人類、特に先進国の人間はあたかも世の中の多くのことを既に知っていると誤解しています。しかし当たり前に知っていると思い込んでいることでさえも、手探りで探し当てただけで正解とは限らないのです。
議論の余地のないわかっていることを学校で教えている(歴史などは新たな古文書の発見などで書き換えられますので、現時点でわかっていることです)だけで、わからないことには触れないのです。わからないこととは例えば宇宙の果てには何かあるのか何もないのかとか、原子よりも小さい素粒子の世界がどうなっているのかはわかりません。反物質という物質とは正反対の性質のものがあるようですが、この世の中が何故物質だけで反物質は消滅してしまうのかは全くわかっていません。わからないことは山ほどありますが、わからないことを手探りで解明しているのです。人類の歴史からすればほんの少し前に目に見えない空気という存在があることを発見し、肉眼では見えない微小な世界があることを発見したのです。生まれつき感じる重力も理解出来るようになったのも人類の歴史から考えれば、つい最近のことです。人類が気づかなかっただけで大昔から存在したのです。
人類は今現在食べているもので元気に生きているため問題があることには気づいていません。ある種理想的な食べ物を食べていると誤解しているのです。明らかな不都合がないため、正解だと誤解しているのです。言い方を変えると落とし穴に落ちているのです。人類の歴史からすれば、人類がここまで発展できたのは糖質のおかげであると言う事は間違いない事実です。食料を自分たちで栽培し増殖することができるというのは、他の生物からすれば反則のようなものです。その反則技を身に付けたことにより人類は食料に困ることがかなり減りました。品種改良という知恵により、効率良く食料を確保することが出来るようになりました。食料を豊富に確保できたおかげで、人口が爆発的に増えることができたのです。しかし糖質は諸刃の剣でした。糖質には依存性があるからです。みんなが糖質依存という落とし穴に落ちてしまったのです。依存性はもしかしたら覚せい剤などの薬物に近いものがあるのかもしれません。
人類は依存性のある食べ物を自分達で栽培することで増やし、依存するほど食べた結果、様々な病気に陥っているのです。食べ物の知識がなかったために、食べ方をまちがえて脚気になって命を落としたのも手探りだったからです。脚気はビタミンの知識によりほぼ克服することが出来ました。しかし糖質による害があることは多くの人がまだ知りません。糖質の食べ方に問題があることに気付いた人達が未開人から抜け出し始めたに過ぎません。
栄養学が生まれた際に、先入観にとらわれずゼロから考えることが出来れば良かったのですが、残念ながら栄養学を考えた人達自身が糖質依存に陥っていたため糖質依存に基づいた歪んだ栄養学になってしまいました。
例えば子供の頃からアルコールを水代わりに飲む国を想像してみて下さい。いわば酔った状態が当たり前の普通の状態で、アルコールが抜けると気持ち悪くなる(俗に言う二日酔い)からアルコールを飲まなければいけないと考えるようなものです。アルコールが切れると調子が悪くなると誤解するのです。アルコールは日常の当たり前の飲み物だと思い込むと、アルコールの害には気がつかないようなものです。
別の国では皆んなが当たり前に幼い頃からタバコを吸っています。タバコを吸う状態が当たり前で、タバコを吸わないとイライラすると誤解するようなものです。そもそもタバコを吸っていなければニコチン切れのイライラは起こりません。
アルコールとタバコ・ニコチンの依存性とその害に気付いた先進国の人達は、法律により年齢制限を設け、課税することでむやみやたらとした過剰摂取を抑えているのです。
アルコールやタバコに置き換えると不思議な価値観ですが、現に糖質でも同じようなことが起こっています。糖質を食べるのが人類の歴史上当たり前で、糖質依存も当たり前なのです。ただ人類の多くの人達がまだその依存性と危険性に気付いていません。大半の人達が糖質依存なのですから、多数決の考え方で言えば糖質依存が正常な状態です。糖質を控える方が異常だと錯覚してしまうのです。しかし医学や科学の世界では多数決では決まりません。そもそも強烈にお腹が空くこと自体が糖質依存の禁断症状なのです。禁断症状により突き動かされてせっせと糖質を食べ過ぎているに過ぎません。
まだ多くの人達が糖質の食べ方を知らない未開人のようですが、知恵のある者達から糖質の本当の姿に気付き始めました。貴方はいつ糖質の本当の姿に気付きましたか?