私が糖尿病の方に行っている食事指導

私は糖尿病を専門に診ている訳ではありませんので、積極的に糖尿病の方に食事指導を行ってはいませんが、私の元を受診された方で偶然糖尿病を合併している方に食事指導を行っています。

糖尿病に関わらず、アトピー性皮膚炎やニキビなどの他の病気も同じ食事指導を行っています。というよりもこれらの病気を治すために行き着いた食事の仕方が糖尿病にも有効なのです。糖質を控えると改善する病気の原因が血糖値の一時的な上昇である可能性を考えて、食事指導をしてみると明らかに良くなるのです。そして糖尿病を合併している患者さんの数値も改善します。その食事指導を書いてみます。

糖尿病の方への食事指導

炭水化物だけ食べない

私が提案している食事はおにぎりだけ、素うどんだけ、パンだけという炭水化物だけ食べる食べ方を避けるようにお伝えしています。糖質の急速な吸収を邪魔してくれるタンパク質や脂質を食べないのですから血糖値の急上昇は仕方のないことです。

根拠は私がおにぎりだけ食べると血糖値が急上昇しますし、食パンだけ食べると血糖値が急上昇しますし、カップラーメンだけ食べると血糖値が急上昇するからです。唐揚げやゆで卵、チャーシューなどと一緒に食べるだけで血糖値が上がりにくくなります。

おにぎりと唐揚げの食べ方による血糖値の違い
カップラーメンと唐揚げの食べ方による血糖値の違い
おにぎり1個とゆで卵の血糖値の違い
尾道ラーメンとカップラーメンの食後血糖値の違い
カップラーメンと牛皿を交互に食べた食後血糖値

食事の前後でお菓子や果物を食べない

食事の前後でお菓子や果物をデザートとして食べておられる方が多くて驚きます。何故なら糖質を含む食事の前後に食べると食事とデザートの糖質の足し算になってしまうからです。食事の前に食べると良いと信じておられる方もおられますが、1+2も2+1も同じようにお菓子や果物は食事の前で食べても後で食べても同じことです。正解は時間をあけて食べることのようです。(食事の際に糖質を食べられないのであれば、食事の前後に食べる方が血糖値は上がりにくいです)

糖質を30分以内に追加して食べると血糖値は上がりますが、60分時間をあけて食べるとそれほど上がらないのです(参考:おにぎりを分けて食べた食後血糖値)。お菓子や果物を食べる場合、食後出来れば2時間少なくとも1時間以上間をあけて食べることをお勧めしています。

小分けで食べる

一度に糖質をたくさん食べるから食後血糖値が上がります。いくらタンパク質や脂質を一緒に食べても糖質の量が多いと食後血糖値は上がってしまいます。

一回に食べる糖質の量が少なければ血糖値は上がりません。少量を繰り返して食べれば、食後血糖値は上がりにくくなります。小分けして食べる食べ方は、食後のお菓子や果物を1・2時間あけて食べることと同じです。

同じ量の糖質でも1時間以上間をあけて小分けして食べると血糖値は上がりにくくなります(参考:おにぎり1個を分けて食べた食後血糖値)

糖尿病の一つの原因は3食食べるという常識なのかもしれません。同じ量の食事を5食6食で食べることをお勧めしています。その方が血糖値が上がりにくく糖尿病を発症しにくいと私は考えています。と言っても難しい話ではありません。食後お菓子や果物を食べている方対象に上記の食べ方を小分けして食べると言いかたを変えて提案しています。食後食べていたお菓子や果物を1時間以上間をあけて1回食べるだけで3食が4食になり、2回行えば5食、3回行えば6食になるだけです。

注意点

患者さんによっては糖質を控えると2型糖尿病が治ること(参考:2型糖尿病が薬無しで治りました)をお伝えすることもありますが、糖尿病の方の多くが薬を飲まれているため糖質をいきなりゼロにはしないようにお伝えしています。

逆に健康診断で血糖値が高いと言われた方で薬を飲んでおられない方は、糖質をやめてしまえば上記のように2型糖尿病は治る可能性が高いと思います。何故なら糖質の摂り過ぎに膵臓が耐えきれなくなった状態が2型糖尿病だからです。原因を取り除けば治るのは当然といえば当然です。

 

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。