血液中のIgEの値を測定するアレルギー検査という検査があります。
テレビでアレルギーの原因を特定しましたという具合に取り上げるので、症状もないのに検査することが当たり前だと誤解されていることもよくあります。

アレルギー検査してわかることは血液中にアレルギーを起こすかもしれない免疫が存在するということです。IgEの値が高ければ必ずアレルギーを起こすわけではありませんし、逆に値が低ければアレルギーがないと言い切れるわけでもありません。
更にダニ・ホコリやスギ・ヒノキにアレルギーがあることがわかったところで避けることができないのであればどれだけの意味があるのでしょうか?
本来であればそのことまで考えて検査をするはずですが、結果だけ伝えて解釈の仕方・対処法を伝えない医者が多いようです。

検査で何かわかったら対策があるのですか?と質問してみましょう。
対策がないのにただ検査をするのは、探求心を満たすという意味以外は、医者の売り上げを上げる意味しかありません。
検査でわかったことで何か変わるのであれば意味があります。
例えばエビ・カニなどを食べると蕁麻疹が出る気がするが、本当だろうか?とか、リンゴや桃などを食べると症状があるため口腔アレルギー症候群が疑われるが、他の食べ物は大丈夫だろうか?という場合には結果により食べるのを避けることができるので意味があります。

対策がないのであれば知らぬが仏という諺通り、検査しないのが一番だと私は思います。

患者さんとしてアレルギーの検査を提案された場合、対策があるかどうかをまず聞いた上で検査するかどうかを考えましょう。

アレルギー検査をしているお医者さんがこれを見られた場合、アレルギー検査する意味を考えてみてださい。
対策のない検査するより、アレルギーが治る糖質回避を勧める方が誠実だと思います。

診察時間の長い医師と短い医師の違い

総合病院の医師も開業医の医師にも診察時間の長い医師と短い医師の2種類がいます。
今回はその違いを書いてみます。

一般的には診察時間が長い医師が信頼され、短い医師は待ち時間だけ長くて診察時間は短いとして非難される傾向にあります。しかし診察時間が長い理由によっては信頼できませんし、診察時間が短い理由によっては短い方が良いと考える患者さんもおられることでしょう。

診察時間が長い理由は説明が丁寧なのかもしれませんが、他にも診察時間が長くなる理由いくつかあります。
診察時間は診断する時間と説明する時間にわかれます。
診断する時間がかかるのは判断する基準がよくわかっていないまま診察しているからかもしれません。確かに滅多にない病気かもしれない場合など判断に迷う場合はありますが、多くの患者さんの診断で迷っている先生がいるのも事実です。恐らく医師自身に診断に関する基準が理解できていないのではないかと思います。その場合診断する時間がかかるのは医師が迷っている時間です。
説明する時間が長くなるのは説明が的確ではないため説明を聞いても患者さんの疑問が解消されず、説明する端から新たな質問が沸き起こり延々と疑問が解消されないため診察時間が長くなってしまうのです。あらかじめよくある質問を簡潔に説明するという配慮もしないことが多いため、診察時間が長くなってしまいます。
延々不安を聞いて解消してあげようとされる医師もおられますが、実は不安というのは何らかの目的をもって生み出すものです。治療をしたくないや医師と話をするという目的のために無意識のうちに不安を生み出しているのです。(参考:アルフレッドアドラー 人生に革命が起きる100の言葉)。不安をどのように扱うかは患者さんの問題なので、医師がその不安を背負って対応することで診察時間が長くなるのはお互いのためにならないと思います。

診察時間が短い理由は、診断時間が短く迷いがないのかもしれません。説明に関しては、要点をまとめて簡潔に伝えることができるからかもしれませんが、患者さんの質問を受け付けないから診察が早いのかもしれません。
診断時間が短いのはいい加減で速いのか、経験により診断が早いのかはわかりません。
しかし診察時間の短い医師の話がわかりやすいかわかりにくいかで、どちらのタイプかわけることができます。短い時間で患者さんからよくある質問の内容を織り込んで説明していくため、患者さんにとってはわかりやすく感じます。短い時間で切り上げようとする医師は患者さんがわからないことでもお構いなしで説明を続けます。その場合説明をして一方的に説明をして診察を打ち切るような説明をします。

診察時間が長くても短くても医師の説明がよくわからない場合は別の病院を受診してみるのが良いのかもしれません。