広告募集の空き看板が増えている理由

広告募集の空き看板をよく見かけるようになりました。私がそういう視点で見渡すから、余計目につくのかもしれません。

看板広告の意味の変化

実はここ数年で看板広告の意味が変わってしまいました。もしかしたらまだ看板広告をあげている広告業者の方は気付いていないのかもしれません。だからこそかつての広告料での看板広告を望んでいるため、時代の変化に取り残された結果、空き看板が増えていると私は思います。

どのように看板広告の意味が変わったかというと、かつては物事を調べるためには情報を自分で覚えておくか、タウンページなどで調べるしかありませんでした。情報を覚えてもらうきっかけとして何度も目にしてもらう看板には大きな意味があったのです。例えば病気や怪我で病院を探す場合、かつては看板で目にしたことのある病院を受診しようと考えました。いざという時に思いつきてもらえるかどうかが受診してもらえる違いになりました。だからこそすぐに受診に繋がらなくても、何度も目にしてもらえることでいざという時の受診のきっかけになり得たのです。日頃覚えているかどうかが行動を左右していたからです。

スマホの影響

ここ最近で人々の行動が変わったのはスマホの影響です。いざという時にスマホで検索すれば必要な情報が簡単に手に入ります。つまり日頃覚えているかどうかは、行動にはほとんど影響を与えないのです。スマホで検索した結果で、そういえば看板を見たことがあるなという程度の違いにしかなりません。

広告業者はまだ気付いていない?

看板広告による広告効果の変化に気付いた広告主は、看板広告を打ち切るのです。費用対効果を考えれば、ホームページを含めたインターネットでの広告と比較して明らかに効果が乏しくなっています。効果が下がっていることから考えれば、広告料が引き下げらるのが自然の成り行きです。しかしまだこのことに広告業者が気付いていないのか、気付かない振りをしているのかはわかりません。広告主と広告業者の希望の乖離により、金額的に折り合いがつきにくくなってきています。広告効果の変化に気付いた広告主に広告料の引き下げを求めますが、広告業者は引き下げを受け入れてはもらえないため、結果として空き看板が増えてしまうことになるのです。

今後の看板広告

これからもどんどん空き看板は増えていくと思います。余りにも急速にスマホでの検索が広まってきています。費用対効果を考える広告主から順番に取り下げていきます。これからも看板広告を出したままの広告主は、些細な広告料が気にならないくらい余程儲かっているのか、費用対効果という視点を持っていない広告主のどちらかだと思います。そんな視点で看板広告を見てみると面白いと思います。

そして恐らく2、3年もすれば空き看板は減ると思いますが、空き看板が減る時点で広告料が引き下げられたはずです。何故なら今更あえて看板広告に高いお金をかける広告主が現れるとは思えないからです。費用対効果を考えて、効果の方が勝っていると考えられる程広告料が下がることで空き看板が減ると私は思います。

ちなみに看板広告が今でも有効なのは、咄嗟に立ち寄る可能性のある業種だと思います。例えばガソリンスタンドやコンビニなどです。ただし費用対効果を考えれば、広告料に見合うだけの効果は期待出来ないと思います。開店直後とか、競合店が周囲にあるなど特殊な環境でなければ、咄嗟に立ち寄る業種でさえ、看板広告の意味がかなり薄れていると私は思います。

少し前までは奥まったところにあるためわかりにくい業者であれば、案内するための看板広告は意味がありましたが、カーナビとスマホのおかげで案内する必要がほとんどなくなりました。

広告募集の空き看板に思う

電話番号の掲載された広告募集の空き看板は見かけますが、定価の広告料が掲載されていない時点で当分空き看板のままだろうなと私は思います。何故物事を伝えることが目的の看板に、最も重要な情報の1つである価格が書かれていないからです。今時わざわざ電話してまで広告を打ちたい広告主が増えるとは思えないからです。

もしかしたら相手によって広告料を変えるため、あえて看板には広告料を載せていないのかもしれません。それはそれで広告主としては気分の良い話ではありません。いずれにしても看板広告という広告は役割を終えつつあるのかもしれません。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。