大腸ガンの原因も糖化産物?(仮説)

かつては大腸ガンは欧米に多く日本では少ないガンでした。最近では日本では増える傾向にありアメリカでは減る傾向にあるそうです。日本で大腸ガンが増えているのは食の欧米化だと言われ、アメリカで大腸ガンが減っているのは野菜食の啓蒙活動の結果と言われています。

確かに肉食との関連はありそうです。しかし肉の主成分はタンパク質であり、消化されればアミノ酸となります。植物にもタンパク質は含まれていますが植物性タンパク質の食べ過ぎで病気になるとは聞いたことがありません。素朴な疑問です。肉の何が発ガンを促すのかです。

何が違うのかゼロから考えてみました。あくまでも仮説ですが、私はタンパク質と糖が熱で結合するメイラード反応による糖化産物が原因ではないかと考えています。

体内で生じる糖化産物が病気を引き起こす仮説を立てていますが、その延長で体外で生じた糖化産物が病気を引き起こす仮説を考えてみました。実は体外で生じる糖化産物は良く見かけています。それは肉を焼いた際の焼き色のことです。この反応のことをメイラード反応といいます。つまり肉を焼いて焼き色がついた状態で食べると自然と糖化産物を食べているこのになります。

私は肉食が問題ではなく、糖化産物の食べ過ぎで大腸ガンを生じるのではないかと考えています。いわゆる焼き色ですから高温で肉を調理することが大腸ガンの原因ではないかと考えています。つまりステーキや焼肉が問題で、茹でたお肉は大腸ガンには関係ないのではないかという仮説を考えています。何故大腸ガンに関連が考えられるのは、糖化産物がそのまま消化・吸収されず大腸に到達する可能性が考えられるからです。もしかしたら糖化産物が腸内細菌と反応することで大腸ガンを誘発している可能性も考えられます。

中には実際に動物実験で発ガン性が認められている糖化産物が見つかっています。

お肉の焼き色は確かに美味しそうには見えるのですが、この糖化産物の心配を勝手にしていますので、ステーキや焼肉は焼き過ぎに注意してあまり食べないようにしています。いわば私が焼き色のついたお肉は避けることが出来れば避けるという、怪しく緩い戒律の宗教を信じているのようなものです。状況証拠から私が勝手に疑っているだけのことです。

疫学調査で焼いたお肉を好むか茹でたお肉を好むかで大腸ガンの罹患率が異なることがわかれば、この仮説が証明されるかもしれません。他に考えられる糖化産物は植物性で、具体的にはパンの焼き色です。同じ小麦製品でもパン好きと麺好きかによって大腸ガンの罹患率が異なると、植物性の糖化産物でもガンになる可能性が示唆されます。もし差が無ければ大腸ガンには無関係であることがわかります。

大変興味はありますが、私はこれらの疫学調査をする能力がないので誰かが興味を持って調べてもらえると良いですね。

 

アレルギーと糖化産物による病気の関係

アレルギーと糖化産物が引き起こす免疫機能障害による病気(仮説)の違いとお互いの関係を考えてみます。

アレルギーとは?に詳しくは記載しましたが、アレルギーは本来なら細菌やウイルスに対応する免疫機能が、敵ではないはずのものに対して働きすぎる疾患です。アレルギーであれば少量の原因物質(アレルゲン)に対しても反応するのが特徴です。つまり量に関係なく反応してしまいます。

もし糖質に対するアレルギーであれば少量でも症状が出るはずです。現在のところ糖質が少量では症状が出ないため、アレルギーではなさそうです。

糖化産物による免疫機能障害であれば、アレルギーのように少量では症状が出ません。ある一定量の糖化産物が産生・蓄積することによってアレルギー反応を誘発している可能性が考えられます。そして容量依存的に症状が増悪するのも特徴です。

糖質による反応が、アレルギーではなく糖化産物によるものと考える根拠は、容量依存性によります。アレルギーであれば、容量依存的に反応しないのでアレルギーは否定されます。

一定量までは食べても症状が出ず、一定量をこえると症状が出るのが特徴です。これまではアレルギーの概念しかなかったため、一定量食べることで症状が出現する疾患の概念がありませんでした。そのため糖質が原因だとわからなかったのです。

糖質が大元の原因だとわかりさえすれば、糖質だけ見張っていれば良いので対策を立てるのも容易です。症状が出現すれば糖質の食べ過ぎ、症状が出現しなければ許容範囲とわかります。

糖質の量を目安にした自己調節可能な疾患という、新たな概念となると思います。

糖化産物による病気の一つにアレルギーが含まれると私は考えます。つまり糖質に対するアレルギーではなく、糖質がアレルギーを引き起こしているという考え方です。アレルギーの元が糖質から生じた糖化産物で、糖化産物が免疫機能障害を引き起こしているという考え方です。糖質を避けると糖化産物が減るため症状が改善するのではないかと思います。

