生物の進化と自然淘汰の関係

生物の進化と自然淘汰の関係がわかりにくいので整理してみます。

生物の進化と聞くと生物が生き残るために知恵を絞って狙って進化したような印象を受けます。環境に適した生物が生き残った結果を観察し、生物が生き残るために進化したと人間が解釈しているのです。実際には生物はただ生きているだけで、自然淘汰の仕組みにより環境に適していないものは死に絶えてしまうのです。自然淘汰として自然が生き残るものを選ぶのですが、生き残ったものを遡ってみると生き残るのに有利な性質を進化として捉えているのです。生物は意図的に進化を身につけた訳ではありません。遺伝ミスなどにより偶然得た性質が生き残りに有利であり、その性質が子孫に広まると後から進化したと解釈しているのです。

例えば擬態(周囲と区別しにくい見た目のこと)が上手な虫と擬態があまり上手ではなく少し目立つ虫がいたとします。目立つ虫は鳥などに食べられる可能性が高いため、子孫を残す可能性が低くなります。鳥に見つかる擬態は食べられてしまい、鳥に見つからない擬態が生き残るのです。気の遠くなる程長い年月をかけて繰り返すことで、結果として擬態の上手なものしか生き残ることが出来ないのです。

食べられる側の視点から書きましたが、食べる側(捕食者)の視点でも同じことが言えます。例えば目が良いとか耳が良いとか動きが素早いなど、獲物を捕らえるのに有利な性質を持つ者だけが生き残ることが出来ました。餌が豊富にある時には対した違いはありませんが、何らかの原因により餌が減った際に有利な性質を持つ者だけが生き残ることが出来ました。捕食者ならではの性質が自然淘汰の仕組みを生き残り、現代において進化したと解釈されているのです。

決して生物が意図的に進化している訳ではありません。持って生まれた性質が偶然環境に適していた結果自然淘汰の仕組みで生き残り、結果として進化したと解釈されるのです。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。