飲食店でのドタキャンに思う

一部の飲食店では当日になってドタキャン(土壇場でのキャンセル)することで困っているそうです。
キャンセルしてくれるとまだマシな方で、酷い場合には連絡なく来ないということがあるそうです。携帯に連絡しても電話に出ないそうです。

自称神様が混乱を招く

これまではお客さんとお店との信頼関係で成り立っていました。お客さん側からすれば予約していれば行くのが当たり前、お店も来ない人がいることを想定してはいませんでして。信用と信頼の違いで書きましたが、裏付けのある信用ではなく、何の裏付けもなくただ信じる信頼により成り立つ仕組みです。お客さん側のモラル低下により信頼出来なくなってしまっています。私はモラル低下の根底に「お客様は神様だ」という考え方があるのではないかと思います。本来ならお店がお客さんと接する際の心構えとして広まった話ですが、お客側で自分を神様のように扱えと勘違いした人が迷惑の行動を取るために混乱しているのではないかと思います。つまり自称神様が混乱を招いているのです。

つまり自称神様だからドタキャンも許されると思っているのです。何しろ神様なのですから、何でもありです。勘違いとは恐ろしいものです。

想像力の欠落

自称神様とまで勘違いしていなくても予約をドタキャンする人もいるようです。それは予約のドタキャンで飲食店が困ることが想像出来ないのです。直前のドタキャンだとあらかじめ仕込みをしていた食材が全て台無しになります。そのことが想像出来ないのです。つまり傲慢でドタキャンするのではなく、想像力・思いやりの欠落で結果として傲慢な振る舞いになってしまうのです。

本当かどうかはわかりませんが、酷い場合にはあらかじめ三件程度予約をしておいてメンバーが集まってからその日の気分でお店を決めることもあると聞きました。つまり最初から二件のドタキャンが決まっているという話です。

対策

信頼ではなく、信用するために裏付けを求めるのです。私は事前決済が合理的だと思います。

少なくともお客さんの側にもキャンセルをする何らかのデメリットを設定しなければ益々ドタキャンは増えると思います。現実的にはホテルの予約のように飲食店もキャンセル料の設定をするべきではないかと思います。3日前まではキャンセル料無料、2日前は50%、前日は100%などです。ホテルのキャンセルは次の予約を取れないという機会喪失だけですが、飲食店の場合食材が無駄になるのでキャンセル料は合理的だと思います。

ただ事前決済が導入されないのは、お店の人の思いやりでもあり、まだまだ信頼出来る人達の方が多いからだとも思います。

現在の仕組みではお客さん側にキャンセルのリスクが全く無いことが問題です。お店だけがキャンセルのリスクを背負っているため対等な関係ではありません。事前決済ほどあからさまな仕組みでなくても、何らかの対策が必要なのかもしれません。

その点ドタキャン登録サイト(ドタキャンをされた飲食店がドタキャンした電話番号を登録し、会員の飲食店が閲覧する仕組み)は飲食店にとっての1つの防衛策なのかもしれません。

いずれにしても自分のことをお客様だから神様だと勘違いしている人や想像力の欠落した人が世の中から減ることを祈っています。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。