血糖値と糖化産物とアトピー性皮膚炎(仮説)

糖質回避でアトピー性皮膚炎の改善率は現在のところ100%です。
糖質を減らされただけで改善しておられる患者さんがおられますし、食べるものは同じでも血糖値の上がりにくい食べ方を工夫されることでアトピー性皮膚炎が改善された方がおられます。
そこで現時点でわかっていることから考えられることを血糖値と糖化産物の影響を模式化してみました。

糖化産物がアトピー性皮膚炎の原因?
糖質と血糖値の関係
糖化産物とアトピー性皮膚炎の関係
  • 糖質を多く食べるとかゆくなる患者さんがおられる
  • 野菜を先に食べ、ご飯を後に食べると改善した患者さんがおられる
  • 糖質をやめるとアトピー性皮膚炎が改善した患者さんがおられる。

以上のことから糖質そのものが問題ではなく、血糖値が上昇することにより何らかの悪影響が考えられる。
血糖値の上昇はブドウ糖濃度の上昇を意味するが、ブドウ糖自体は非常に簡単な構造の分子のためブドウ糖自体が免疫機能に何らかの害を及ぼすとは考えにくい。
ブドウ糖とタンパク質が非特異的に結合する糖化による糖化産物が、免疫機能に何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられる。

糖質を日頃より多く食べて数時間から翌日に悪化している患者さんがおられることから、糖質摂取とアトピー性皮膚炎の増悪は比較的短時間の相関が考えられる。

糖質回避で糖尿病・肥満が改善しない場合

糖質回避で肥満や糖尿病が改善しない場合を考えてみました。

タンパク質・脂質・糖質のうち、血糖値を上げるのは糖質だけなので理論上は糖質回避で糖尿病は改善するはずです。太る理由糖質依存による過剰摂取が原因だと思いますので、理論上でいえば肥満も改善するはずです。

改善しない場合は何が考えられるか検討してみました。

前提条件が間違っている?

前提条件とは血糖値を上げるのは糖質だけということと、糖質依存による過剰摂取という二つです。
糖質を完全に回避しても糖尿病・肥満が改善しないとすれば、この前提条件に間違いがある可能性が考えられます。多くの人は改善するので前提条件に間違いはないとは思いますが、改善しない人は何らかの原因ですり抜けてしまうのかもしれません。

本来人間の体では血糖値を上げるのは糖質だけのはずですが、何らかの理由でブドウ糖をつくり出す仕組みがしまったのだと思います。ブドウ糖を作り出す仕組みを考えてみました。

一つの仮説

  1. 通常は消化できない食物繊維を消化できる腸内細菌が生着しており(草食動物には生着しているので、いわば草食動物の腸内が再現されているイメージです)、食物繊維からブドウ糖を作り出すことができるのではないか?
  2. タンパク質や脂質をブドウ糖に変換できる腸内細菌が生着しており(そんな細菌が存在するかどうかは知りません)、タンパク質や脂質から血糖値を上げることができる。(通常は低血糖にならないと、ブドウ糖は作り出しません)
  3. 身体の血糖値の設定値がズレてしまい、設定値を下回ると身体が低血糖と勘違いしてタンパク質からブドウ糖を作り出してしまいます。

1.であれば草食動物のように野菜から栄養を効率的に取り込むことが出来る最も進化した人類なのかも知れません。糖質と共に食物繊維も避けることで改善するかも知れません。

2.であれば食べる総量を減らすか食物繊維を多く食べることで血糖値の急激な上昇を抑えるしか対策が思いつきません。

確認方法は持続血糖値測定を行い、お肉だけ食べて血糖値が上がらなければ1.ですし、お肉だけで血糖値が上がれば2.だと考えられます。いずれも糖質回避では血糖値が上がるので糖尿病や肥満を引き起こす原因となり得ます。

3.の確認方法は持続血糖値測定を行い、食事と血糖値の関係の確認と糖質回避で血糖値が変動するかどうかの確認です。これだと糖尿病が改善しない原因の説明にはなりますが、肥満には関係がないのかもしれません。

仮説の根拠

肥満の患者さんの腸内細菌をマウスに注入することで、肥満が再現されたこと。

本当かどうかはわかりませんが、青汁だけで生きている人がいるとテレビで見たことがあります。これを本当だと仮定すると食物繊維を栄養として使えるとしか考えられないからです。人間が消化できない食物繊維を栄養として吸収しているのであれば、自前で消化酵素を獲得したと考えるよりは腸内細菌に働きによると考える方が無理が無く合理的だと思います。

腸内細菌は偶然腸内に住み着き身体に影響を与えるのだと思います。

腸内細菌説の仮説の先

人間は自ら作り出すことの出来るビタミンは限られていますが、もしかしたら腸内細菌が知らない間に作り出せる人がいるのかも知れません。

そう考えた根拠は同じものを食べても脚気を発症する人と発症しない人がいたことです。腸内細菌がビタミンを作り出してくれる人は脚気を発症せず、作り出すことの出来ない人が脚気を発症したのかも知れません。

