進化とは生き残った環境を知る手がかり

進化とは生き残る確率が高まる形質のことで、生き残った結果を進化として認識します。そのため
逆に考えれば何十億年もの進化の結果残っている形質は、様々な環境において生き残るために有利に働いたはずです。不利な形質は淘汰されるからです。
しかしその形質が未来永劫生き残るために、有利に働くとは限りません。何故なら環境は絶えず変化しているからです。その環境では偶々生き残るために有利に働いて生き残ることが出来ても、環境が変われば不利になるかもしれません。

人間の体毛

例えばお猿さんから進化した人類は、暑さ対策に体毛を産毛に変化させました。体毛を産毛にすることが出来た者だけが生き残ることが出来たのでしょう。体毛か産毛になった者は、放熱に適し長時間の連続した移動が可能だったはずです。このことが食料の確保に直結したのではないでしょうか?しかし氷河期に突入すると一転し、体毛が無いことは非常に不利に働きました。衣服を身にまとう知恵が無ければ、暑い時期には有利に働いた体毛がないことで間違いなく人類は淘汰されていたことでしょう。

ちなみに頭髪が伸び続けるのは絶えず刺激を受ける頭を守るために伸びるのではないかと思います。硬いものを噛み続けるげっ歯類の歯が伸び続けるのと同じ理屈です。

進化から生き抜いた環境を見極める

現在持っている形質は何らかの進化(様々な環境において生き残るために有利に働いた形質)の結果なのです。逆に考えると進化の起こりえた環境を逆算することが出来ます。進化とは、ある環境において生存率が変わる形質のことですから、その環境を想像することが出来るのです。例えば副鼻腔の存在理由ですが、頭部に衝撃を受ける機会が多く、脳を守るためのバンパーだったはずです。今では想像がつかない程、頭部に外傷を受ける機会が多く、副鼻腔の有無が生死を分けたのでしょう。今からでは想像しにくくなったのは、剣や銃が発明されたからです。剣や銃では副鼻腔の有無にかかわらず脳にダメージを与えてしまうため、副鼻腔が意味をなさなくなってしまったのです。現代の兵器が強力になり過ぎて、副鼻腔では脳へのダメージを防ぐことが出来なくなってしいました。そのため本来の目的に思い至ることが出来ないのです。副鼻腔は存在するのですから、存在した方が有利な環境を生き抜いたのです。そしてその後副鼻腔が存在しない方が有利な環境は無かったということがわかります。

生き抜いた環境の見極め方

現在の形質から生き抜いた環境の見極め方を考えてみます。現在の形質とは備えている能力のことです。個体差はありますが種として持ち合わせている能力は、何らかの進化の過程で自然淘汰を生き抜いた環境により選ばれたものです。

その生き抜いた環境と形質の考え方は、その形質の有無により生き残る確率が変わる環境を考えてみることです。暑かったのか寒かったのか、敵が多かったのか食料が少なかったのかなど様々な環境を考えてみます。その上で生死を分ける環境や状況があれば、その環境や状況を生き抜いたのでしょう。その形質の有無が生死を分ける環境を想像してみましょう。

例えば黒人と白人の違いは、色素細胞の働き方の違いです。色素細胞は紫外線を遮るために存在します。色素細胞が働く方が生存に有利なのは紫外線が強い地域です。人類はアフリカで生まれたらしいので色素細胞が働くのが基本だったはずです。では白人は色素細胞の働きを抑えていますが、色素細胞が働かない方が生存に有利な環境を考えてみます。紫外線が弱い地域に住むことで紫外線から身を守る必要がなくなったのです。ただしそれだけであれば白くなる必要はありません。日本人のように黄色人種程度の色合いで良いはずです。肌が白い方が生存に有利な環境があるはずです。人は紫外線に当たることでビタミンDを作り出すことが出来ます。紫外線に当たらないことでビタミンDの違いが出たのでしょう。出来るだけ紫外線に当たる方が生存に有利な程紫外線の弱い地域で生活したことを意味します。紫外線により多く当たる方が生存に有利なため、色素細胞を働かないように進化した人だけが子孫を残すことが出来たのです。

腋毛や陰毛も存在するのですから、かつて命に関わった存在理由があるはずです。このことは改めて書いてみたいと思います。良かったら考えてみてください。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。