大切なことは選択肢を選んだ結果ではなく、選択肢の選び方を伝えることです。 昨日のやってしまいがちな選択の間違いは相手が考える前に選択肢を提案してしまうことでした。昨日の文章の主旨は、まず無限にある可能性の中から選択肢を選び出すことに意味があるということです。
今回は選択肢を選んだ結果ではなく、選び方についてです。選んだ結果に対しての意見はよく聞きますが、選び方を検証していることはあまり聞きません。潜在的に結果論の考え方で、本来は選び方である経過にこそ意味があると私は思います(結果論と経過)。その選択はこういう理由でダメとかこういう理由で別の選択肢の方が良いと思うと言った選んだ結果に対しての意見や批判を聞きます。
本来伝えてあげるべきことは選び方のはずです。選択肢の選び方の中で選ぶ基準をまず決めて、その基準から選び方を考えることです。アドバイスする人にとってはあまりにも当たり前すぎて、みんながこのように選ぶことが出来るはずだと思い込んでいます。選ぶ基準すらわからない人がいることなど想像がつかないのです。そのため基準を決める当たり前だと思い込んでいることを伝えるのは時間短縮のために省略してしまい、代わりに選んでしまったり、見落としていそうなことだけを指摘するのです。何を基準にすればよいのか全く選び方がわからない人に、いきなり選択を迫ってもお互いが混乱するだけです。
相手が選択肢を選ぶ基準すらわからない前提に立って、基準の見つけ方から伝えてあげることが大切だと思います。
例えば中学生に、進学する高校を選ぶ際に、いきなりどこの高校に行きたいかを聞いても意味がありません。何故なら小学校も中学校もほぼ自動的に通う学校が決まっていたので、どのように学校を選べば良いのか全くわからないからです。中学生によっては高校に進学する意味も曖昧なまま、何となく就職はまだしたくないから高校に進学する人もいるでしょう。高校には進学したいけどどのように選ぶのかわからないまま、どこに進学したいのか聞かれるので混乱してしまいます。高校を決める基準が提案されないまま進学先を決めることになるので、偏差値を基準として進学先を決めることにつながります。高校を選ぶ他の基準を中学校や高校が提案しないので、単純に数字で決まる合否に相関する偏差値はある種便利な指標となっているようです。
高校に進学する意味や目的を明確にしてあげることが大切だと思います。どのように選べば良いのかわからない中学生に、高校を選ぶ基準を明確にしてあげるのです。例えば高校ではクラブを頑張りたい、友達を多く作りたい。などの希望があれば、自分のやりたいクラブ活動の熱心な高校に進学する基準をまず考えることが出来るでしょう。他には3年間毎日通学することになるので家からの距離も問題になりますし、義務教育でさないため授業料の問題もあります。友達を多く作りたいのであれば、体育祭や文化祭などこ学校行事を生徒が運営しているなどが基準になるかもしれません。
大学に進学するつもりで、高校卒業の資格を得ることだけが目的なら高校はどこでも良いでしょう。あえて選ぶなら大学の進学実績のある高校を選ぶ方が、希望の大学に進学出来る可能性が高まります。もし進学したい大学が決まっているのであれば、学校推薦がある高校を選ぶ基準もあり得るでしょう。まだわからない中学生には高校を選ぶ基準を見つける手助けをしてあげることからすると良いと私は思います。
社会に出ていても、選択の基準がわからず選択に迷っている人も良く見かけます。一言で出来るアドバイスは、選択の基準を提案してあげることです。
このように選択肢の仕方が大切です。具体的には選び方の基準を教えてあげることこそが大切です。最終的には自分で基準を見つけ出し、自分で選択できるようになることが一つの目標です。出来れば選択の基準を即座に見極めて人に提案できる知恵を身に付けたいものですね。