解説書にはわかりやすいものとわかりにくいものがあります。その違いは視点です。視点が専門家か素人かです。内容を元々わかっている人が書いているか、元々は知らない人が書いているかで大きな違いが出ます。
元々わかっている専門家が解説する解説書はわかりにくく、元々わからない素人がわかるようになった過程を解説している解説書はわかりやすいものになります。何故なら専門家は全て知っているのでわからない、あるいはわかりにくい場所自体がわからないのです。言い換えると専門家は知らないふりをして解説書を書くことができないからです。その点何も知らない素人は違います。全く何も知らない状態から物事を知っていくので、その過程でわかりにくいこと、紛らわしいことが容易に理解できるのです。そのわかりにくいところを明確に区別して解説を書くので、わかりやすい解説書になります。
解説書は説明の上手下手と同じです。言葉で伝えるのか文章で伝えるのかの違いです。
解説書では言葉での説明と異なり、図解することもできますが、そもそも相手の知りたいことを理解していなければ図解することもできません。
わかりやすい解説書とわかりにくい解説書の違いは、解説する人が何も知らない状態を想定できるかどうかです。何も知らない状態を想定できれば、理解しにくいところもわかるはずです。
解説書を見ていて明らかに言葉足らずでわかりにくいものだったので、何故こんなわかりにくい解説書があるのかを考えてみました。解説書を作った人が専門家で、知らないことを想定せずに作った結果だと思い至りました。解説書は素人が作るべきだと私は思います。少なくとも素人が理解できるように素人への説明し、その際に出た疑問を解説書に落とし込むとわかりやすい解説書になります。恐らくそういう視点が欠落した解説書を目にしてしまったのでしょう。