 

糖質回避でアトピー性皮膚炎が改善する(仮説)

糖質回避でアトピー性皮膚炎は改善する可能性が十分あります。
2型糖尿病のように病気自体が治るもしくは失くなるかどうかはまだ不明ですが、アトピー性皮膚炎は糖質回避により改善しそうです。

現時点で4人の患者さんが改善しておられます。
症状はまだあるものの、薬の量を減らすことができているようです。
今後の経過次第ですが、もしかしたら2型糖尿病のように病気自体が失くなるかもしれません。

現時点でわかっていることです。

  • 糖質を大量に食べると翌日にアトピー性皮膚炎が悪化する患者さんがおられる
  • 野菜の後にご飯を食べるようにするとアトピー性皮膚炎は改善し、先にご飯を食べるとアトピー性皮膚炎が悪化した患者さんがおられる
  • 炭水化物を控えるとアトピー性皮膚炎が改善する患者さんが4名おられる
糖化産物が一定量生じるとアトピー性皮膚炎を引き起こす(仮説)
糖化産物が一定量生じるとアトピー性皮膚炎を引き起こす(仮説)

仮説(事実から推測できること)

ブドウ糖とタンパク質が結合して生じる糖化産物が一定量生じることで、免疫機能に影響を与え過剰に働きすぎるようになり、様々なアレルギーを引き起こす。皮膚に対してアレルギー反応を起こすとアトピー性皮膚炎を生じる。
糖質を食べ過ぎると翌日アトピー性皮膚炎が悪化する患者さんがおられることより、糖化産物が原因だとすれば日常の糖質がぎりぎり許容範囲で、食べ過ぎると糖化産物がアトピー性皮膚炎を悪化させる一定量をこえてしまう可能性が考えられる。
日頃から許容量をこえている患者さんはアトピー性皮膚炎が重症である可能性が考えられる。

確認方法(間接的な証明)

糖化産物が原因であることの直接の証明は困難ですが、糖質を控えることで改善することがわかれば、仮説が正しい可能性が示唆されます。
アトピー性皮膚炎の患者さんに糖質を控えてみてもらう。もしくは糖質をやめてもらうことで改善するかどうかを確認していただく方法です。

更に踏み込んで確認するのであれば、糖質を食べたとしても血糖値の上がりにくい食べ方(たんぱく質・脂質を食べた後で糖質を食べる等)をすることでアトピー性皮膚炎が改善することが他の患者さんでも確認されれば、糖質が問題なのではなく血糖値の上昇が原因であることが証明されます。

血糖値が上昇することでアレルギーが起こる?

今のところまだ仮説の域を出ませんが、お米・パン・麺類などの炭水化物・糖質の食べることで様々な病気を引き起こしている可能性があります。

炭水化物・糖質を食べることで血糖値が上昇し、ブドウ糖とたんぱく質が結合した糖化産物が発生し、その糖化産物が免疫機能のバランスを崩し、アレルギーを引き起こすという仮説です。

状況証拠として血糖値の上昇する食べ方をするとアトピー性皮膚炎が悪化する人がいます。逆に炭水化物・糖質でも血糖値が上昇しにくい食べ方をすると、アトピー性皮膚炎が落ち着くようです。血糖値が上昇しにくい食べ方とは、炭水化物の量を抑えるか野菜などを食べた後で食べるかです。小児のアトピー性皮膚炎は食べ方の工夫だけで治ることもあります。

炭水化物の量や食べ方を血糖値が急激に上がり過ぎないように調整することで、様々なアレルギーが改善する可能性が予想されます。

糖質回避教に入信や完全糖質回避をするかどうかはともかく、血糖値の上がりにくい炭水化物・糖質との付き合い方を考えてみると良いかもしれません。

糖質制限で高血圧が治る理屈

あなたは知っていますか?

糖質制限(糖質回避)で高血圧が治る理屈を。

糖質を食べる際に、糖質の甘味を打ち消すために塩気が欲しくなります。本来であればお腹いっぱいの時点で糖質は食べられなくなりますが、糖質に騙されてついつい食べ過ぎてしまいます。それに伴い塩分も取り過ぎてしまうのです。

塩分の取り過ぎに対処するため必死で塩分を尿として排出しますが、腎臓が耐えきれなくなると塩分が蓄積し、血中濃度を保つために血管内の水分量が増えることになります。腎臓で塩分を濾し取る際に高い血圧が必要なことも悪循環に陥る理由です。

糖質制限(糖質回避)そのものが高血圧を治すわけではありませんが、糖質回避により塩分摂取量が減ることで高血圧の改善が期待できます。

塩分摂取量を気にされている方は糖質回避教のすすめをご覧ください。