限界をこえない仕組み
人には限界を超えない仕組みが備わっています。例えば手足の筋肉は壊れてしまうことを防ぐために、筋肉の限界よりも遥かに低めにリミッターがかかっています。自分では限界と感じても、筋肉の物理的な限界は遥かに丈夫に出来ています。そのおかげで筋肉が断裂する危険をおかすことなく過ごすことが出来ます。瞬間的に限界近くまで筋肉を使えるようにトレーニングを行い、自分自身の限界まで筋肉を使う方法を習得します。努力に努力を重ねてようやく限界をこえるイメージです。いつでも限界ギリギリの筋肉の使い方をしているとちょっとしたことで壊れてしまうため、壊れてしまわないように余裕を持たせてあるのです。
健全に限界をこえる仕組み
人間には時として限界をこえる仕組みも備わっています。
一つは俗に火事場の馬鹿力と言われる現象で、一時的に限界・リミッターが解除され筋肉の限界まで力を引き出すことの出来る現象です。元々身体を守るために限界が作られているのですが、命のなくなれば身体を守るための限界など意味が無くなります。そのため命の危険がある場合に限り、限界を取り払うことの出来る仕組みが備わっているのです。
その反面、日頃は身体を壊してしまわないように、限界をかなり低めに設定してあります。
スポーツ選手が行う筋肉の限界近くまで能力を引き出す方法に自己暗示と大声を出すことがあります。自己暗示により脳が感じる限界を忘れさせて、限界近くまで引き出す方法と、大声を出すことにより限界を忘れさせる方法です(一時的に命の危険に曝されていると錯覚を起こすのかも知れません)。
これらは言わば健全に限界をこえる仕組みです。一つは命を守るため、一つは元々余裕がある設定の限界に近づくためです。
もう一つの限界をこえる仕組み
人にはもう一つ限界をこえる仕組みがあります。脳の錯覚・騙しによるものです。
限界をこえるとは脳の錯覚・騙しによる糖質依存の際に見られる現象です。本来なら太り過ぎないためと胃が破れることを防ぐために余裕を持って満腹と感じる仕組みがあるはずです。その満腹に感じる仕組みが、脳の錯覚により満腹感が誤魔化され限界をこえて食べることが出来るようになってしまいます。お腹いっぱいに感じる限界を糖質依存があっさりこえさせてしまうのです。
本当に胃がはちきれそうになって胃が物理的に満杯になることで満腹と感じるようです。糖質依存がない状態で満腹と感じるはずの限界が糖質依存状態の腹八分程度ではないかと思います。昔から腹八分程度が健康には良いことを経験的に知っていたようですが、糖質依存にまでは思い至らなかったようです。つまり糖質依存状態の腹八分が本来なら満腹と感じる限界ではないかと思います。その証拠に糖質を食べなくなった糖質依存から解放された人は、胃が小さくなったと感じるようです。実際には糖質依存により脳の騙しが無くなって本来の胃の大きさになっただけのことです。
依存という病的な状態により限界をこえてしまうと、様々な病気を引き起こしてしまうようです。
タバコも本来なら煙なので煙たいはずですが、依存により煙たいのを乗り越えて吸うことが出来るのだと思います。
アルコール依存や薬物依存は限界をこえて意識そのものに働きかけてしまうため、なかなか抜け出すことが出来ないようです。
依存は本来なら働くはずの自己抑制が働かなくなるので、意識して気をつける必要があります。実は世の中には本来なら備わっている限界を容易にこえてしまう依存になり得る罠・落とし穴があちこちに散りばめられています。本来なら備わっている限界を意識することで、脳に騙されることなく快適に過ごす方法を見つけましょう。