痩せると寿命が短くなるのではないかと心配される方がおられます。
その根拠は標準体重より少し肥満気味の人の方が、痩せている人より寿命が長いというデータに基づいています。元々標準体重は最も寿命が長くなる体重から導き出されたようですが、体重別に寿命を調べてみると寿命が長いのは標準体重より肥満気味の方が寿命が長いことがわかったそうです。
そのことを元に糖質を食べないことで痩せてしまうと寿命が短くなるのではないかと心配されるのです。糖質回避をしない言い訳にこのことを引き合いに出す人もおられます。痩せない言い訳に使う人もおられます。
標準体重より少し肥満気味の人の方が寿命が長いのは事実かもしれませんが、解釈を誤ると間違った方向に誘導されてしまいます。
人間は自分の意思である程度体重をコントロールすることが出来ます。その自分の意思でコントロールした体重か、意識せずに落ち着いた体重かで意味合いが異なると思います。自然に痩せてしまう人もいれば、自然に太ってしまう人もいると思います。自然に痩せてしまう人は何らかの基礎疾患があって痩せ気味なのかもしれません。太り気味の人は元々健康だからこそ太ることが出来るのかもしれません。病気で痩せた人と意識して痩せた人との区別がないまま、判断することは出来ないと思います。
肥満気味の人の方が有利なのは、心筋梗塞などの疾患で体力があるため乗り切ることが出来る可能性が高いことに起因するようです。肥満気味なことがいざという時の余力となるから寿命が長くなることが言われているようです。確かに心筋梗塞が起こってしまった場合には肥満気味の人の方が有利なのかもしれません。
しかし糖質回避をして血糖値が上昇しなければそもそも血管が障害されないため、心筋梗塞を起こしにくい可能性があります。
肥満気味の人の方が寿命が長くなるので痩せなくて良いということは、痩せないための言い訳でしかないのかもしれません。
自分の意思で痩せると寿命が短くなるのだとすれば、その理由は私には思いつきません。自然と痩せてしまうと寿命が短くなるのは、痩せてしまう何らかの理由が寿命を短くする可能性があることを想像するのは難しくないことです。痩せてしまう理由としては消化器系の問題や内分泌系の問題、あるいは精神的な問題がベースにあるのかもしれません。
体重を意識して減らし標準体重以下にした人の寿命と元々標準体重以下の人の寿命の比較や、標準体重以上の人の寿命との比較が無ければ痩せていることが危険なのか、痩せることが危険なのかわからないと思います。
確か動物実験ではカロリー制限した方が寿命が長くなるので、人間でもカロリー制限である糖質回避する方が寿命が長くなると私は予想しています。
糖質回避することで血管を障害する危険性は減るので、寿命は長くなる可能性が高いと思います。
実際には糖質回避した人達が寿命を迎える結果が出るまでわかりませんが、身体にとって血糖は有害なのでその血糖値を上げる糖質を食べない方が糖質を食べるより寿命は長くなるのではないかと考えられます。
糖質を食べるか回避するかはどちらを信じるか宗教のようなものです。
私は糖質を避けることの出来るときは回避する糖質回避教を信じています。