リブレ 血糖値持続測定器を使い様々な食べ物の食後血糖値を測定しております。
様々な実験をしていますが、今回はコンビニで出来る血糖値が上がりにくい食べ方を探すためおにぎりとゆで卵2個で検証してみました。ゆで卵を2個とした目的は1個では少なすぎて差が出ないと考えたからです。
きっかけ
おにぎりと唐揚げの組み合わせであれば、同時に食べるという食べ方の工夫でおにぎりだけ食べるより血糖値が上がりにくいことがわかりました(参考:おにぎりと唐揚げの食べ方による食後血糖値の違い)。
他にも血糖値が上がりにくい食べ物を探そうと考えてコンビニで簡単に購入できるゆで卵で比較してみることにしました。
食べた物
セブンイレブンの塩むすびとゆで卵2個です。
いつもの塩むすびに味付き半熟ゆでたまごを食べました。
食べ方は塩結びとゆで卵を交互に食べるようにしました。
塩むすび
- たんぱく質:2.7g
- 脂質:0.2g
- 炭水化物:45.5g
味付き半熟ゆでたまご
- たんぱく質:6.0g
- 脂質:4.4g
- 炭水化物:0.6g
食後血糖値の予想
おにぎり1個と唐揚げを食べた場合とそれほど変わらない食後血糖値になると期待していました。
唐揚げ(揚げ鶏)はたんぱく質:13.8g、脂質:11.4g、炭水化物:7.4gの成分です。卵2個ではたんぱく質:12.0g、脂質:8.8g、炭水化物:1.2gとなるためそん色ない食後血糖値になる予定でした。
おにぎり1個+ゆで卵2個の糖質割合
(45.5+1.2)÷(2.7+12.0+0.2+8.8+45.5+1.2)×100=46.7÷70.4×100=66.3%
おにぎり1個+唐揚げの糖質割合
(45.5+7.4)÷(2.7+13.8+0.2+11.4+45.5+7.4)×100=52.9÷81×100=65.3%
と私が食後血糖値に影響を与えると考えている糖質割合がほぼ同じだったからです。
食後血糖値
結果として少なくともおにぎりだけ食べるよりゆで卵2個お同時に食べた方が少し下がりました。
どの程度下げる効果があるか比較するために唐揚げを同時に食べた場合と比較してみました。
おにぎり1個と唐揚げの場合は青のグラフで、おにぎり1個とゆで卵2個はオレンジで表したグラフとなりました。
均一に混ざれば糖質割合がほぼ同じになる食べ物ですが、血糖値のグラフは異なるものとなりました。
おにぎりと唐揚げの方が低い値となりました。
血糖値のグラフが異なる理由(仮説)
実験結果は当初予想していた結果とは異なるものでした。
そこで私が食後血糖値に影響を与える因子であると考えている糖質割合が同じにも関わらず、血糖値のグラフが異なることとなる理由を考えてみました。
・ゆで卵とおにぎりが良く混ざっていなかった
・食後血糖値に影響を与える因子が単純に糖質割合ではなく、脂質が血糖値の上昇を妨げる可能性
・おにぎりとおにぎり以外の割合が食後血糖値に影響を与える可能性
これらが現時点で考え付く、予想とは異なる理由です。
今後どの仮説が正しいのか検証してみたいと思います。
今回の実験でわかったこと
おにぎり1個とゆで卵2個でもおにぎりだけよりも食後血糖値を下げる働きがありましたが、残念ながら軽度です。現時点ではおにぎりと一緒に食べる場合にはゆで卵2個よりも唐揚げを同時に食べる方が食後血糖値が上がりにくいことがわかりました。
そして私が食後血糖値に影響を与える可能性が高いと考えていた糖質割合は、必ずしも食後血糖値に影響を与えるとは限らない可能性が高いことがわかりました。
もう一つわかったことは唐揚げの衣として糖質が含まれている分、糖質量が多くなる唐揚げと一緒に食べた方が血糖値が低くなることは糖質だけで血糖値が決まるとは限らないことを示唆する結果です。糖質量が増えても食後血糖値が上がりにくいのは脂質が多いことが関係しているのかもしれません。食後血糖値が上がりにくいセブンイレブンのたまごサンドイッチもマヨネーズたっぷりのため、上がらないのかもしれません。
今後の検討課題
上記仮説を検証することが課題だと考えています。
まずは糖質割合という食べ物中の各成分ではなく、おにぎりとおにぎり以外の割合が食後血糖値に影響を与える可能性を検証してみたいと思います。
