食べ物には炭水化物(糖質+食物繊維)・タンパク質・脂質がありますが、その中でも血糖値を直接上げるのは糖質だけです。血糖値とは糖質が消化されたブドウ糖の血中濃度に他ならないからです。タンパク質は消化されればアミノ酸、脂質はグリセリンと脂肪酸として吸収されます。タンパク質・脂質の消化によりブドウ糖は産生されないのですから当然です。
食後血糖値と食事の関係
食後血糖値は上がるのが常識とされていますが、その常識は間違っています。何故なら糖質を食べる前提での食後血糖値の上昇だからです。そもそも糖質を食べなければ血糖値はほぼ一定に保たれます(参考:主食を食べない血糖値推移 ~血糖値持続測定~)。糖質を食べたとしてもその糖質の食べ方により血糖値の変化が違うことがわかってきました。
一般的に野菜から食べましょうと言われますが、根拠の乏しい宗教のような考え方です。野菜から食べることを推奨する根拠は食物繊維が多いため糖質の吸収を邪魔することが目的のようです。上記のように血糖値を押し上げるのは糖質です。その糖質の吸収を抑えるためには、糖質が腸の粘膜に触れることを邪魔すればよいはずです。ということは糖質以外のものがあれば糖質が腸の粘膜に触れる確率を下げることができます。単純に糖質と糖質以外に分けて考えればよいだけのようです。
糖質=血糖値を上昇させるもの。。
糖質以外=血糖値の上昇を邪魔するもの。
という解釈が成り立ちます。
血糖値の視点においては、
糖質=敵
糖質以外=味方
という考え方が成り立ちます。
出来るだけ敵である糖質を控え、出来るだけ味方である糖質以外のものを多く食べることを心がけましょう。
食後血糖値と食事中糖質割合の関係
食後の血糖値は食事の糖質の影響を受けます。
糖質だけ食べれば血糖値は急上昇し、糖質以外のものも食べていれば血糖値の上昇は緩やかになります。
その仕組みを考えてみます。
糖質は分解されるとブドウ糖となります。そのブドウ糖が腸の粘膜に触れることで吸収されるはずです。物理的に考えて腸の粘膜に触れることなく身体に吸収されることはあり得ないはずです。
食べ物の中で食物繊維は人間には消化できません。タンパク質はアミノ酸、脂質はグリセリンと脂肪酸に消化されています。
腸管の中では食物繊維・糖質・アミノ酸・グリセリン・脂肪酸が混在している状態となります。その中で糖質が腸の粘膜に触れた場合のみ糖質が吸収され、血糖値を押し上げます。
単純な物理の考え方で、濃度の濃いものから濃度の薄いものへの物質の移動は、濃度の濃い方が移動は速やかで濃度の薄いものの移動は緩やかです。
糖質の消化・吸収に置き換えてみると消化された糖質の濃度が濃いと血中に糖質が移動するため血糖値が速やかに上昇し、消化された糖質の濃度が薄いと血糖値の上昇は緩やかになります。
つまり食後血糖値は食事中の糖質割合に依存するということのようです。
糖質を食べる際には糖質以外のものを食べると急上昇が抑えられ、糖質だけ食べると急上昇してしまいます。
糖質だけ食べるとは、うどん・ラーメン・おにぎり・パンなど主食だけ食べる食べ方のことです。これらは主食だけで美味しい食事になってしまうため、血糖値の観点からは出来る限り避けたい食事です。特にうどん・おにぎりセット、ラーメン・チャーハンセットなどは最悪の食事の仕方です。糖質一度に摂り過ぎ症候群を引き起こすための食べ方と言っても過言ではないでしょう。
糖質一度に食べ過ぎ症候群という疾患概念から、ジュースやお酒で発症する場合があることを考え糖質一度に摂り過ぎ症候群に改名しましたが、病気の本質は血糖値急上昇症候群とするべきなのかもしれません。
糖質をそれほど多く摂らなくても、糖質だけ摂ることにより血糖値が急上昇することが考えられます。
実験していないので思考実験になりますが、お腹の空いた状態で大量のジュースを一気に飲んだ場合には血糖値が急上昇することが考えられます。その血糖値の急上昇により糖質一度に摂り過ぎ症候群を発症している可能性が十分考えられるのです。
おにぎり一つであっても血糖値は急上昇することがわかっています(参考:おにぎり1つの血糖値 ~血糖値持続測定~)。
野菜に限らず、肉でも魚でも糖質以外のものと共に糖質を食べるように心がけると、血糖値の急上昇が抑えられるため糖質一度に摂り過ぎ症候群の発症は避けることが出来るようです。
血糖値の急上昇が抑えられるため糖尿病にもなりにくい食べ方のはずです。
食事中糖質割合に気を付けて糖質を食べることにより多くの病気が避けられる可能性があると私は考えています。もしよかったら実践してみてください。お得だと思いますよ。