野次馬の心理 人が芸能ニュースを見てしまう理由

野次馬の心理を考えてみました。野次馬とは自分に関係ないことに興味本意で騒ぎ立て、見物することです。その心理は本来他人の失敗により、食料や配偶者の確保において相対的に有利になるため、興味が湧くのです。人類の進化の歴史において、他人は仲間であると同時に食料や配偶者を奪い合うライバルだったのです。そのライバルの失敗がどの程度の失敗で、どれだけ得をするのか見極めるために興味が湧くのです。「他人の不幸は蜜の味」は同じような心理状態です。他人の失敗により、相対的に有利になった自分を確認することを目的として他人の失敗に興味が湧くのです。しかし人間は文明を発展させ、倫理観を身につけました。明らさまに他人の失敗を喜ぶことは恥ずかしいことだとされています。だから明らさまに他人の失敗を喜ぶことはありませんが、他人の失敗に興味を持ってしまうのはかつての名残りです。

芸能ニュースで芸能人の離婚や不倫のニュースに興味が湧くのは、本来なら無駄な心理です。何故なら芸能人とはかけ離れているため、芸能人の離婚や不倫が自分の生活に変化をもたらす可能性はないからです。にもかかわらず放送されるのは、視聴者の野次馬の心理を利用し視聴率を稼ぐことが目的です。テレビ局の目的と視聴者の心理が合致することで、意味をなさない芸能ニュースがテレビで垂れ流されることになるのです。結婚や出産などおめでたいニュースは心温まる一面がありますが、離婚や不倫などの失敗のニュースは野次馬と同じで知ったところで何も得るものがありません。元々興味を湧く理由であった人の失敗が自分の利益になることもありません。失敗例として何に注意をすると失敗しにくくなるのかという視点で、反面教師として受け取るなら意味がありますが、そのような視点の芸能ニュースは見たことがありません。テレビ自体が野次馬としての興味本位で放送する芸能ニュースばかりです。

芸能ニュースを見る際に、そのニュースを見ることで何が変わるのかを考えることです。会って話をする人ではありません。テレビの中の別世界の話です。少なくとも自分の生活は変わらないはずです。それならば時間をかけてまで見る価値は本来は無いのです。興味が湧くのは、他人の失敗が自分の生活を変えると錯覚するからです。芸能人が失敗しても生活は変わらないので、興味が湧くこと自体が錯覚なのです。

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呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。