おにぎり1個とゆで卵2個で更に念入りに混ざるように食べてみたいと思います。
またおにぎり1個とゆで卵3個を食べると、おにぎりとおにぎり以外の食べ物の割合がおにぎりと唐揚げを食べた場合とほぼ同じになると考えられるため、似たようなグラフになるのではないかと考えています。
(参考)おにぎり割合
おにぎり1個+ゆで卵2個
(2.7+0.2+45.5)÷(2.7+0.2+45.5+8.8+12.0+1.2)×100=48.4÷70.4×100=68.8(%)
おにぎり1個+ゆで卵3個
(2.7+0.2+45.5)÷(2.7+0.2+45.5+18.0+13.2+1.8)×100=48.4÷81.4×100=59.5(%)
おにぎり1個+唐揚げ
(2.7+0.2+45.5)÷(2.7+0.2+45.5+13.8+11.4+7.4)×100=48.4÷81×100=59.8(%)
もしおにぎり1個とゆで卵3個が同じグラフになれば、糖質割合ではなく炭水化物割合が食後血糖値に影響を与える可能性が考えられます。
脂質が血糖値を上がりにくくする働きが強いのであれば、ゆで卵をマヨネーズで食べると食後血糖値が上がりにくい可能性が考えられます。
これらを検討課題としたいと思います。
食後血糖値一覧
・おにぎり1個とおにぎり2個の血糖値の違い (1個でも2個でも変わらない)
・おにぎり2個と唐揚げの食後血糖値 (唐揚げにより血糖値が下がる)
・おにぎり2個と特保コーラの食後血糖値 (特保コーラを飲んでも上昇)
・おにぎり2個とお茶の関係 (驚くべきことにお茶を飲むと血糖値が上昇)
・お茶と特保コーラの血糖値の違い (お茶と比べると特保コーラは上がらない)
・たまごサンドイッチの食後血糖値 (たまごサンドイッチは血糖値が上がらない)
・たまごサンドイッチの食後血糖値 追加実験 (再実験でも血糖値は上がらない)
・おにぎりと牛丼特盛の食後血糖値の関係 (牛丼特盛の方が血糖値が上がらない)
・食パンとたまごサンドイッチの食後血糖値の関係 (食パンは血糖値が上昇する)
・おにぎりと食パンの食後血糖値の関係 (おにぎりも食パンも同じような上昇)
・アイスクリーム2個の食後血糖値 (おにぎり1個程は上がらない)
・カップラーメン ビッグの食後血糖値 (血糖値は206mg/dlまで上昇)
・ツインハンバーグ ライスとパンの血糖値の違い (ライスの方が高い)
・ジョイフルとガストのランチの食後血糖値の違い (何故かガストの方が低い)
・尾道ラーメンとカップラーメンの食後血糖値の違い (カップラーメンが高い)
・鎌倉パスタと食パンの食後血糖値の違い (食パンの方が高い)
・ガストで糖質回避の食後血糖値 (糖質回避の食事では血糖値は上がらない)
・チキンカツと豆腐ハンバーグの食後血糖値の違い (チキンカツの方が高い)
・にくにくにくバーガーの食後血糖値 (血糖値はほとんど上がらない)
・ある日の夕食の食後血糖値 その1
・ある日の夕食の食後血糖値 その2
・おにぎり1/2個の食後血糖値
・カップヌードル カレーとビッグの食後血糖値の違い
・おにぎり1/2個とおにぎり1個の食後血糖値の違い
・コメダ ハンバーガーの食後血糖値
・おにぎり1個を分けて食べた食後血糖値
・ハムサンドの食後血糖値 卵サンドとの違い
・セブンイレブン冷凍ピザの食後血糖値
・たまごサンドと水500mlの食後血糖値
・おにぎり1個を分けて食べた食後血糖値
・セブンとローソンの卵サンドの食後血糖値の違い
・やよい軒のとりカツ定食の食後血糖値
・ファミリーマートのたまごサンドの食後血糖値
・おにぎり1個の食後血糖値 食べ方での違い
・築地銀だこ てりたまの食後血糖値
・おにぎりと唐揚げの順番による食後血糖値の違い
・おにぎりと唐揚げの食べ方による血糖値の違い
・カップラーメンと唐揚げの食べ方による違い
・おにぎりと唐揚げの順番による食後血糖値の違い
・おにぎりと唐揚げの食べ方による食後血糖値の違い
・おにぎり1個・唐揚げ交互と水555mlによる違い
・おにぎりと食前運動による食後血糖値の違い
・各種サンドイッチの食後血糖値
・おにぎりとサラダの食べ方による血糖値の違い